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四国森林管理局

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    令和6年度南予森林アカデミー「一貫作業システム及びコンテナ苗植付研修」

    令和6年12月24日

    愛媛森林管理署

       愛媛森林管理署は、令和6年11月8日(金曜日)、南予森林アカデミーの研修生1名に対して、一貫作業システム及びコンテナ苗の植付研修を行いました。

       一貫作業システムとは、伐採作業と造林作業を連続して行う作業のことで、林業機械を使って地拵(じごしら)え作業や苗木の運搬をすることで、人力で行う従来型の作業よりコストを削減することができます。

       最初に国有林野での取り組み事例をあげながら、一貫作業システムについて説明を行いました。国内における昨今の主伐再造林の現状として、主伐後の造林面積が主伐面積の3~4割程度に留まっている現状を説明し、主伐後の再造林を確実に実施するためには費用の低減を進めることが重要であり、そのためには一貫作業システムの導入により作業効率を向上させ、伐採から植付作業までのコストを削減することが必要であることを説明しました。

       具体的には、伐採から植付作業までの工程のなかに、地拵(じごしら)え作業があります。地拵え作業とは、人工造林の準備作業として、苗木植付のために伐採跡地の残材や枝を片付け整理することですが、この作業をグラップル等の林業機械を使って行う機械地拵えと手作業による従来型の地拵えを比較して説明しました。機械地拵えをすることで、労働量とコストを大幅に削減できることやコンテナ苗を植栽することにより植付に係る時間が短縮されることを具体的な数字を示しながら説明を行いました。研修時に、業者の方が地拵え作業を実施しているところを見学することができたので、研修者は口頭や紙で説明を受けるより、作業に対する理解が深まったのではないかと思います。

       次に、国有林における植付作業および地拵え作業の仕様について説明を行いました。具体的には、1ヘクタールあたりの植付本数や列間距離と苗間距離、植穴の大きさや植付ける深さ、根鉢を壊さないように取り扱うことや乾燥を防ぐようにすることなどの説明を行いました。

       最後に、研修者にコンテナ苗の植付作業を経験していただきました。仕様書を確認しながら、植栽箇所を示した支柱付近に専用器具を用い、植穴を掘り、コンテナ苗の植付を行いました。また、研修生から、研修地周辺の植栽木に対する獣害状況やその対策についての質問があり、ノウサギやシカの食害を防ぐために、造林費用が増大している現状や獣害対策を行った資材の撤去についてなど、今後の課題について意見交換も行ない、充実した研修となりました。

       愛媛森林管理署は、今後も南予森林アカデミーと連携し、国有林野のフィールド提供や講師派遣を行い、林業の新たな担い手の育成・確保に寄与してまいります。

    国有林の一貫作業システムについて説明を行っている様子 植付箇所を確認している様子

    専用器具で植穴をあけ、植付作業を実施 植付状況を確認

    お問合せ先

    愛媛森林管理署

    ダイヤルイン:089-924-0550