令和6年度南予森林アカデミー「高性能林業機械を使った間伐作業現場の見学」
令和6年8月21日
愛媛森林管理署
愛媛森林管理署は、令和6年8月6日、南予森林アカデミー研修生2名を対象に、目黒山国有林2085林班で高性能林業機械を使った間伐作業現場の見学を行いました。
最初にウインチ付きグラップル(グラップルとは、丸太をつかむことができる大きな爪状の装置を装着した高性能林業機械)を使用した集材作業を見学しました。
集材作業は、玉切り(伐倒した木を丸太にすること)や運搬の作業がしやすいように、伐倒した木を作業道沿いに集積します。目黒山国有林では、伐倒した木に繊維ロープ(ワイヤーロープと同等の強度があり、かつ軽量なロープ)を括り付け、ウインチ付きグラップルで丸太をつかむことができる範囲まで丸太を巻き上げています。
研修生は繊維ロープを使用するメリットは何かとの質問をし、これに対して、請負事業体の現場代理人が、「ワイヤーロープは重いため、丸太に括り付ける作業員にとって重労働となっているが、繊維ロープは軽いため、作業効率が上がる。また、ワイヤーロープのささくれは、作業員のケガの元となるが、繊維ロープはささくれても安全。」と回答していました。
次に列状間伐の作業を見学しました。
間伐は、植栽木が成長するに伴い、林内が過密状態となり、植栽木がお互いの成長を阻害することを避けるために、林内の密度を調整することを目的に行っています。間伐には、間伐方法を選木の仕方で大きく分けると、定性間伐と定量間伐(列状間伐)の2種類があり、定性間伐は、主に、劣勢木(被圧されていて成長が見込めない木等)を選木して間伐する方法です。一方、列状間伐は、列状に伐採することでかかり木(伐倒した木が残存木に引っかかること)の発生が少ないため、労働安全性が高く、また、選木をする必要がないため、効率的に作業ができる間伐方法です。
研修生は、愛媛森林管理署職員の説明や現場を見学して、列の設定方法等について質問をするなど高い関心を示していました。
また、誰が指示してどのように採材(伐倒した木を3mや4mの丸太に切ること)するのかとの質問もあり、当署職員が、「事業始めに当署の担当者が、造材寸法書を提示し、業者へ径級毎の採材を指示している。また、丸太は価格が変動するので、木材市況を踏まえて、その都度、高く売れる採材を指示している。」と説明しました。
愛媛森林管理署は、愛媛県の林業の担い手育成・確保に貢献するため、今後も南予森林アカデミーに対して、研修フィールドの提供や講師の派遣を実施していきます。
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ウインチ付きグラップルを使用した集材作業を見学する研修生
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愛媛森林管理署
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