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九州森林管理局

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    保全センターの取組

    モニタリング調査-植生

     平成11年度から屋久島を5つの地域(東部、西部、南部、北部、中央)に分け、それぞれの地域に6箇所から10箇所の地点の標高(垂直)にプロットを設定し、植生の変化と階層構造の変化を5年毎に把握しています。また、ヤクタネゴヨウについてもプロットを設定し経年の変化を5年毎に把握しています。

    取組_植生モニタリング1-1 取組_植生モニタリング2

    垂直方向の植生モニタリング調査箇所(左)、南部地域の調査プロット(右)

    モニタリング調査-湿原保全対策

     屋久島の湿原である花之江河及び小花之江河において、湿原の水深、植生群落分布、面積等を5年ごとに調査し、湿原の保全について湿原保全対策検討会へ調査結果を報告し指導・助言をいただいています。

    黒味岳から見た花之江河 調査の様子 世界遺産地域科学委員会

    黒味岳から見た花之江河(左)、モニタリング調査(中)、屋久島世界遺産地域科学委員会(右)

    モニタリング調査-森林生態系における気候変動

    • 局HPへのリンク
    • 雨量・気温モニタリング調査
      屋久島国有林の要所に雨量計・温度計を設置し、永続的なデータとして森林生態系の研究に資することを目的に観測を行っています。
     取組_雨量気象観測1 取組_気象観測2 取組_雨量気象観測3

    雨量計のメンテナンス(左)、黒味岳測定器周辺(中)、雨量データ収集機器(右)

    ヤクシカ対策

     ⽣息密度の増加により、屋久島の森林⽣態系に悪影響を与えているヤクシカについて、植⽣保護柵を設置してのモニタリング調査や有害⿃獣捕獲による個体数調整等の業務を⾏っています。

    保護柵点検 シカ罠設置 シカ捕獲

    保護柵点検(左)、シカ罠設置(中)、シカ捕獲(右)

    著名屋久杉の樹勢診断

     著名木のうち、外見上や樹勢が衰えた樹木について、毎年1個体を樹木医による樹勢診断を実施し、必要に応じて樹勢の回復を実施しています。また、診断結果については屋久島世界遺産地域科学委員会へ報告しています。

    樹木医による樹勢診断 大王杉内部 樹勢回復措置

    樹木医による大王杉の樹勢診断(左)、大王杉の内部(中)、樹勢回復措置の一部(右)

    外来種等による生態系への影響

     屋久島は樹齢1000年を超えるヤクスギや屋久島固有の植物が生育する貴重な生態系を持つ島ですが、近年、外来植物の侵入により屋久島の生態系に影響が出てくることが危惧されています。
     当保全センターでは、現在確認されている外来植物(アブラギリ、モクマオウ、ギンネム、イタチハギ、オニグルミ等)について島内各地での侵入状況を調査しています。

    ギンネム イタチハギ アブラギリ

    県道沿線で見られる外来植物ギンネム(左)、イタチハギ(中)と、アブラギリ(右)

    森林パトロール

     世界自然遺産登録後、森林生態系保護地域への入り込み者の増加による人為的な植生荒廃や森林機能の低下が見られたことから、平成18年度から森林保護員(グリーンサポートスタッフ「GSS」)による森林パトロールを実施しています。主な業務として森林生態系保護地域等の巡視及び軽微な歩道修理、植生の衰退状況把握、登山者への安全指導を行っています。
     また、ゴールデンウイークや夏休み期間など繁忙期には屋久島山岳部保全利用協議会及び屋久島森林管理署と連携して登山者のマナー指導を実施しています。

    GSSによる歩道の修理 職員による森林パトロール 登山客で賑わう縄文杉デッキ

    GSSによる歩道の修理(左)、パトロール(中)、GW登山客で賑わう縄文杉デッキ(右)

    森林環境教育の実施

     屋久島森林管理署管内の小中学生を対象に、屋久島・種子島の自然や貴重な植物(固有種、北限種、南限種等)、増えすぎたシカの影響による森林の変化などについて森林教室を実施しています。
     屋久島高校1年生には、登山マナーや携帯トイレの使用法などの指導を行っています。
     また、屋久島町内小中学校の児童生徒に環境教育を直接指導されている教職員を対象に、貴重な自然を有する屋久島の森林・林業に対する知識を高め、かつ理解を深めることにより森林環境教育の充実を図るため、屋久島森の塾を開催しています。

     小学校の森林教室 屋久島高校 登山マナー指導 屋久島森の塾

    小学校の森林教室(左)、屋久島高校登山マナー指導(中)、屋久島森の塾の様子(右)

    過去の調査データの蓄積及び公開

     屋久島国有林内で行われた調査結果や古い写真等はデータとして保管し、今後の森林保全・管理業務へ活用することとしています。
     資料については当保全センターで公開しており、一般の方でも閲覧することができます。

    お問合せ先

    屋久島森林生態系保全センター

    ダイヤルイン:0997-42-0331