盛岡森林管理署の見所
平蔵沢ヒバ人工林施業展示林(岩手県滝沢市)
平蔵沢ヒバ人工林は、盛岡駅から北西へ約8km(車で約15分)の地点にあります。
都市近郊にこのような歴史的にも貴重な財産ともいえる林分があることは、一部の森林・林業関係者以外には知られていないところです。
この林分は、江戸期天保14年(1843年)ごろ現在の青森県五戸から移り住んだ牧田(ひらた)平馬という人物が、平蔵沢がマツ、スギ、ヒバの適地と見込んで農業の傍ら造林を始めたと伝えられています。
平蔵沢の造林地は、明治期になると大小林区署制度の制定により、大林区署の官林に編入され、現在まで国有林として管理されています。現在の林況は、植栽されたヒバが現存し、大径木主体の天然林の様相を呈するとともに、下層ではヒバ特有の伏条更新や実生による天然更新が観察されます。
ヒバの産地とされる青森県においても、ヒバの人工造林が開始されたのは明治以降であり藩政期の人工林は稀少であることから、青森営林局(現東北森林管理局)では管内最古のヒバ人工林として昭和30年に「学術参考林」に指定、平成元年の「保護林の再編・拡充」の中で「施業技術の開発とその定着及びPR、教育等の場として活用する」ことを目的として「展示林」に再編・設定され、現在の国有林野施業実施計画においても展示林に指定されています。
盛岡森林管理署では、北上川上流森林計画区地域管理経営計画及び国有林野施業実施計画に基づき当該森林を適切に保全・管理し、展示林として展示・保存を図り、森林観察、研修、森林教室、学術研究等の場に活用しています。
この森林の植生、林分状況の変化、ヒバ高齢人工林の生長解析等の調査・研究が、東北森林管理局職員や森林総合研究所等の研究者により行われています。
盛岡市中心部からも近く、アクセスも容易な場所に位置する平地林であり、市民が手軽に森林環境や郷土の林業史について学習できる森林ですので、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
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展示林入口 |
天然更新の様子 |
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天然林の様相を呈する林内 |
上空から見た展示林 |
お問合せ先
林野庁 東北森林管理局 盛岡森林管理署
岩手県盛岡市市北山二丁目2番40号
TEL 019-663-8001
FAX 019-963-8172