お知らせ(令和7年度)

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令和7(2025)年6月9日~6月10日
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仲間川マングローブ林モニタリング調査を実施
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西表島仲間川流域にて、令和7年5月21日のトピックスで紹介したマングローブ林モニタリング調査の本調査を令和7年6月9日、10日の2日間において、センター職員4名で行いました。
今回の調査では両日ともに最高気温33℃、平均湿度80%を記録し、無風状況での調査となり、熱中症にならないようこまめに休憩をとりながら、毎木調査、開空度調査、地盤高調査、稚樹発生調査の4つを実施し、無事調査を終わらせることが出来ました。
調査の結果としては毎木調査、開空度調査、地盤高調査ではあまり大きな変化は見られませんでしたが、稚樹の発生状況(樹高1.3m以下の幼木)では、前回調査31本に対し、今回は10本と、前回を下回る結果となりました。要因としては樹冠による被圧により、日差しが林内下部まで届かないことや、在来木の根が林内に多く定着している等の理由により、種子の着床が困難かつ、稚樹が育ちづらい環境が形成されていることが考えられます。
本調査は平成17年度から開始され今回で14回目の調査となり、過去のデータと比較をすると、林層は徐々に安定していることが伺えます。周囲の環境がマングローブ林の形成にどれほど影響するのか、各モニタリング箇所とも比較しながら、当センターでは今後も継続した調査を進めていきます。
![]() 林内状況 |
![]() オヒルギの樹高を測る職員 |
日付
令和7(2025)年6月3日
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~カヤック運航に係る安全確保のためのカヤック漕艇訓練を実施~
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西表島は東部の仲間川と西部の浦内川の主要河川をはじめ大小いくつもの河川があり、河川周辺部は海岸部とともに希少な野生動植物の生息、生育地となっています。また、西表島を特徴づけるマングローブ林もこれらの地域に広く分布しています。
当センターではこれらの生態系を保全するため、各種モニタリング調査や巡視活動を毎年行っています。しかし、西表島は自然環境保護等の観点から道路などの整備は限られており、当センターの業務には、水上からのカヤックによるアクセス手段しかない箇所もあることから、新たに赴任した職員には、カヤックの知識や漕艇の安全確保にかかる訓練を行ってきました。
今年度も6月3日(火曜日)に西表島古見の後良川において沖縄森林管理署職員1名と当センター職員1名を対象に漕艇訓練を実施しました。
午前中は、安全関係を含む座学等を行い、午後からは地元カヤックツアーガイドの方に依頼し漕艇訓練の実技講習を実施しました。現地ではカヤックに準備する必要最低限な物として、ロープ(5m位)や水を汲み出す道具などの説明があり、次に、天気の把握、潮の満ち引きの時間、風向きなど、当日の状況を把握することや、一人だけではなく各々が情報を把握し共有することの大切さなど幅広くご指導いただきました。
その後、パドルの漕ぎ方、カヤックへの乗り方などを教わり漕艇訓練を実施しました。訓練が終了する頃には大雨となりずぶぬれとなりましたが、本日習得した実技を生かし今後の調査に向け安全第一で取り組みたいと思います。
![]() パドルの漕ぎ方を習得 |
![]() いざ、実践へ |
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令和7(2025)年6月2日
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外来種(ギンネム)駆除事業に着手
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ギンネム(外来種)抜取り作業請負事業の着手に伴い、受注者への安全指導を6月2日(月曜日)に実施しました。今年度、駆除を実施する箇所は大富歩道終点付近で作業着手にあたり作業内容や作業区域等を確認したあと、重機使用時の遵守事項等について資料をもとに説明を行いました。
西表島東部にある大富歩道には、年間を通して登山や昆虫採集、その他写真撮影を行う方など多くの観光客が利用されており、作業員間の連絡合図の徹底と併せ観光客への配慮についてもお願いしました。
八重山地方は現在梅雨真っただ中で雨天や曇天模様の日が続いていますが、晴天時には30℃に達する日もあるなど体調管理が難しい季節となっています。これから夏本番を迎え更に厳しい環境下での作業となることから、熱中症対策を万全に行い体調管理に注意することをお願いし、本日の安全指導を終了しました。
![]() ギンネム駆除の様子 |
![]() 駆除したギンネム |
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令和7(2025)年5月30日
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「海神祭 第119回石垣市ハーリー大会」に参加
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ユッカヌヒー(旧暦5月4日)にあたる5月30日に「令和7年度 海神祭」が開催され、郡内最大規模の第119回石垣市ハーリー大会に参加しました。海神祭は漁業者の航海安全と豊漁を祈願する行事で今年度は、西表森林生態系保全センターと環境省との合同チーム【チーム名:F&R(フォレスター&レンジャー)】でエントリーし、全70チーム【全14組(1組5チーム×14)】の中から優勝を目指して、タイムを競い合いました。
8組目で本番を迎えた私たちR&Fは、業務での連携や協力で培ったチームワークを活かして組内1位を目指し、所長の「よいさー!」の掛け声に合わせてエーク(櫂)を漕ぎ、ゴールに向け全力を尽くしました。結果は5チーム中5位と悔しい結果となりましたが、島の熱気と伝統を体感した貴重な経験を得ることができました。
![]() 気力を振り絞ってゴール! |
![]() ハーリー出場者の写真撮影 |
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令和7(2025)年5月29日
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局治山課へ海岸林自然再生試験地を案内
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5月29日(木曜日)、九州森林管理局治山課より山内災害対策分析官、田中課長補佐、戸田企画係員が西表島へ来島され、当センターが調査している海岸林自然再生試験地を確認されました。
現地では、沖縄森林管理署業務グループ職員1名、大原森林事務所職員1名、当センター職員4名で海岸林自然再生試験地の試験内容や海岸林の現況等を説明し、防風・防潮保安林としての現状を確認していただきました。
海岸林の状況を確認した後、局治山課より保全対象物との関係性等を踏まえ、防風機能の低下が懸念される場所等の取り扱いとして、高木性樹種への転換による保安機能を高めることの必要性や、海岸施設の復旧対策等について助言を頂き、現地での打合せを終了しました。
当センターでは、海岸林自然再生試験地の成果等を踏まえ実証試験の実施を検討しているところであり、今回の指導内容等を踏まえ沖縄森林管理署と連携し、海岸林の自然再生と併せ保安林機能の向上に取り組んでいきたいと考えています。
防風林と保全対象物(畑等)を確認
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令和7(2025)年5月28日
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森の巨人たち百選に選ばれている仲間川のサキシマスオウノキ調査を実施
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令和7年5月28日(水曜日)、仲間川上流に佇む「森の巨人たち百選」に選ばれているサキシマスオウノキの調査を当センター職員4名で実施しました。
本調査は、平成18(2006)年度から現況の変化や、樹勢・周囲の状況のモニタリング調査を実施しており、調査開始から今年で20回目となる重要な調査となっています。
調査内容については、樹高や板根測定を行う生育調査、光環境の変化を調べる開空度調査、枝張りの変化を調べる樹冠調査、林床植生を調べる林床および着床植物生育調査の4つを実施し、調査結果については「西表島巨樹・巨木保全協議会」の総会において報告することとしています。
今回の調査では樹勢に大きな変化は見られず、下層植生にはサキシマスオウノキやサガリバナの稚樹などが複数見られましたが、一部オキナワアナジャコの営巣やアダンの侵入なども確認されました。また、昨年に襲来した台風により、径級14cm程度の枝折れが発生しましたが、折損箇所への影響は確認されませんでした。
仲間川のサキシマスオウノキも推定樹齢400年と老齢であることから、樹木の樹勢や生育環境等を今後も注視し、保全・保護に努めていきたいと考えています。
![]() 開空度測定の様子 |
![]() サキシマスオウノキ全景 |
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令和7(2025)年5月21日
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仲間川マングローブ林タグ確認を実施
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令和7年5月21日(水曜日)、今年度調査を予定している仲間川マングローブ林モニタリング調査箇所において、本調査に向けた事前確認及び調査対象木のタグ確認をセンター職員4名で実施しました。
西表島には日本最大の面積を有するマングローブがあり、当センターでは、マングローブ林の生育状況や生育環境がどのように変化するのかを継続的にモニタリングし、これからの隆替を知る手がかりとしてのデータを確保することとしています。
今回、事前確認を実施した箇所では10m×10mの8つのプロット内において、劣化したタグの付け替えや、調査木の枯損、倒木等の有無の確認を行い、無事に作業を終えることができました。
現在西表では気温が30℃を超える日が多くなり、今後も猛暑が続くことが予想されます。マングローブ内での作業はウェダー(胴長)を着用しながらの作業となるため、こまめに水分を取りつつ、熱中症に気を付けながら今後も調査を進めてまいりたいと思います。
![]() タグ付け替えの様子 |
![]() 番号を確認し、野帳に記入 |
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令和7(2025)年5月20日
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イリオモテヤマネコをロードキルから守る
~県道沿いの草刈り作業に参加~
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イリオモテヤマネコのロードキル対策として、環境省西表自然保護官事務所主催の県道沿い草刈り作業が、令和7年5月20日(火曜日)に実施され、西表自然保護官事務所5名、ヤマネコパトロール1名、祖納森林事務所1名、大原森林事務所1名及び当センター3名の計11名が参加しました。
今回の作業は、西表島西部のクーラ橋駐車場から西ゲータ方面に向けての作業となり、各人が電動刈払い機や熊手などを使い、道路と歩道の間に繁茂した草の刈払いや刈った草の片付けを行いました。
最近では、大原付近でもイリオモテヤマネコが目撃されており、出産、子育てのシーズンとなっているため動きが活発になっているとのことです。
現在、イリオモテヤマネコの車両に伴う事故は2年以上発生していませんが、これからも昼夜問わず車両を運転するときは法定速度を守り、イリオモテヤマネコに配慮した運転を心がけたいと思います
![]() 作業前 |
![]() 作業後 |
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令和7(2025)年5月7日
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ツルヒヨドリ合同点検を実施
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令和7年5月7日(水曜日)、環境省西表自然保護官事務所4名、沖縄森林管理署大原森林事務所1名、当センター2名で世界の侵略的外来種であるツルヒヨドリの合同点検を実施しました。
西表島東部の大富歩道終点付近では、令和2(2020)年2月にツユヒヨドリの大規模な発生が確認され、環境省やボランティアの方々の協力のもと駆除作業を実施した結果、令和5(2023)年8月以降の発生は確認されていません。
今回、令和7年度1回目の合同点検を実施しましたがツユヒヨドリの発生は確認されませんでした。ツユヒヨドリは再生力が強く数年経ってからも再生するため、過去に発生した箇所の定期的な確認が重要となります。当センターでは定期的な巡視を実施するとともに、関係機関等とも連携しツルヒヨドリの撲滅に向け取り組んでいくこととしています。
点検作業前に希少植物を確認
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令和7(2025)年5月3日
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希少種持ち出し防止パンフレット配布に参加
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令和7年5月3日(土曜日)西表島大原港と上原港の2箇所で希少種の存在と規制を周知するパンフレットを、ゴールデンウィーク中に来島された観光客を対象に配布しました。八重山諸島は多くの自然に恵まれており、中でも西表島は貴重な動植物や固有種、絶滅の危機に直面している希少種が多数生息していますが、希少な動植物には様々な規制が設けられていることを知らないため、触れてしまう事や、持ち帰ってしまう事、中には傷つけてしまった等の事例が少なからず存在しています。そのような事例を防止し、希少種の保護と理解を深めることを目的に、センター職員1、大原森林事務所1名、パークボランティア1名、環境省職員3名と環境省職員のお子さん1名の計7名でパンフレットの配布を行いました。
パンフレットの中身としては、規制が設けられている希少種の名前や特徴を示したものと、西表島ではレンタカーを利用した観光客が多いことから、イリオモテヤマネコが道路に出没する区間やレンタカーの制限速度に関する資料を来島した乗客の方々に配布し、注意喚起を呼びかけました。ゴールデンウィーク中ということで大勢の観光客が訪れており、大原港のみで200部以上配布することができました。
また、夏季にも同作業を石垣港で予定しており、秋季には昆虫採集を対象としたチラシを配布することとしています。西表島の希少な動植物を守るためにも、環境省、竹富町と協力し、生態系の保全に取り組んでいきたいと思います。
![]() 配布前の様子【大原港】 |
![]() 配布後集合写真【大原港】 |
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令和7(2025)年4月4日
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~ツルヒヨドリ発生状況の点検作業を実施~
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4月3日(木曜日)、4月4日(金曜日)に外来植物であるツルヒヨドリ発生状況の点検作業を実施しました。
ツユヒヨドリは世界の侵略的外来種100に掲載されている生態系に深刻な影響を及ぼすつる性の植物で、西表島内の数カ所で侵入が確認されています。
当センターでは、これまでも侵入状況の点検作業を実施してきましたが、今年度からは定期的な実施を計画することとし、4月期においては、初日に西表島東部の大富歩道終点付近を沖縄森林管理署大原森林事務所諌山地域技術官と、翌日には西表島西部の白浜小学校付近を沖縄森林管理署租納森林事務所大城森林官と合同で点検作業を行いました。今回の点検作業ではツルヒヨドリの発生は確認されませんでしたが、ツルヒヨドリは数年経ってからも再生する特徴があるため定期的な点検作業が重要となります。
当センターでは今後とも関係機関等と情報連絡を密にしながら、西表島の森林生態系の保全保護に向け外来植物の駆除作業に取り組んでいきたいと考えています。
![]() 開花しているツルヒヨドリ(01月24日撮影) |
![]() 点検中にカンムリワシと遭遇 |
お問合せ先
西表森林生態系保全センター
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