トピックス_令和3年度(2021年)
2022年03月21日(月曜日)
小杉谷閉山50周年記念植樹
関係者の集合写真
2月に開催が予定されていた「小杉谷閉山50周年記念式典」が、新型コロナ感染拡大に伴い中止となったことから、関係者による小杉谷小中学校跡でのソメイヨシノの記念植樹が計画されました。しかし当日はあいにくの天気で小杉谷での記念植樹も中止となりました。
総合センターに集まった関係者に対し、荒木町長からは、小杉谷閉山50周年にあたり、小杉谷・石塚集落が、国内有数の林業開発の拠点として重要な役割を果たしてきたこと、今後、町として小杉谷・石塚集落跡については地元のこども達の学びの場としての活用を進めたいとの挨拶がありました。
また、石塚集落の出身者である、屋久杉自然館の佐々館長からは、自身の登下校時の思い出や集落での生活、昭和38年の豪雪被害の体験などの話がありました。小杉谷・石塚の住民は、時には厳く過酷な環境の中でも、明るく活力のある生活を送っていたとのことです。
なお、準備したソメイヨシノは、3月28日に屋久島森林管理署の職員の手によって植林されました。
2022年02月17日(木曜日)
職員による小杉谷案内板の取替を実施
小杉谷小中学校跡登山道沿いの案内板の老朽化が進んでいたため、小杉谷閉山50周年記念行事の一環として今回デザインも新たにリニューアルしました。
取替作業は、本来であれば地元のパークボランティア、屋久島山岳ガイド連盟、屋久島観光協会の方々の参加を予定していましたが、島内における新型コロナウィルスの状況から、当保全センター職員と屋久島森林管理署、環境省屋久島自然保護官事務所職員の計10名で行いました。小杉谷は標高が高いため非常に寒い中での作業となりましたが、無事に終えることができました。
新しい案内板には登山客にも足を止めて読んでいただけるように写真を多く使用し、小杉谷の歴史について簡単にまとめ、ベンチも新たに2基設置しました。
この登山ルートを利用する多くのみなさんが、小杉谷の歴史に触れることで屋久島と林業の結びつきについて考えるきっかけとなればと思います。
作業の様子(左)、設置された案内板 (右)
2022年02月12日(土曜日)
ヤクタネゴヨウの保全について榕城小学校で森林教室を開催
植物の葉についての説明
当保全センターでは、ヤクタネゴヨウ保全の会からの職員派遣依頼を受け、西之表市立榕城小学校6年生(76名)を対象に、屋久島森林管理署と共同で森林教室を実施しました。当日は小学校近郊の公園で実施する予定でしたが、天候不良のため小学校内の体育館での開催となりました。
当保全センター及び屋久島森林管理署は前半の講義を担当し、まず植物の名前についてのクイズを行いました。難問もありましたが、児童たちは周りと相談しながら一生懸命考えてくれていました。その次に行ったのは葉の特徴についての説明で、講話以外にもバクチノキやヤブニッケイ等の樹木を持参し、児童たちに葉っぱを触ったり嗅いでもらったりしました。葉っぱでじゃんけんが出来るカクレミノは人気があり、多数の児童たちが葉っぱで遊びたがりました。
前半の最後に、種子の仕組みと働きの解説を行いました。その際に、飛ぶ種子の模型(アルソミトラ)を各々で作って飛ばしてもらいました。皆で上手に飛ばせるように何度も練習し、照明の上にまで飛ばした児童もいました。
後半はヤクタネゴヨウ保全の会が講義を行い、絶滅危惧種であるヤクタネゴヨウの保全活動の取組みや、松枯れの原因であるカミキリムシやマツノザイセンチュウに関する説明がありました。枯れた松を斧で割り、中にいるカミキリムシの幼虫を観察する時間もありました。
最後に、校長先生から感謝の言葉をいただき、森林教室のプログラムは終了しました。
植物の名前クイズに参加する生徒たち(左)、マツノマダラカミキリの幼虫の観察(中)、種子の模型を飛ばす生徒たち(右)
2022年01月26日(水曜日)
八幡小学校森林教室を開催
ワークショップでの発表
当保全センターでは、八幡小学校において3、4年生を対象に森林教室を行いました。昨年8月に教職員を対象とした「屋久島森の塾」を実施した際に、「シカと森林のカード」という生物多様性について学べるカードゲームを各学校に配布したところ、八幡小学校の児童たちが興味を持ち、ヤクシカの被害に関してもっと深く知りたいという要望をいただいたため、今回の森林教室はヤクシカの問題や狩猟についての内容となりました。
前半は屋外で、植林したスギの被害を防ぐためのシカネットや、シカを捕獲するためのくくり罠の説明を行いました。シカネットは、学校の裏庭の一角に簡易的に設置し、児童たちに触ってもらったりぶつかって強度を確かめてもらったりしました。くくり罠の実習では、実際にくくり罠を仕掛け、隠したものを児童たちが目視で探し当てるゲームを行いました。児童たちは隠された罠を一生懸命探すなど、興味津々の様子でした。
後半は教室で、ヤクシカの問題について考察するワークショップを行いました。まず、ヤクシカの現状や問題点を写真や図を用いて解説した後、児童たちにはこの問題をどう解決したら良いか、そして自分たちに何が出来るのか考えてもらいました。数を減らすために罠を増やす、大人に対策を呼びかけるというような堅実な意見もあれば、捕まえたシカの活用法として日本全国の給食で出す、処分せず動物園のような施設で研究や教材の為に飼育するといったユニークなアイデアも挙がりました。
今回の森林教室はヤクシカや狩猟を中心にする初めての試みであったため、手探りの状態でしたが、無事に終えることが出来ました。この経験を活かし、子どもたちにもよりわかりやすく学びを深めてもらえるよう、内容を充実させていく方針です。
罠を探す生徒たち(左)、罠を作動させる(右)
2021年12月02日(木曜日)
令和3年度屋久島外来種対策行政連絡会を開催
アブラギリの駆除について発表
当センター会議室において、令和3年度屋久島外来種対策行政連絡会を開催しました。連絡会には屋久島森林管理署および当センター、環境省、鹿児島県、屋久島町、屋久島環境文化財団の関係者が参加し、外来種対策に関する情報の共有を行いました。
連絡会では、環境省が実施したオオキンケイギクやハイイロゴケグモ等に対する防除・普及啓発や、鹿児島県が実施した外来種の普及啓発チラシの配布や駆除対応マニュアルの対応等といった取組の報告がなされました。屋久島森林管理署からは、今年度行ったアブラギリ駆除対策事業についての説明を行ったほか、これまでの取組内容をまとめた「アブラギリの効果的かつ効率的な駆除方法について」というプレゼンテーションを発表しました。このプレゼンテーションは、今年の11月に開催された森林・林業の技術交流発表大会にて発表したものと同じです。
取組の報告後、アブラギリの駆除拡大の検討や、鹿児島本土で実施されている県の事業の屋久島における展開要望など、様々な意見交換が行われました。最後に、以前安房でハイイロゴケグモが発見された時のように、緊急的なことが発生した場合は、連絡会を開催することを確認して終了しました。
2021年11月27日(土曜日)
屋久島木材フェスタに参加
屋久島町みどり推進協議会、熊毛流域森林・林業活性化センター主催の屋久島木材フェスタが11月24日~27日に屋久島町役場において開催され、当保全センターから1名、屋久島森林管理署から3名が参加し、27日に木工品作成ブースを出展しました。
当日は寒い中たくさんの来場者があり、竹や木材を使って箸や竹とんぼ、キーホルダー作りなどを体験されました。中には1時間以上も箸作りに熱心に取り組む保護者や、竹とんぼを10個も作成された方もおられ予想以上の大盛況となりました。
他のブースでも、木材を使用した温かみのある椅子や時計などが展示され、また積み木などで自由に遊べるスペースが用意されているなど、大人も子どもも五感で木を感じ楽しめるイベントとなりました。
展示会場の様子(左)、木工品を作る参加者(右)
2021年11月25日(木曜日)
令和3年度 森林・林業の技術交流発表大会に参加
熊本県民交流館パレアにて「令和3年度森林・林業の技術交流発表大会」が開催されました。当保全センターと屋久島森林管理署は共同で、外来種「アブラギリの効果的かつ効率的な駆除方法について」と題し、外来種対策として行っているアブラギリの駆除について発表を行いました。
本大会は、国有林内外を問わず、県や町、林業事業体や大学・高校などが、林業や農業についての事例紹介や取り組みを発表する場であり、今話題のICTの活用事例や農林業の担い手不足の対策、環境教育などテーマに沿った創意工夫あふれる内容の濃いプレゼンテーションが披露されました。
発表会場の様子(左)、九州森林管理局長の挨拶(右)
2021年11月19日(金曜日)
令和3年度 高層湿原保全対策検討会を実施
屋久島環境文化村センター会場の様子
学識経験者及び行政機関等による「令和3年度屋久島世界遺産地域における高層湿原保全対策検討会」がWeb会議により実施されました。
この会議は屋久島世界遺産地域の花之江河などの高層湿原を適切に保全することを目的に設置されたものです。
座長である鹿児島大学下川名誉教授により議事が進行され、日本森林技術協会より令和3年度に実施したモニタリングの調査報告、また九州森林管理局からは令和4年度に実施するモニタリング調査案についての報告がありました。
会議では乾燥化が進む花之江河について、ヤクシカ保護柵や木道による水流の影響などについての意見が出されました。
なお、審議された内容については令和4年2月に予定されている屋久島世界遺産地域科学委員会へ報告することとしています。
2021年11月11日(木曜日)
安房中学校森林教室を開催(2回目)
世界遺産についての講義
当保全センターでは、6月2日に続き安房中学校1年生(27名)に対する2回目の森林教室を実施しました。本来であれば「小杉谷小中学校」跡地周辺において、小杉谷の歴史や国立公園についての講義、丸太切り体験などを実施する予定でしたが、雨天のため宮之浦公民館内で実施しました。今回は、環境省屋久島自然保護官事務所と屋久島環境文化研修センターの職員の方に講師としてご協力いただきました。
午前中は小杉谷へ至る道中や携帯トイレの解説をした後、林業遺産や小杉谷の歴史について説明を行いました。その後、環境省屋久島自然保護官事務所の水川さん方から国立公園と世界遺産について明るく丁寧に説明していただき、生徒たちは熱心に聴講していました。
講義の後は、屋久島環境文化研修センターの福元さんから室内で遊べるネイチャーゲームを実施していただきました。ネイチャーゲームには生徒だけでなく、安房中学校の先生方や講師の職員など全員で参加し、皆で活動を楽しみました。ヤクシカになって資源を取り合うゲームでは、ヤクシカと生態系の関係を学ぶ良い機会となりました。
午後からは、木片や枝を使ってストラップ作りを行いました。生徒たちは発想力が非常に豊かで、個性的な作品がたくさんできあがりました。2時間ほどストラップ作りを行い、この日の森林教室の行程は終了しました。
今後も子どもたちに屋久島について楽しみながら学びを深めてもらえるよう、他機関と連携を図り、森林教室の内容を充実させていきたいと考えています。
【左から】生徒たちの作品(ストラップ作り)、ネイチャーゲームの解説、林業遺産についての講義、集合写真
2021年11月8日(月曜日)
「小林式誘引捕獲」の講習会へ参加
九州森林管理局主催による有害鳥獣捕獲ワナ「小林式誘引捕獲」の講習会が開催され、講師として近畿中国森林管理局の小林保護係長が来島されました。
「小林式誘引捕獲」とは、小林係長が考案したくくり罠猟法の一種で、狩猟経験の少ない人でもベテランのように成果が上がると評判になっています。設置方法としては、くくり罠の周りに石を密着させるように置きます。石には罠が空弾きしないようにする効果があります。罠に土をかけて埋めた後、罠の周囲に餌をドーナツ状に撒きます。この餌の置き方が従来と大きな違いとなっています。
講習会ではまず、屋久島森林管理署や当センターが普段通りの方法で罠をかけて見せた後、小林係長の指導の下、参加者全員で「小林式誘引捕獲」罠の設置演習を実施しました。その他にも、餌の種類や罠の修理方法、獲物の止めさしの安全性などについて解説が行われ、狩猟に関する多くの知識を学ぶ機会となりました。
当センターにおいては、今後「小林式誘引捕獲」を活用してシカ捕獲対策を行う予定です。
罠の説明をする小林係長(左)、「小林式誘引捕獲」では罠の周囲に餌を撒く(右)
2021年11月6日(土曜日)~7日(日曜日)
「屋久島憲法100周年記念シンポジウム」の開催
屋久島町総合センターにおいて、屋久島憲法100周年記念シンポジウム(主催:一般財団法人自治総合センター、「屋久島憲法100周年記念シンポジウム」実行委員会)が開催されました。
本シンポジウムは、一昨年から準備委員会及び実行委員会を重ね、コロナ禍の中で開催自体も危ぶまれましたが関係機関の協力と努力により、開催の運びとなりました。
会場には、2日間で150名以上の方がご来場されるとともに、インターネット動画サービスへの共有を行うなど、盛大なシンポジウムとなりました。
1日目は、林野庁長官の祝辞が披露された後、林木育種センター九州育種場長から、ヤクスギ著名木苗木の目録が屋久島町長へ贈呈されました。苗木は現在九州育種場で育てられており、後日屋久島の小中学校へ配布されることとなっています。
記念講演では、鹿児島国際大学の三木名誉教授をはじめ4名の方による講演が行われました。
講師の一人である九州森林管理局小島局長からは「屋久島憲法と屋久島国有林の管理経営について」と題し、100年前に制定された屋久島憲法の理念は、現在の屋久島における国有林の管理経営にも位置づけられていることや、これからの100年に向けて、国有林をはじめとする屋久島の森林・林業について、「森林サービス産業」創出への期待や、持続可能な社会づくりへの貢献など、新たな森林の活用を行政や住民が考えるきっかけとなることを期待しています。との言葉がありました。
2日目は、総合討論が行われ、屋久島の各共用林組合の取り組みや、中島実行委員長による基調報告と屋久島高校吹奏楽部の演奏が披露され、2日間の日程が無事終了しました。
小島九州森林管理局長による講話(左)、屋久島高校吹奏楽部による演奏(右)
2021年10月26日(水曜日)~30日(土曜日)
近自然工法による登山道整備の実地講習会に参加
10月27日、屋久島山岳ガイド連盟主催で行われた登山道整備講習に、センターから職員3名が参加しました。
本講習では、大雪山・山守隊の代表を務める岡崎哲三氏を講師に招き、淀川登山口から淀川小屋までの道を、実際に修繕しながら近自然工法について学びました。
近自然工法とは「自然に近づけること」を一番に、自然界の構造を施工に取り入れる手法です。現地を観察し、荒廃の原因を考え、自然生態系に近づけるための工夫を行う登山者にも登山道にも優しい工法です。
当日は砂利を運んで往復したり、大きな木を動かしたりと労力が必要でしたが、普段何気なく利用する登山道にもたくさんの人の手が加わっていることに、あらためて感謝をして歩きたいと思いました。
今後登山道の補修を行う際には今回学んだ近自然工法を活かしていきたいと考えています。
近自然工法について受講する参加者たち(左)、登山道補修の様子(右)
2021年10月1日(金曜日)
大分舞鶴高校の生徒に対しスキルアップ研修を実施
大分県立大分舞鶴高校の理数科1年生20名に対し、屋久島の森林や毎木調査に関する研修を行いました。
大分舞鶴高校は、文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクール(先進的な理数教育を実施し、将来の国際的な科学技術人材を育成することを目的とした文部科学省が指定する高等学校)の指定を受けており、幅広い科学的素養や科学的探究力の育成を目的に大学等の研究者の支援を受けながら自然体験研修を実施されています。
当センターではスキルアップ研修の一環として、毎年体験実習のお手伝いをしています。通常であれば国有林内の試験地において、樹高・胸高直径の測定や下層植生の調査等を体験した後、そのデータを基に林分の階層構造等の分析まで生徒に行ってもらいます。しかし、今回は行程上の都合で林内に入る時間が無く、当センター所長から屋久島の森林や外来種、例年調査を行っていた試験地や調査方法等について講話を行いました。
生徒たちは熱心に聴講し、数名の生徒から質問もありました。1時間ほどの短い間でしたが、最後に生徒代表からお礼の言葉をいただき、研修は無事終了しました。
講話中の様子(左)、樹木の形に関する説明(中)、生徒代表からお礼の言葉をいただく(右)
2021年9月14日(火曜日)
「屋久島憲法100周年記念シンポジウム」のポスター決定
本年11月6,7日屋久島総合センターにおいて、屋久島憲法100周年記念シンポジウム(主催:一般財団法人自治総合センター、「屋久島憲法100周年記念シンポジウム」実行委員会)が開催されます。この度シンポジウムのPRポスターが決定したので紹介します。
ポスターは、2点とも屋久島在住の方が制作されたものです。対照的な作品の中に「屋久島憲法」を通じ、屋久島の森と人との歴史、貴重な記憶と財産を未来に引き継ぐ様子が表現された作品となっています。このポスター制作をきっかけに、本シンポジウムに多くの方が関心を寄せてくださればと思います。
「屋久島憲法」とは、大正10年に国が示した屋久島の振興策を指すもので、正式には「屋久島国有林経営の大綱」と言います。屋久島の森を今後どのように後世に引き継ぐべきか考える機会となることを期待します。
2021年6月8日(火曜日)
屋久島高校縄文杉登山事前指導
屋久島高校では、毎年1年生が参加する縄文杉への学校登山を前に、当保全センター職員による登山の事前指導が行われています。この学校登山は、郷土に伝わる「岳参り」の風習を体験し、屋久島の素晴らしい自然環境を学ぶことを目的に永年行われてきました。また、生徒たちは縄文杉まで登山したことのない人も多く、屋久島に生きる人間としての経験をしてもらうことも目的の一つです。
今回の事前指導では、生徒73名を前に登山中のマナーと注意事項、縄文杉までのルートを写真を用いて解説をしました。また、携帯トイレの使用方法について、写真や実物を用いて説明を行い、使用手順や必要性を伝えました。
生徒たちは7月の登山本番に向け、真剣に聞いていました。
登山中のマナーを聞く生徒(左)、携帯トイレの実演(右)
2021年6月2日(水曜日)
令和3年度安房中学校森林教室
安房中学校1年生(31名)を対象に、森林教室を実施しました。
生徒たちは、午前中に屋久島環境文化研修センターが主催するネイチャーゲームを体験し、午後から保全センターの職員と森林教室を行いました。
森林教室の前半は、校庭に生えている植物の観察を行いました。ハゼノキのような触ると危ない植物や、臭いが強いヤブニッケイ、見た目鮮やかなコオニユリなど、特徴的な植物を生徒たちは実際に触ったり嗅いだりし、植物の特徴について学びました。他に、貴重なヤクタネゴヨウとそれを脅かしているマツ材線虫病の紹介、校庭にある外来種とそれに起因する問題などについて、保全センターの職員から説明がありました。
後半は教室に戻り、「シカと森林のカード」というシカと生物多様性について学べるカードゲームを実施しました。裏返しにしたカードをめくり、動物や樹木のカードを集めて森を作っていくのですが、シカのカードが増えすぎると一部の生き物が全滅してしまいます。生徒たちは、和気あいあいとカードをめくっては一喜一憂し、時にはシカのカードをどう調整するか皆で話し合いながら学んでいました。最後に、生徒たちから感謝の言葉をいただき終了しました。
この森林教室では、生徒たちに身近な自然とその現状、屋久島の生態系とシカが及ぼす影響について伝えることができました。今回は、屋久島環境文化研修センターの皆様にも見学いただきました。今後は、研修センターと連携を図りながら、森林教室の充実に努めてまいります。
研修センターによるネイチャーゲーム(左)、校庭に生えている植物の観察と説明(中)、「シカと森林のカード」の実施(右)
2021年5月25日(火曜日)
令和3年度永田岳シャクナゲパトロール
屋久島森林生態系保全センターでは、ヤクシマシャクナゲの開花時期に合わせ、屋久島森林管理署と協力し、高山植物の盗掘防止や登山マナーの向上を呼びかける「シャクナゲパトロール」を実施しています。
今年のシャクナゲ開花は例年より早くなっており、5月25日の永田岳周辺のパトロールでは、ローソク岩展望付近で8分程の開花状況でした。 6月初め頃には、宮之浦岳周辺も満開のピークを迎えるのではと予想されます。
鹿之沢小屋で登山者情報交換(左)、登山道よりローソク岩望む(中)、登山道を補修する職員(右)
2021年4月13日(火曜日)
第6回小杉谷閉山50周年記念祭実行委員会
本年10月に開催予定の「小杉谷閉山50周年記念祭」の第6回実行委員会が屋久島森林管理署において行われました。今回の会議は、4月の人事異動により新たな委員構成での開催となり、前回現地検討会での意見を踏まえ、グラウンド等の条件整備、会場周辺の歩道整備、記念祭当日の会場設営等について確認しました。また、トイレの設営や記念品、来賓、招待者の範囲等限られた予算の中で効果的な式典となるよう、幅広いアイディアが出されました。
今後も検討会を重ね、記念祭の成功に向けて取り組むこととし閉会しました。
2021年4月8日(木曜日)
令和3年屋久島生態系保全センター着任あいさつ
4月から屋久島生態系保全センターに着任することとなりました、森と申します。
屋久島は数年前に一度訪れたことがあり、巨大な屋久杉や人を恐れないヤクシカとヤクザル、夕食にトビウオの丸揚げが出てくるなど、多くの驚きと発見がありました。そんな屋久島に住むことになり、せっかくの機会なので釣りや潜りといった、屋久島ならではの活動を始めてみたいです。
また、現在3年目でまだ山登りは不慣れな状態ですが、屋久島の様々な険しい山に挑戦し、登山の経験を積むとともに、体を鍛えて少しでも筋肉を付けたいなと思っています。
お問合せ先
屋久島森林生態系保全センター
ダイヤルイン:0997-42-0331
FAX番号:(非常時のみ)0997-42-0333