用語の解説(さ行)
主な森林・林業、国有林に関する用語の解説です。
災害関連緊急治山事業(さいがいかんれんきんきゅうちさんじぎょう)
災害により新たに発生し、又は拡大した荒廃山地又はなだれ発生地につき、年度途中から緊急に行う復旧整備に係る保安施設事業。
作業道(さぎょうどう)
林道を補完し、除間伐等の作業を行うために作設される簡易な構造の道。
里山林(さとやまりん)
居住地近くに広がり、薪炭材の伐採、落葉の採取等を通じて地域住民に利用されている、あるいは利用されていた森林。
残存型枠(ざんぞんかたわく)
解体を必要としない型枠のこと。
丸太残存式型枠は、治山ダム等のコンクリートを打設(打ち込む)する際に使用する型枠に丸太(間伐材)を使用したもの。
山地災害(さんちさいがい)
集中豪雨や地震等により、山地の崩壊・土石流・地すべり等が発生すること。
山腹工(さんぷくこう)
治山工事の一つで、土砂崩れを起こした山の斜面をこれ以上崩れないように安定させることが目的。
山腹崩壊(さんぷくほうかい)
山の斜面が突然崩れ落ちる現象のこと。=山くずれ。
GIS(じーあいえす)
Geographic Information System(地理情報システム)の略で、地図や空中写真等の森林の位置や形状に関する図面情報と、林種や林齢等の文字・数値情報を、コンピューター上で総合的に管理、分析、処理するシステム。
CSR活動(しーえすあーるかつどう)
Corporate Social Responsibilityの略で、企業の社会的責任の意。
人権に配慮した適正な雇用・労働条件、消費者への適切な対応、環境問題への配慮、地域社会への貢献など、企業が株主や消費者等の利害関係者と信頼関係を構築し、自らの事業活動を継続していく上で果たすべき責任のこと。
CS立体図(しーえすりったいず)
長野県林業総合センターが開発考案した地形表現図であり、地形図から判読できる地形量(標高・傾斜・曲率)を異なる色調で彩色し、複数を重ねて透過処理することで立体表現した図法。
CLT(直交集成板)(しーえるてぃー(ちょっこうしゅうせいばん))
Cross Laminated Timberの略。一定の寸法に加工されたひき板(ラミナ)を繊維方向が互い違いになるように重ね合わせ接着した板や柱。
シカ被害対策(しかひがいたいさく)
シカによる、スギ・ヒノキ等の苗木の食害、樹皮剥ぎ、下層植生への影響などの森林被害に対して実施している防護柵の設置や捕獲等の対策の総称。
地拵え(じごしらえ)
苗木を山に植栽する前に、苗木の生育環境を良くしたり、植えやすくするため、伐採した木の枝や、灌木を取り除くなどの作業のこと。
システム販売(しすてむはんばい)
「国有林材の安定供給システムによる販売」の略称。伐採に伴い生産された間伐材等について、国産材需要拡大や加工・流通の合理化等に取り組む集成材・合板工場や製材工場等との協定に基づいて国有林材を安定的に供給すること。
地すべり(じすべり)
粘土質の土をすべり面として山の斜面がゆっくり移動する現象のこと。
下刈り(したがり)
植林した苗木等の成長を妨げる雑草や灌木を刈り払う作業。通常、植林後の数年間、毎年、夏期に行う。
市町村森林整備計画(しちょうそんしんりんせいびけいかく)
「森林法」の規定に基づき、市町村が管内の民有林を対象に、森林・林業関連施策の方向や、造林から伐採までの森林の施業及び保護等の規範を示し、適切な森林整備等を推進するために5年ごとにたてる10年間の計画。
ジビエ(じびえ)
フランス語で、食材として捕獲した野生鳥獣のこと。
社会貢献の森(しゃかいこうけんのもり)
地球温暖化防止など地球環境保全への関心が高まっている中、企業などにおいても社会貢献活動の一環として森林の保全・整備に取り組みたいという要請に応えるため、企業などと森林管理署長などが協定を結び、森林整備活動のフィールドとして国有林を提供するもの。
集成材(しゅうせいざい)
板材(ラミナ)の小片を繊維(木目)の方向が平行になるように、長さ・幅・厚さの各方向に接着した製品。柱材等の構造用集成材と階段材、床材等の造作用集成材に大別される。接着することにより、様々な大きさの柱を製造することが可能となったため、木造大型建築物が増加した。
重点区域に準じた国有林(じゅうてんくいきにじゅんじたこくゆうりん)
都道府県が設定する「スギ人工林伐採重点区域」を含む市町村に所在する国有林。林野庁では、当該国有林における伐採・植替えを効果的・集中的に実施することとしている。
受光伐(じゅこうばつ)
育成複層林において、下層の樹木の成長環境と光環境を確保するために上層の樹木を抜き伐りする作業。
樹木採取権制度(じゅもくさいしゅけんせいど)
国有林野の一定の区域(樹木採取区)において立木を一定期間、安定的に伐採できる樹木採取権を民間事業者に設定できる制度。地域の民間事業者が対応可能な200~300ha程度・年間数千m3程度の素材生産量を想定し、権利の期間は10年を基本に運用。
主伐(しゅばつ)
次の世代の森林の造成(更新)を伴う森林の一部又は全部の伐採。
除伐(じょばつ)
人工林で育てようとする樹木の成長を妨げる他の樹木を刈り払う作業。通常、育てようとする樹木の枝葉が互いに接する状態になるまでの間に行う。
針広混交林(しんこうこんこうりん)
針葉樹と広葉樹が混じり合った森林。
人工造林(じんこうぞうりん)
苗木を植えたり、種子の播付けなど、人の手により森林を造成すること。
人工林(じんこうりん)
人工造林によって成立した森林。
針葉樹(しんようじゅ)
樹木を葉の形態で分類した名称で、スギ、ヒノキ、マツ類など細くとがった葉をもった樹木をいう。
森林環境教育(しんりんかんきょうきょういく)
森林内での様々な活動体験等を通じて、人々の生活や環境と森林との関係について理解と関心を深めること。
森林環境譲与税(しんりんかんきょうじょうよぜい)
森林経営管理制度の運用と温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止等を図るための森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保することを目的とした国税。森林環境税の収入額全額に相当する額が、市町村や都道府県に向けて譲与される。
森林環境税(しんりんかんきょうぜい)
森林経営管理制度の運用と温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止等を図るための森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保することを目的とした国税。一人あたり年額1,000円の賦課徴収を行い、法律の要件に基づき、市町村及び都道府県に森林環境譲与税として再分配される。
森林吸収源対策(しんりんきゅうしゅうげんたいさく)
地球温暖化防止対策の一つであり、森林整備により二酸化炭素(CO2)の吸収量を確保するための対策。平成2年以降に間伐等の森林経営活動等が行われた森林のCO2吸収量を計上可能としている。
森林共同施業団地(しんりんきょうどうせぎょうだんち)
地域における施業集約化の取組を支援するため、民有林と連携することで事業の効率化や低コスト化が図られる区域について、民有林と連結した路網の整備と相互利用の推進、計画的な間伐等の実施、民有林材との協調出荷などに取り組む団地(森林)のこと。森林整備協定を締結する際、団地の設定が必要となる。
森林クラウド(しんりんくらうど)
各ユーザ(都道府県、市町村、森林組合等)で管理していた森林情報を、インターネット(クラウド)上で一元的に管理するシステム。また、GISの機能を持ち、属性情報や地図情報を管理する機能を持つ。
森林経営管理制度(しんりんけいえいかんりせいど)
経営管理が適切に行われていない森林について、その経営管理を林業経営体や市町村に委ねる制度のこと。
森林経営計画(しんりんけいえいけいかく)
「森林所有者」又は「森林の経営の委託を受けた者」が、自らが森林の経営を行う一体的なまとまりのある森林を対象として、森林の施業及び保護について作成する5年を1期とする計画のこと。
森林作業道(しんりんさぎょうどう)
特定の者が森林施業のために継続的に利用する道であり、フォワーダ等の林業機械や2トン積程度の小型トラックの走行を想定するもの。
森林整備(しんりんせいび)
森林施業とそのために必要な施設(林道等)の作設、維持を通じて森林を育成すること。
森林整備推進協定(しんりんせいびすいしんきょうてい)
隣接する国有林と民有林との間で森林施業の一体化を図るため森林施業団地を設定し、協調して合理的な路網の整備及び効率的な森林整備等を推進し、地域の林業の振興に協力する協定。
森林施業(しんりんせぎょう)
目的とする森林を造成、維持するために行う植林、下刈り、除伐、間伐等の森林に対する人為的な働きかけ。
森林総合監理士(フォレスター)(しんりんそうごうかんりし(ふぉれすたー))
森林・林業に関する専門的かつ高度な知識及び技術並びに現場経験を有し、長期的・広域的な視点に立って地域の森林(もり)づくりの全体像を示すとともに、「市町村森林整備計画」の策定等の市町村行政を技術的に支援する存在。平成25年度から資格試験が開始。
森林の持つ多面的機能(しんりんのもつためんてききのう)
地球温暖化の防止、国土の保全、水源かん養、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承、木材の生産等の森林が持つ様々な機能。
森林ボランティア(しんりんぼらんてぃあ)
植樹・下刈り・間伐・枝打ち・歩道整備などの森林整備や森林パトロール作業をボランティアにより行うこと。
森林・林業基本計画(しんりん・りんぎょうきほんけいかく)
「森林・林業基本法」の基本理念の実現に向けて、森林及び林業に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、同法に基づき策定した計画。森林及び林業施策の基本方針、森林の持つ多面的機能の発揮ならびに木材の供給及び利用に関する目標、政府が講ずべき施策を明記。
森林・林業基本法(しんりん・りんぎょうきほんほう)
森林のもつ多面的機能の発揮、林業の持続的かつ健全な発展を基本理念とする政策を国民的合意の下に進めていくため、その実現を図る基本的事項を定めた法律。平成13年7月にそれまでの「林業基本法」を改正して成立。
森林・林業交流研究発表会(しんりん・りんぎょうこうりゅうけんきゅうはっぴょうかい)
公益的機能の高度発揮のための森林施業、民有林経営への支援となる林業技術や手法の確立、森林環境教育の推進、民有林・国有林が連携した森林・林業の再生に向けた取組や業務を通して得た創意工夫の成果の普及・定着を図ることを目的とした成果の発表会。
水源涵養機能(すいげんかんようきのう)
森林の土壌が降水を貯留し、河川へ流れ込む水の量を安定させて洪水を緩和する機能や、川の流量を安定させて渇水を緩和する機能、雨水が森林土壌を通過することにより浄化される機能のこと。
スイングヤーダ(すいんぐやーだ)
建設用ベースマシンに集材用ウィンチを搭載し、旋回可能なブームを装備する集材機。(swing:回転する、yarder:集材機)
スギ人工林重点伐採区域(すぎじんこうりんばっさいじゅうてんくいき)
花粉発生源であるスギ人工林の伐採・植替えを効果的・重点的に実施するため、人口の多い都市部周辺において都道府県が設定する森林の区域。
スキッダ(すきっだ)
装備したグラップル(油圧シリンダーによって動く一対の爪)により、伐倒木を牽引式で集材する集材専用の自走式機械。(skid:引きずって運ぶ)
精英樹(せいえいじゅ)
成長がよく、幹がまっすぐで、病気や虫の害がない、優れた樹木のこと。現在は、精英樹同士を交配して、さらに成長などが優れた第二世代の精英樹「エリートツリー」の選抜を進めている。
生物多様性(せいぶつたようせい)
すべての生物(動物、植物、菌類等)の間に違いがあり、相互に影響を与えていること。(生態系の多様性、種間(種)の多様性、種内(遺伝子)の多様性という3つのレベルで多様性が存在)
世界自然遺産(せかいしぜんいさん)
世界的な見地からみて鑑賞上、学術上又は保存上顕著な普遍的価値を有する特徴ある自然の地域、脅威にさらされている動植物種の生息地、自然の風景地等を対象とし、「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」に基づいて作成される「世界遺産一覧表」に記載された物件。
世界文化遺産(せかいぶんかいさん)
世界的な見地から見て歴史上、美術上、科学上顕著で普遍的価値を有する記念工作物、建造物、遺跡等を対象とし、「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」に基づいて作成される「世界遺産一覧表」に記載された物件。
絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)
絶滅の危機にある生物種のこと。
絶滅の危機に瀕している種→絶滅危惧1類
絶滅の危機が増大している種→絶滅危惧2類
セルロースナノファイバー(CNF)(せるろーすなのふぁいばー)
木を構成する繊維をナノレベルまで細かくほぐした素材。軽くて丈夫で、表面積が大きく粘性が高いなどの特徴的な性質を持っているために、新しい素材として注目を集めている。
漸伐(ぜんばつ)
天然更新に必要な上層木を保残しておおむね70%以内の伐採率により森林を構成する林木の一定のまとまりを一度に伐採する方法。
造材(ぞうざい)
伐倒した木を適当な長さに伐って木材にすること。
早生樹(そうせいじゅ)
スギ・ヒノキの従来造林樹種に比べて、成長が早く・短伐期で収穫できる樹種で、「センダン」や「コウヨウザン」がある。
素材生産(そざいせいさん)
樹木を伐採し、枝葉や梢端部分を取り除き、丸太に加工する工程。
素材販売(そざいはんばい)
国有林自らの管理の下で立木を伐採し、丸太に加工したうえで、販売する方法。
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