里山広葉樹林活用・再生プロジェクト
1.取組に至った背景及び目的
かつて、薪炭材やシイタケ原木として利用されてきた中国地方の里山広葉樹林は、燃料革命以降その多くが拡大造林の対象となりましたが、一部は放置され大径木化し、カシノナガキクイムシ被害増長の一因にもなっています。一方で、床板、家具等に用いる製材用の広葉樹資源は、これまで輸入材に依存していましたが、伐採規制や資源的制約から持続的・安定的な供給が困難となり、国産広葉樹に対する川下側の関心とニーズが高まっている状況にあります。
このような状況を踏まえ、近畿中国森林管理局では、中国地方の里山広葉樹林を製材用として付加価値の高い用途に活用(マテリアル利用)する方法を探るとともに、持続的かつ循環的な利用を目的とした取組として、伐採後の天然下種更新にも試験的に取り組むこととしています。
今後民有林への波及も念頭に、本プロジェクトを通じ、里山広葉樹林を有効に活用し、再生するモデルを構築することを目的としています。
2.これまでの成果
岡山県新見市に位置する釜谷国有林において、アベマキ、コナラ及びアカマツが優占する里山林を伐採し、生産した木材を市場で販売することにより、事業としての採算性の検証や里山広葉樹材のニーズ把握を行うとともに、伐採後の森林の再生状況に関する検証を行いました。これまでの成果(令和3年9月)(PDF : 8,617KB)
3.里山広葉樹材需要拡大ワーキンググループ
このワーキンググループは、里山広葉樹林活用・再生プロジェクトと連携した取組を行うべく立ち上げられた、若手職員を中心としたグループです。若手職員の斬新な発想と行動力で、里山広葉樹材の需要拡大を実現するために、企業ヒアリングを始めとする様々な活動を実施しました。
【これまでの取組について】
詳しくは取組内容をクリックしてみてください ⬇
・アベマキ材の活用、追っかけてみました!
・里山広葉樹の魅力を発信! ~PR動画の作成~
4.関連イベント情報
第2回里山広葉樹活用シンポジウム
(山口局長による開会のあいさつ) |
|
(オンラインでの講演の様子) |
令和3年3月11日(木曜日)、森林総合研究所関西支所との共催により、「里山の森林再生と地域振興に向けて」と題して、第2回里山広葉樹活用シンポジウムをオンラインで開催しました。
各講演者からは、山の潜在価値の適正な評価や広葉樹施業の可能性を情報発信することの必要性、広葉樹の流通や利用の状況について御講演いただきました。また、家具材にならない小径木の活用事例や林業として生産者にお金が還元される仕組みづくりなど、地域全体での広葉樹材の在り方について講演いただきました。
また、当プロジェクトの経過報告として、伐採した広葉樹を木材市場で販売し、伐採方法による収支や採算性、素材のニーズの分析などを行い、共同研究いただいている岡山大学からは、伐採後の萌芽の状況や実生更新を樹種や条件別に分析した結果を報告いただきました。
当局の若手職員で構成するワーキンググループからは、Facebookなどを活用して、企業に市売りへの参加を広報するとともに、遠方でも参加できるよう新たな販売システムや広葉樹材を活用した製品の提案、実際にアベマキ突き板を利用した製品の試作など、新たな着眼点でのアイデアの提案がありました。
当日配信したシンポジウム様子は、下記一覧から御覧いただけます。
(※一部掲載していない講演がありますこと御了承ください)
タイトル | 発表資料 | YouTubeリンク |
シンポジウム開会あいさつ | ー | リンク先 |
近畿中国森林管理局里山広葉樹林活用・再生プロジェクト報告 ~広葉樹材の清算・販売と伐採跡地の再生~ |
近畿中国森林管理局里山広葉樹林の活用・再生プロジェクト報告(近畿中国森林管理局)(PDF : 3,767KB) | リンク先 |
里山広葉樹材需要拡大ワーキンググループ活動報告 | 里山広葉樹材需要拡大ワーキンググループ活動報告(近畿中国森林管理局)(PDF : 2,494KB) | リンク先 |
森を活かす飛騨市の地方創生 ~小径広葉樹の新たな価値の創造による「広葉樹のまちづくり」~ |
森を活かす飛騨市の地方創生(飛騨市)(PDF : 7,444KB) | リンク先 |
【過去のイベント情報】
過去のイベント情報についてはこちら
お問合せ先
森林整備部技術普及課
担当者:企画官(技術開発・普及)
代表:06-6881-3500(内線3457)
ダイヤルイン:050-3160-6729