岩手南部森林管理署遠野支署の見所

佐比内鉄鉱山遺跡

  世界遺産に登録された橋野鉄鉱山（岩手県釜石市）の周囲には、同時期に作られた高炉が10基あったと言われており、遠野市上郷町の佐比内鉄鉱山もその中の一つで、水没はしているものの高炉跡も残っており、現存する高炉跡は橋野と佐比内の2箇所となっています。

  佐比内鉄鉱山の高炉は1860年（万延元年）に建設され、年間約37万5000kgの銑鉄を鋳造していましたが、経営が困難になり1874年（明治7年）に閉山になりました。

  その後は1931年（昭和6年）佐比内のため池が出来、長らくため池の底に水没していましたが1978年（昭和53年）に発生した宮城県沖地震によりため池が被害を受け修復のため水が抜かれたときに発掘調査が行われ、佐比内鉄鉱山高炉が釜石市の橋野高炉に匹敵する高炉だったことが明らかになりました。

  残念ながら現在も高炉跡はため池の湖底に水没していますが、水が引いているときは高炉跡の一部が見えるそうです。

  また、平成26年には映画「蜩ノ記」のロケ地にもなりました。展望台もありますので、ため池の湖底を想像しながら一度眺めてみてはいかがでしょうか。

佐比内ため池	入り口の山ノ神
案内掲示板