トピックス
総会では、来賓の川畑屋久島森林管理署長より「協議会が主体となって、協力金により運営する中で、レク森の活性化に向けた様々な対策を実行に移すなど感謝と敬意を表する。林野庁としても今年度ヤクスギランドのトイレ改修や多言語対応の案内板設置など行っており、屋久島レクリエーションの森が、本総会を契機に名実ともに日本一のレク森として進むよう期待する」と挨拶。 協議事項については、屋久島自然休養林活性化検討会報告、平成29年度第2回一般会計および特別会計補正予算、平成30年度活動計画(案)、平成30年度一般・管理・特別各会計予算(案)また、紀元杉地盤雨水対策及びデッキ支柱の補修などが提案されました。 協議の中では委員より、奄美・琉球世界自然遺産登録を見据えた奄美との連携による交通アクセス等諸対策、冬期における県道除雪対策、簡易トイレ目隠しに使用する地杉の活用、山岳事故対応に係る携帯電話の電波状況の改善およびLINEの活用、外国人観光客への翻訳タブレットの活用、県道危険木対応、ヤクスギランドに新設された天文の森コースの活用などの意見が出され、今後の情報収集を進めると共に改善、実行に向けた関係機関への働きかけなどを確認しました。 |
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年間10万人の登山者が訪れる白谷雲水峡 |
ヤクスギランドに新設された天文の森(210分)コース |
本年も10数年ぶりに大雪となり、縄文杉周辺でも1m程度の積雪がみられたようです。 このような大雪の場合には、県道等が通行止めになり、登山者の方々も足止めとなります。そのため、今回も10日間以上、縄文杉へ訪れる方は居なかったようです。 また、本年度は、縄文杉大枝のケーブリング等撤去が行われた後の大雪であり、心配な面もありましたが、屋久島の象徴的な縄文杉は、厳しい冬の環境を乗り越えようと生きています。 これから先、春の訪れとともに観光客も徐々に増えてまいります。縄文杉に訪れる登山者の皆様におかれましては、登山マナー及び縄文杉周辺の立入禁止区域など制限がありますので、ご理解とご協力をお願いします。 |
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雪の中の登山道(縄文杉は写真枠外の左奥です) |
2日目からは森林パトロールも兼ねて著名屋久杉の樹勢等の現地確認、レクリエーションの森の植生調査等の現場業務と国有林への入林許可などの内務業務を体験しました。 最終日はヤクシカの現状について学習した後、現地でくくり罠による捕獲業務等を体験し、九州本土とのシカ駆除に対する考え方の違いや個体数管理の果たす役割の大きさを感じたようです。 実習全体をとおして、森林の機能の重要性とそれを保全することの大切さ、難しさを改めて実感し、今後、日本の成長産業として林業の経済性を追求しつつ、水源涵養や土砂災害の防止、多様な生態系の保全、リラクゼーションなどの観点からもバランスのとれた持続可能な森林づくりを目指していきたいとの感想を頂きました。今回の就業体験実習が今後に活かされることを期待します。 |
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三代杉樹勢等の確認 | くくり罠の設置 |
内容は、屋久島における森林資源の概要をはじめ、ヤクスギ土埋木の生産・販売及びスギ人工林の現状や生態系管理、森林・林学及びドローンとICTの活用など多岐にわたり、予定時間をオーバーするなど活発な意見交換会となりました。メンバーの方々からも「知らない屋久島の現状等を把握できて大変中身のあるものでした」と感想をいただきました。 今後においても、来所依頼がある場合は積極的に受け止め、屋久島地域の発展に繋がるよう努めていくこととしています。 |
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意見交換のようす |
今回の駆除作業は数年ぶりに実施されましたが、調査隊からは「今回の取組は官民協働の新たな第一歩となった」、「被害木が窯元で活用され無駄のない利用になった」などの意見が聞かれ、今後とも更に連携を強化しながら官民協働で保全管理に努めていくこととしました。 |
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作業を終えた参加者 |
被害木を窯元へ運ぶ |
当センター永山自再生指導官より、リンゴツバキをよく知ってもらうため、葉や枝を見て触ってもらい感じたことなどを共有したり、ツバキシギゾウムシとの共進化の話やツバキシギゾウムシのリンゴツバキへのアタックを生徒に体験してもらうなどして、生徒の興味を引いたところで、奥村生態系管理指導官より、地拵えから植付けまでの各作業について、なぜその作業が必要かも含め丁寧に説明し、実際に苗木を使って一連の作業のデモンストレーションを行い学習してもらいました。 生徒達は、いざ山鍬を振りかざしての作業になると、ぎこちない手つきではありますが、元気に育ちますようにと気持ちを込めた丁寧な作業で怪我もなく終了することが出来、満足げな顔をしていました。 最後に、夏頃になると下草が生えてくるので、次回は保育についても是非学習しましょうと声をかけ森林教室を終了しました。 |
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気持ちも込めて丁寧な植栽 |
ツバキシギゾウムシの気持ちになって |
各機関から昨年度及び本年度の屋久島における松枯れ被害の状況とその対応状況について報告があり、民有林・国有林とも昨年度より被害は減少しているものの、ヤクタネゴヨウが島内で最も分布している西部林道に近い栗生地区において増加していることなどが報告されました。 今後の防除方針について、森林総合研究所九州支所の金谷整一主任研究員から防除する箇所のゾーンニングを行うことが重要であり、屋久島においてはヤクタネゴヨウと南限であるアカマツが分布している地域を最優先かつ重点的に防除対策を講じるようにとの提言がなされ、提言に沿って各機関が連携して今後とも防除対策を講じていくことを確認しました。 |
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協議会の様子 |
当センターからは、渡邉昭博生態系管理指導官と三國卓裕農林水産技官より、「動物の五感の内、味覚・臭覚・聴覚・視覚の四感を複合した、ヤクシカの誘引手法等の検証について」と題してポスター発表を行い、餌はカラスザンショウが最も効果的で、不嗜好植物のアブラギリに醤油を振りかけても誘引されることなどを紹介しながら意見交換を行いました。 ※屋久島町民と研究者が共に学びあい、細分化された学問分野と島の現実を横断的に結んで真の問題解決のために必要な知識を共有し、地域社会のために具体的に活かしていくことを目指しています。 |
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意見交換の様子 |
清掃活動当日は、気温12度、天候は曇りと作業には適した条件のもと、50分コース(荒川歩道~仏陀杉歩道)の木道と手摺りの苔落とし作業を、3班に分かれて実施しました。 ヤクスギランドは、屋久島レクリエーションの森保護管理協議会が屋久島森林管理署長と保護・管理および活用に関する協定を締結しているレクリエーションの森であり、白谷雲水峡と並ぶ自然休養林の一つで、約270ヘクタールのフィールドに年間60.000人を越える入林者が訪れ、樹齢千年を越える屋久杉はじめとする貴重な自然を堪能しています。 同時に、年間10,000ミリにも達する雨量は苔の繁殖を助長し、木道などに生える苔は入林者が移動時に滑るなどの危険性を含んでいます。 今回のボランティア清掃活動は、ヤクスギランド内の景観維持はもとより、歩道の安全確保に努めるなど、大きく貢献する結果となりました。 |
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木道の苔落としに奮闘する安房中3年生の皆さん |
当センター所長より、施設内の屋久杉円盤等を紹介した後、屋久島世界自然遺産地域における屋久島の貴重な森林生態系の適切な保全と利用について、森林植生のモニタリング調査等の取組を紹介しました。 意見交換では、森林生態系保護地域でのグリーンサポートスタッフの活動やレクリエーションの森における「屋久島レクリエーションの森保護管理協議会」の役割や活動内容等について質問が出され、当センター自然再生指導官も交えて活発な意見交換を行い、次の視察地「白谷雲水峡」へと向かわれました。 |
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屋久杉の円盤を紹介する様子 |
その後、安全を最優先に考え旧デッキの封鎖及び撤去、新設デッキの設置及び見学する順路の施工等一連の工事が完了しました。また、ケーブリング等については、自然の推移に委ねることが大事であり、観光的にも景観を損ねる等の意見も出されたところです。 これらを受け、この度、縄文杉大枝のケーブリング設備等を撤去しましたのでお知らせします。今後においても皆様と一緒に大切に見守りながら、保全整備に努めていくこととしています。 皆様も登山の時には、安全に注意するとともに立入禁止区域への侵入は絶対に行わないようお願いします。 |
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登攀技術を用いてケーブリング撤去する作業者たち |
ゴケグモ類は、繁殖力旺盛な外来の毒グモで国内でも咬傷被害が報告されています。咬まれた場合、まれに全身に痛みを感じ発熱・発汗症状が出る場合があります。 ゴケグモ類は、日当たりの良い暖かな場所で、地面やプランターの底や室外機の裏、ブロックの裏やくぼみ、排水溝のふたの裏、ベンチや遊具の裏などに営巣、生息します。 ゴケグモを発見した場合は、素手で触らず、殺虫剤などで確実に駆除することが大事です。万一咬まれた場合は、患部を水や石けん水で洗い流すなどして、医療機関に相談してください。医療機関受診の際、可能であれば咬んだクモ(死骸)を持参してください。 |
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ハイイロゴケグモ |
ハイイロゴケグモハイイロゴケグモの卵 |
EPOCでは、企業活動における環境保全や省エネルギー、低炭素エネルギーの利用拡大に加え、自然共生についても大きなテーマとして捉えており、その知見を高めるため、今回訪問したとのことでした。 当センター所長より森林生態系保護地域(屋久島世界自然遺産地域とほぼ重複)の保全と利用について取組を紹介した後、ヤクシカが森林生態系へ及ぼす影響と適正な生息頭数管理について、原始的なスギ林の更新サイクルについて、外国人入山者の増加について質問が出され、当センター職員も交えて活発な意見交換を行いました。 ※環境パートナーシップ・CLUB(EPOC):2000年に中部地域の産業界が中心となり設立された環境啓発団体で、業種・業態の枠を超え、産学官が連携し、循環型経済社会の構築を目指して様々な活動を実施。 |
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保全センターの取組を紹介する様子 |
各機関よりH29年度の取組状況等の報告については、屋久島町より「屋久島山岳環境保全協力金」について、入山者の約8割から協力頂いており、「登山者の安全・安心」のためにわかりやすい形で協力金を使っていくとことや、九州森林管理局より大王杉の樹勢回復診断を11月下旬に実施予定であることなどがありました。 引き続き、ヤクシカWGの「検討の場」が行われ、九州地方環境事務所より屋久島でのシャープシューティングによる試験捕獲について、時期や場所、体制など実施計画(案)が示されました。その中で、特に安全管理に万全を期すため地域住民等関係者への周知をしっかり行うことや、当日の現場作業におけるリスクの予測と具体的な回避策について説明・共有が行われ、漏れがないかなどを確認しました。 |
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会議の様子 |
この発表大会は、民有林、国有林が連携・協力して、地域林業の活性化や林業技術の向上に関する情報や技術の交流を図るために毎年開催されており、今年度は九州の各地の森林管理署、県、高等学校等から、一般の部で30課題、高校生の部で8課題の発表がありました。 屋久島からは、屋久島森林管理署の「地域住民のニーズを取り入れた海岸防災林造成へ向けた取組み」、当センターの「動物の五感のうち味覚・臭覚・聴覚・視覚の四感を複合した、ヤクシカの誘引手法等の検討について」の2課題を発表しました。 審査結果については、当センターが優秀賞を受賞しました。 |
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発表を行う渡邉、三國(左から) |
当日はあいにく小雨混じり天候の中、アサヒビール社員をはじめ島内関係行政機関や一般ボランティアの皆さんなど総勢70名が参加しました。 作業内容は、ヤクスギランド50分コース(約1.2km)区間の、木道部分の苔落としなど清掃作業を7班に分かれ行いました。 苔にまみれた木道は、参加者の熱心な作業により、綺麗な遊歩道の姿に変わり、参加者一同、出来映えに満足するとともに、今後もこの活動を通じて、レク森における森林整備の推進を確認しました。 |
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悪天候にも負けず参加した皆さん |
お掃除、お疲れさまです |
本協定は、ヤクスギランド、白谷雲水峡など屋久島レクリエーションの森において5年間、資金と労務を提供する内容となっており、平成20年8月27日に初回が締結され、今回3回目の更新協定となっています。 調印式では、アサヒビール鹿児島支社・星野大作支社長と屋久島レク森協議会会長代理の岩川浩一副町長双方協定書に調印の後、星野支社長より「これまで10年間、屋久島の自然を守る手伝いをさせて頂きました。 これからまた5年間、活動が出来ることを非常に嬉しく思います」と挨拶。 副町長、立会人の川畑屋久島森林管理署長の挨拶の後、最後に10年を節目に、今後益々アサヒビールの活動に期待されることを出席者全員で確認し閉会しました。 |
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双方で今後5年間の活動を確認 |
調査は、スギ人工林とアブラギリ主体の天然生林のプロット内(10m×20m)の樹木について、樹高測定班、胸高周囲長測定班、樹木位置測定班に分かれて行いました。慣れない測竿上げと樹高の読み取りに大変苦労している様子も見られましたが、当センター職員の指導も得ながら下層植生の優占度調査まで実施し、「森の中は新鮮でメッチャ楽しかった」との感想もありました。 調査後、世界自然遺産地域の優れた自然景観や特異な生態系等を将来に渡って維持していくためには森林の植生調査等が重要であることや今回の調査対象とした外来植物アブラギリが生態系に及ぼす影響等について学習し、今回の研修のとりまとめの参考となるよう意見交換を行いました。 |
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毎木調査の様子 |
しかしながら、登山者の方が少ない早朝や夕方の時間帯に「立入禁止区域」内へ侵入し、記念撮影を行い回復しつつある植生を踏み荒らす行為などルール違反の登山者が後を絶ちません。 当センターでは、平成17年度に縄文杉の剥皮被害を受け、その対策としてカメラを設置し、屋久島の象徴である縄文杉の被害防止とシカ侵入状況等を行い保全活動に努めています。 ~屋久島の象徴「縄文杉」を守るため、立入禁止区内には入らないようお願いします~ |
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縄文杉周辺の立入禁止区内に立つ侵入者 |
外来植物については、屋久島に繁殖している外来種、特にアブラギリを中心に、外来植物がおよぼす造林木の生長阻害や在来植物の衰退など自然界への影響を中心に講義しました。 また、ヤクシカについては、生態や全国的なシカ被害の実態を説明した後に、当センターで作成した「森林生態系を知る・考える学習ゲーム『シカと森林のカード(屋久島版)』」を用いて、森林生態系維持の重要性について学習しました。 生徒達は、シカが増えすぎると森林の動植物へどのような影響が出るのか、森林をどのように守ればいいのかなど、屋久島の自然を守ることを基本にグループで考えながら、ゲームを楽しむとともに理解を深めました。 |
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外来植物についての講義 |
今回は、外来生物法や外来種被害防止行動計画、鹿児島県外来種対策基本方針など国・鹿児島県のそれぞれの行政機関における外来種に関する施策に係わる各種取り組みの説明や、屋久島で上陸は確認されていませんが、昨今マスコミ等で話題となっているヒアリに関する情報提供など行政間の連携を確認しました。 最後に、各行政機関において各課題について更に理解を深め、今後、具体のの取り組みを進めていくことと認識を統一し終了しました。 |
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国や県の取組を説明する職員たち |
しかし、世界自然遺産地域を有する屋久島でもヤクシカは、日本国内のニホンジカと同様に増加し、農作物の食害、造林木の剥皮被害や貴重な固有植物の食害や生態系への影響など様々な問題が発生しています。 今回、当センターは、ヤクシカが増えすぎると森林の動植物にどのような影響が出るのか、そして森をどのようにして守ったらよいのか等を知ってもらうため、森林環境教育の教材として「シカと森林のカード(屋久島版)」を作成しました。 また、今回作成したカードは、以前九州森林管理局にて作成された「シカと森林のカード」を基に、屋久島の実態に合わせ、ヤクシカの生態や屋久島の動植物、捕獲方法等屋久島の特徴を盛り込んだ内容となっています。 |
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「シカと森林のカード(屋久島版)」 | 実際に「シカと森林のカード」を用いてゲームする様子 |
科学委員会の主な議題は、(ア)屋久島世界遺産地域管理計画の実績及び平成29年度事業予定(イ)モニタリング調査等の予定(ウ)山岳部における利用の検討状況(エ)林業遺産の認定について説明がありました。 環境省からは、登山道の荒廃状況調査結果と今年度の調査予定、山岳部における利用のあり方、淀川登山口休憩舎の設置等について検討されました。 九州森林管理局からは、平成28年度に実施した事業実績及び平成29年度の事業の中で、垂直方向の植生モニタリング調査、縄文杉ケーブリング撤去、高層湿原の植生保護柵及び植生回復等調査について検討されました。その中でも、高層湿原(小花之江河)において取組む植生保護柵設置等に関する項目については、各委員の方々から課題と対策について活発な意見等があり、今後の事業実行や次年度以降の対策として検討することとしました。 |
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議論検討の様子 |
会議では、前回の合同会議の検討経過概要、ヤクシカの現状、平成28年度及び29年度の各機関の取り組み、ヤクシカ対策における検討について「検討の場」の報告、屋久島西部地域の自然環境保護に関する申し入れ、について議論されました。 |
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ヤクシカWG合同会議 |
本会の目的は、外来種の脅威から屋久島を守るため、関係行政機関が外来種についての情報・認識を共有し取組を推進することにより、世界自然遺産地域をはじめとする貴重な自然資源を有する地域の適切な生態系保護と農林業被害対策も含めた生活環境の保全に努めることとしています。 当日の会議では、屋久島の外来種に係わる各行政機関の活動内容の確認や予防・監視・対策の検討を行い、今後、関係行政機関が連携して取り組むことを確認しました。 |
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外来種について様々な議論が行われた |
本検討会では、山岳部利用に関する基本理念及び基本方針など検討事項を進めるにあたり、伝統的な自然観・人と自然の関わり、自然環境を損なわない範囲・方法での利用等の前提となる考え方や山岳部の価値、魅力、屋久島らしさなど前提となる考え方や、屋久島山岳部の保護と利用の「目指す姿」、「あるべき姿」についての意見交換が行われました。 また、山岳部における利用状況の異なる登山道ルートの情報収集を図るため、第2回検討会での花山歩道~宮之浦岳~淀川登山口、縄文杉ルート、白谷雲水峡の3ルートでの実施を確認しました。 |
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様々な意見交換が図られた |
当日は、荒川登山口から大株歩道入口までのトロッコ道区間(7km)において危険箇所の点検を行い、新たな危険箇所やこれまで示された危険箇所の変化状況など参加者全員で確認しました。 また、今回の点検では、これまでの豪雨等により落石した箇所や枯損倒木が滑り落ちそうな危険箇所もあり、経過観察に加え、今後の撤去対策等講じることを確認しました。 |
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危険箇所を点検 |
また、大学などによりヤクシマザル等の生態研究が行われ、自然生態の研究のフィールドにもなっています。 しかし、この西部地域は、ヤクシカの生息密度が高く、森林の更新や土壌流失による生態系影響が懸念されており、森林生態系の管理やヤクシカ個体群の保護管理について、今後どのようにするかということで、平成29年6月30日に、有識者や関係行政機関等が集まり、屋久島環境文化村センター及び西部林道にて、西部地域の生態系管理・ヤクシカ個体群の保護管理に関する意見交換会が行われました。 |
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有識者・関係行政機関等が集まっての意見交換会 | ||
西部地域の植生保護柵を視察 |
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ルール違反の侵入者 |
人の気配で慌てて逃げる |
屋久島高校の学校登山は毎年1年生が参加し実施されている行事で、郷土に伝わる「岳参り」の風習を体験し、屋久島の素晴らしい自然環境を知ることで、屋久島に生きる人間としての意識を高めることを目的としています。 今回の事前指導では、登山マナーのほかに登山ルート上での注意点や携帯トイレの使用方法等、生徒も参加した実演を交えながら説明し、参加者の登山マナーの向上と自然環境保全への意識を高めることができました。 |
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説明に聞き入る生徒 |
携帯トイレの使用方法を体験 |
また、ヤクシカによる下層植物の食害防止を兼ねてシカ侵入防護柵を設置し、縄文杉周辺を囲んでいます。しかしながら、登山者が少ない早朝や夕方に依然として「立入禁止区域」に侵入するルール違反の登山客がいます。 当センターでは、平成17年度に縄文杉樹皮剥離被害を受け、その対策としてカメラを設置し、世界遺産の象徴である縄文杉の被害防止と保全に努めています。 「呼びかけ:善良な登山者の皆様へ縄文杉を皆で守りましょう!」 |
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縄文杉への侵入者 |
今年のシャクナゲ開花状況は、5月26日(金曜日)の永田岳周辺のパトロールでは、ローソク岩展望付近で4部咲程度でした。 来週末の6月4日頃が宮之浦岳周辺も含めて満開のピークになるのではと予想されます。 |
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ヤクシマシャクナゲ |
ローソク岩 |
白谷雲水峡については、全国にある1,000箇所余りのレクリエーションの森の内、モデル的な森100箇所の一つに選定されており、熊本地震等の影響からの観光客離れも薄らぎ昨年度の入林者数は95,000人と回復傾向にあります。 また、昨今の増加している外国人観光客を対象とした対策として、いち早く多言語の案内板設置など積極的に取り組んでいます。 |
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二代大スギを視察(右2人目) |
多言語案内板を視察 |
当センターと屋久島森林管理署は、4月29日と5月5日を受け持ち、北デッキ周辺の混雑防止のため、登山客への呼びかけや誘導等を行いました。 今年度の指導期間中における縄文杉登山者数は約3,600人となり、その中でも超混雑日と予想されていた5月4日は、約760人にのぼり毎年多くの登山客が集中しています。また、500人以上の日も数日ありました。 |
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大勢で賑わう正面デッキ
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お問合せ先
屋久島森林生態系保全センター
ダイヤルイン:0997-42-0331
FAX番号:(非常時のみ)0997-42-0333