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四国森林管理局

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    令和6年度 第1回国有林モニター現地説明会を開催


     林野庁では、幅広い国民の皆様に国有林についての理解を深めていただくとともに、意見交換など対話型の取組を通じて御意見や御要望をいただき、これを国有林の管理経営に役立てることにより、開かれた「国民の森林」にふさわしい管理経営を行っていくことを目的として、「国有林モニター制度」を設けています。
     四国森林管理局では、令和6~7年度の2年間を任期とするモニターを公募し、四国4県にお住まいの34名の方に依頼しています。
     6月15日、徳島県三好市において、「木の文化を支える取組」と「治山事業」について理解を深めていただくため、第1回国有林モニター現地説明会を開催し、四国各地から27名のモニターに御参加いただきました。

    1. 徳島森林管理署の管内概要およびシラクチカズラの育成・供給に向けた取組について

     午前中は、「祖谷のかずら橋」において、尾山徳島森林管理署長から、徳島署の管内概要について説明を行った後、かずら橋の架け替え資材である「シラクチカズラ」について「かずら橋は3年に1度架け替えられており、架け替えにあたっては国有林から資材の供給を行っているが、その資材の確保が課題となっていることから、徳島署は三好市、香川大学農学部と協定を締結し、シラクチカズラの採取と育成のためフィールドを提供することで、苗の育成や調査研究といった活動を支援している」等の説明を行いました。参加者からは「かずら橋の材料であるシラクチカズラ保全のためにも国有林が貢献しているのだと知って驚きました」、「かずら橋の維持・保全のため、今後も取組を続けてほしい」といった感想をいただきました。
    シラクチカズラ   記念撮影
       シラクチカズラの育成・供給の取組を説明                                    記念撮影       

    2.巨大地すべり地域における治山事業の取組

     午後は「三好市東祖谷樫尾地区」に移動して、地すべりに係わる治山事業施設の見学を行いました。当地区は日本有数の地すべり地帯として知られ、平成7年から幅600m、斜面長1100mに渡る広範囲で地すべり対策事業が行われています。当地のように、民有林野内でも事業規模が大きく高度な技術を要する等など国土保全上特に重要と認められるものについては、都道府県からの要請を受け、国が荒廃地の復旧や地すべりの防止対策等の治山事業を実施しています。

    (1)治山事業の概要と地すべりの仕組み・対策について説明
     地すべり対策事業地である樫尾地区が一望できる広場にて、川口治山技術官から治山事業の概要及び目的・効果について説明を行いました。
     続いて、地すべり発生のメカニズムやその対策工についてイラストなどを交えながら説明を行った後、樫尾地区における地すべり対策事業について説明を行いました。説明に際してはイラストなどを用いたパネルを使い、初めての方にも分かりやすいよう、治山工事の詳細を紹介しました。
     また、ボーリング調査によって採取した地中深くの“コア”を直接観察してもらい、地すべりの原因であるすべり面の岩質状況などに、参加者も興味津々な様子でした。

    樫尾地区   治山事業
    樫尾地区にて(※正面が地すべり対策箇所)                   地すべり対策事業について説明

    (2)集水井(しゅうすいせい)と排水トンネルの見学
     次に、集水井の説明では、川口治山技術官から「地すべり箇所から地下水を集め、排水する」といった集水井の機能や施工の流れについて説明を行いました。その後、実際に集水井の施設内に入っていただき、質疑応答を交えながら見学を行いました。この集水井は直径3.5m、深さ28mの規模があり、参加者も覗き込むようにして見学していました。
     排水トンネルの見学では、宮脇主任治山技術官から「集水井で集めた地下水を排水トンネルで排除することで、地すべりの進行を防いでいる」といった説明があった後、排水トンネルの構造や工事の状況について質疑応答を交えつつ見学を行いました。
     治山事業の説明をとおして、参加者からは「地すべりの構造から対策の詳細、事業の概要など幅広く学べて良かった」、「東祖谷の地形的特徴から、地すべりを未然に防ぐ術を学ぶことができた」、「排水トンネル内の水量が思っていた以上に多く、あの水が集水されたものだと思うと、地すべりで困っている地域からすると有益な工事だと思った」といった感想をいただきました。

    集水井   パネル説明
    集水井を見学              パネルを使って排水の仕組みを説明
     
    排水トンネ ルを見学

    3.現地説明会を通してまとめ

     今回参加いただいたモニターからは「排水トンネルに入るなど、普段はできない経験に加え、実際の現場を自分の目で見ながら説明を受けることができ、とても貴重な経験となった」、「普段、森林の側面からしか森林管理局の活動について聞く機会がなかったので、治山という活動を今回知ることができて良かった」といった感想をいただきました。
     今後もモニターの皆様からいただいた御意見等を参考としつつ、適切な管理経営を行い、多くの国民の皆様に国有林野事業への理解を深めていただけるよう努めてまいります。

     ✿ かずら橋の架け替えに係わる資源供給に向けた取組については、「グリーン四国2021年3月号」に詳細を掲載していますので、よろしければ御覧下さい。https://www.rinya.maff.go.jp/shikoku/attach/pdf/index-121.pdf

    お問合せ先

    企画調整課 林政推進係

    ダイヤルイン:088-821-2160