センサーカメラに写った動物たち
藤里森林生態系保全センターでは、白神山地森林生態系保護地域及び周辺地域の保全管理の一環として哺乳類のモニタリング調査のため、藤里町や八峰町の国有林にセンサーカメラを30カ所取り付けて自動撮影をしています。以下センサーカメラに写った哺乳類を回数の多い順で紹介します。
モニタリング調査の報告はこちら→中・大型哺乳類モニタリング調査
ホンドタヌキ
・体長50~70cm、体重3~9kg、寿命5~8年。・タヌキの中間は東アジアに分布していて、日本には北海道に生息するエゾタヌキと青森以南に生息するホンドタヌキの2種がいる。
・夏毛の時はやせて見えるが、冬毛の時は漫画などで見るように太って見える。
・主に夜行性で行動しており、雑食性で果実、木の実、昆虫、カエルなどを食べる。
・襲われると死んだふり(たぬき寝入り)をする。
・別名はむじなと呼ばれ、自力で穴を掘れないためアナグマの巣を使うことから、「同じ穴のむじな」とことわざができた。


ハクビシン
・体長約50cm、体重約4kg。・長い間外来種か否か議論があったが、DNA分析の結果、台湾から日本に来たと判明した。
・主に夜行性で5~6頭で行動しており、雑食性で果実を好み、農園や果実園に被害をもたらし環境省では重点対策外来種に指定されている。
・家屋の天井に住み着き、糞尿で汚すことがある。
・襲われると肛門腺から臭い液体を飛ばす。
・漢字で書くと白鼻線、英語ではマスクド(仮面をした)。


ホンドキツネ
・体長40~75kg、体重3~7kg。・北半球に生息するアカギツネの亜種だが、違うという説もある。
・肉食性が強い雑食性でネズミ、鳥、昆虫を食べる。
・警戒心が強く、ニンゲンの開発により数を減らしている。
・農事が始まる春頃に山から降りてきて、害獣であるネズミを食べ、収穫が終わる秋頃に山に帰ることから五穀豊穣の神「稲荷さん」の遣いとされ、ネズミの唐揚げをお供えしていたことが転じて(豆腐の)油揚げが好きなイメージがついた。
・北海道に生息するキタキツネには強い寄生虫がいるので注意。


ホンドテン
・体長40~50cm、体重1~1.5kg。・日本で生息する哺乳類でトップクラスに幅広い雑食性で、木の実、果実、鳥、ネズミ、昆虫、カニなど食べる。
・夏毛の時は手足黒く、冬毛の時は顔が白くなる個体が東北に多い。
・高級な毛皮がとれるので乱獲されたことがあり生息数の減少が心配されている。


ニホンツキノワグマ
・体長100~150cm、体重40~120kg。・アジアに生息するツキノワグマの亜種。
・植物を中心とした雑食性で、木の葉、タケノコ、ハチ、アリを食べる。動物の死骸も食べるので死んだふりはしてはいけない。
・臆病な性格で通常はニンゲンを察知すると逃げる。ばったりと合わないように鈴をぶら下げておこう。
・西日本では絶滅が危惧されていて、九州では絶滅したと考えられている。



ニホンアナグマ
・体長44~68cm、体重4~12kg。・木の実、昆虫なども食べるが、土を掘りミミズや幼虫をよく食べる。
・世代を超えて穴を掘り複雑な巣を作るため、出入り口は50個を超えると言われている。使われなくなった出入り口はよく他の動物に使われる。
・外来種であるハクビシンの影響で数が減少している。
・昔はタヌキもアナグマもむじなと呼ばれており、昔話の「カチカチ山」では穴を掘ったという主旨の記載があるため、カチカチ山のむじなは穴の掘れないタヌキではなく、アナグマでは無いかという説がある。

ニホンリス
・体長15~22cm、体重200~300g。・種子や果実、キノコ、昆虫を食べる。・冬の食料としてドングリなどを地面に埋めておく。
・冬毛になると耳の後ろの毛が長くなる。
・九州では絶滅したとされていて、中国地方でもほぼ絶滅している。
・「武道に律する」の語呂合わせで刀の鍔にブドウとリスの模様が使われることがある。

ニホンザル
・体長50~60cm、体重5~18kg。・さまざまな食べ物を食べ、植物の芽や葉、サワガニなども食べる。
・令和元年度の鳥獣害被害金額ではシカ、イノシシ、カラスに次ぐ4番目に多く被害を出している。
・青森県の下北半島に生息するニホンザルは世界で最も北に生息するサルとして天然記念物に指定されている。
・温泉に入るサルに出会えるのは長野県の地獄谷野猿公苑。
・俗にエテ公と呼ばれるが「去る」の忌み言葉で「得手」になったとされている。

ノウサギ
・体長43~54cm、体重1.3kg~2.5kg。・草食性で葉や芽、樹皮などを食べる。
・夜行性で特定の巣は持たず単独で行動する。
・リスやネズミと違い前足で物を持てない。
・リスやネズミと逆で前足の指が5本、後ろ足の指が4本。

ニホンイタチ
・体長19~37cm、体重145~500g。・川や田んぼなど水辺に生息し、ネズミや、カエル、ドジョウ、ザリガニなどを食べる。
・ニワトリと食べるため、鶏小屋を襲うこともある。
・敵に襲われると肛門脇にある臭腺から臭い液を飛ばす。
・かまいたちはイタチの妖怪に切りつけられる事を指すが、乾燥肌がひび割れる生理現象だと判明されている。

ニホンジカ
・体長90~180cm、体重20~120kg。・草食性でほぼすべての植物が食べられ、最終的には落ち葉でも食べる。
・メスは年に一度大体一頭出産する。また、生まれた子供も1年後の秋には出産出来るようになる。
・農作物被害額は2位のイノシシより7千万円多い5億3千万になる。
・オスの角は毎年生え替わる。




カモシカ
・体長約1m、体重5~18kg。・草食性で木の葉や笹を食べる。
・日本に生息する唯一のウシ科。
・単独で行動し、目の下や蹄の間から粘液が出て木にマーキングをする。
・フンを出すときはしゃがむ。
・名前の由来はカモと鹿だが、カモが何を意味しているのか諸説ある。


センサーカメラに写った鳥類

・キジは日本の国鳥にしていされ旧一万円札に描かれてた。飛ぶのは苦手だが時速32kmで走った記録がある。ヒトは最大時速36kmぐらい。
・キジバトは早朝に「ボーボー」とうるさく鳴く。


・シジュウカラは鳴き声で20以上の単語を組み合わせ、175以上の文章を作られる。
・ヤマドリのオスは繁殖期に羽を震わせエンジンの音のような非常に大きい音を出す。
・アオゲラなのに尾羽や翼が緑色なのは、青信号や青リンゴのように古い意味での青から由来する。
・アトリは昼に小規模な群れで行動し、夜は集まり集団になる。繁殖地に移動する際は数千羽から数万羽になる。この写真では30羽以上写っていた。


・オオアカゲラは木に直径7cm深さ40cmの巣を作り、環境の変化により絶滅危惧2類に指定されている。
・カケスはものまねが得意で人語やチェーンソーもまねできる。普段は「ジェー」と鳴き、英語ではジェーと呼ばれている。
・クロツグミも他の鳥の鳴き声がまねできる。中国南部で越冬する。
・コマドリはウグイス、オオルリに並ぶ日本三大鳴鳥。絶滅危惧2類に指定されている。


・シロハラは都市部の公園でも見られ、地上を跳ねてエサを探している。ロシアなどで繁殖して日本で越冬する。
・トラツグミは落ち葉の中からエサを探す。細い声で鳴くため鵺鳥と呼ばれていた。(鵺とは妖怪の一種)
・ヒヨドリは都市部でも見られ甲高く鳴く。平安時代によく飼われていた。
・ハシボソガラスは河川敷や農耕地に生息し数を減らしている。よく町で見るのはハシブトガラス。長野県にはカラス田楽という郷土料理があり、岐阜県では大正時代まで普通に食用として売られていた。
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