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九州森林管理局

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    お知らせ(令和6年度)

    西表森林生態系保全センター

    日付

    令和7(2025)年3月6日

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    イリオモテヤマネコの保護増殖に向けて議論
    ~令和6年度イリオモテヤマネコ保護増殖事業検討会に出席~

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    3月5日(水曜日)、「令和6年度イリオモテヤマネコWG会合」に引き続き、午後から「令和6年度イリオモテヤマネコ保護増殖事業検討会」が石垣市の国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターを主会場にオンラインも併用し開催され、令和6年度イリオモテヤマネコ保護増殖事業の実施状況や次年度に向けた活動方針などが話し合われました。

    保護増殖事業の実施状況では、毎年実施しているモニタリング調査において沿岸低地部の29か所に設置された箱型自動撮影装置で確認された個体の頬や胸の模様、耳切れなどの特徴から個体識別を行った「確認個体数」、「繁殖確認」、「傷病個体」、「長期定住個体の消失」の結果、計60固体が確認され、昨年から大きな変動はなかったものの、過去最多の6個体の出産が確認されるなど個体数が安定している状況などから、良好な生息状況であることが報告されました。

    また、「交通事故防止対策」及び「感染症・外来種対策」について説明があり、特にノヤギ対策については捕獲の強化や自動撮影カメラによる情報把握に努めていくこととし、引き続き、実施計画に沿って事業を行うことが確認されました。

    3月5日現在、約800日無事故が継続しています。ヤマネコに優しい運転に心がけ、他機関と協力しながらヤマネコを守って行きたいと思います。


    イリオモテヤマネコの保護増殖に向けて議論が行われた検討会


    日付

    令和7(2025)年2月25日~26日

    タイトル

    局長巡閲及び点群解析ソフトMapryを活用した現地調査を実施

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    令和7年2月25日から26日において、局長巡閲及び点群解析ソフトMapry(マプリィ)を使用したマングローブ林調査を九州森林管理局4名、沖縄森林管理署1名、当センター2名の計7名で実施しました。

    25日は、令和6年7月に着任された橘局長が初めて当センターに来所されました。当所長からセンターの業務概要を説明した後、橘局長より現在の国有林野の状況を含めた取り組むべき方向性やセンターに求められる役割などについて訓示を頂きました。

    26日は、仲間川のサキシマスオウノキや大富展望台からのマングローブ林を視察し、その後局資源活用課から、「海外のマングローブ林で調査を行った実績のある点群解析ソフトをセンターにおいて使用できないか」と提案があり、当センターが行っている仲間川流域マングローブ林モニタリング箇所はオヒルギの一斉林で調査に適していることから、局の指導のもとMapryを使用した調査を行うこととしました。現在行っているモニタリング調査は、胸高直径と樹高を一本一本測る毎木調査法のため手間と時間がかかりますが、Mapryは背中に専用のカメラがついた機械を背負い、林内を歩くだけで林内の3Dデータを作成し樹木の調査が行うことができるソフトで、従来の方法では丸1日かかる調査が30分程でデータの取得ができます。毎木調査データとMapryのデータを比較し、今後の調査に活用できないか検討するとともに、業務の効率化、精密化を図ることとしています。


    橘局長より訓示を頂く職員


    林内調査の様子


    日付

    令和7(2025)年2月19日

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    令和6年度 石西礁湖自然再生協議会
    第2回海域・陸域部会に出席

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    2月19日(水曜日)、今年度第2回目(通算第10回)の石西礁湖自然再生協議会海域・陸域部会が、環境省国際サンゴ礁モニタリングセンターを主会場にオンラインを併用し開催され、当センター職員1名が出席しました。

    今回の部会では、「石西礁湖自然再生全体構想行動計画2024-2028」に基づき、今年度各委員(機関・団体・個人)が実施した活動が報告され、その後、「環境省グリーンワーカー事業」の進捗状況が鳥取大学から、「琉球大学と東京農工大学が連携した竹富町における循環型農畜産業の推進」が琉球大学から報告されました。また、当部会での重点項目である「陸域負荷の低減」については、成果指標に基づいた成果や課題、次年度に向けた計画等が報告されました。

    今後、学術調査部会、普及啓発・適正利用部会がそれぞれ開催され、本年3月に「第35回石西礁湖自然再生協議会」が開催されることとなっています。

    日付

    令和7(2025)年1月23日・2月14日

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    看板の現況調査を実施

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    1月23日(木曜日)及び2月14日(金曜日)に西表島島内に設置されている看板の現況調査を実施しました。当センターでは沖縄森林管理署や環境省、竹富町などが西表島に設置した様々な看板の内容や設置者及び現況等を把握するため、概ね3年に1回看板の現況調査を実施しており、今回、令和3年度に調査したものについて再び調査を行いました。

    1月23日は2班に分かれて南風見田方面と白浜方面から調査を行い、2月14日は船浦・高那・古見方面の調査を実施しました。前回調査から3年が経過し、撤去された看板や腐って倒伏している看板等が多く見受けられ、また、看板が新たに設置されている箇所も確認できたところです。

    今回の調査では船浮方面の看板については調査することができませんでしたが、確認した看板のデータについては台帳に取りまとめ、調査できなかった箇所については次の機会に調査することとします。また、今後も引き続き調査を実施し、得られたデータについては沖縄森林管理署へ共有することとしています。


    新たに設置された看板を測定


    経年劣化により倒伏した看板


    日付

    令和7(2025)年2月12日

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    第252回八重山地区官公庁連絡会に出席

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    2月12日(水曜日)に、第252回八重山地区官公庁連絡会が石垣市民会館において開催され、当センターから小野所長が出席しました。

    本連絡会は、八重山地域の維持・発展と会員の親睦を図ることを目的に開催され39機関中34機関が揃っての開催となりました。

    連絡会は年3回行われ、6機関毎に業務概要を発表することになっています。今回、当センターが順番となったことから、林野庁及び当センターの業務概要について説明を行いました。

    また、当センター以外の業務概要説明では、各機関約15分の持ち時間で、法務局、財務事務所、農業水利事務所、運輸事務所、税務署が説明を行い連絡会を終了しました。

    日付

    令和7(2025)年2月7日

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    イリオモテヤマネコ交通事故防止会議に出席

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    2月7日(金曜日)、イリオモテヤマネコ交通事故防止会議が竹富町役場において開催され、当センターから2名出席しました。

    本会議は、ヤマネコの事故防止に向けた取り組みや今後の課題について意見交換を行うことを目的に開催されており、西表島内の交通量・運転速度を計測したデータの分析結果やアンダーパスの現状及び機能改善に向けた計画、その他、ヤマネコの交通事故に対する観光客への認知度調査等、様々な情報を用いて今後の保護活動に向けた検討が行われました。

    環境省から、「2022年12月に発生した事故を最後に2年以上の無事故が継続しており、これは1978年に事故の記録を始めてから初めてのこと」と報告がありました。その他各関係機関の啓発活動やヤマネコの存在を早期に発見するための草刈等の取り組みが報告され、この状態を維持しつつ更なる事故防止に努めることを出席者全員で確認し、本会議が終了しました。

    当センターでは各関係機関と協力しながら今後の事故防止に係る活動について、積極的に参加することとしています。

    日付

    令和7(2025)年2月3日、2月4日

    タイトル

    令和6年度第2回竹富町西表島エコツーリズム推進協議会及び第2回
    世界遺産地域連絡会議西表部会に出席

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    令和7年2月3日(月曜日)、令和6年度第2回竹富町西表島エコツーリズム推進協議会、翌日2月4日(火曜日)には、第2回世界遺産地域連絡会議西表部会が両日とも竹富町離島振興総合センターを主会場にオンラインも併用し、各行政機関、地元関係団体などが一様に参加し開催されました。

    エコツーリズム推進協議会では、「運営体制の見直しに伴う規約の改正」「モニタリング評価委員会からの報告」「海域、野営WGでの検討事項」「西表石垣国立公園(西表地区)管理運営計画の策定について」など多岐にわたる内容が報告され、以前の協議会からの検討事項である、「野営を伴うバックカントリーツアーについて」など、引き続き検討していくこととなったところです。

    世界遺産地域連絡会議西表部会では、令和6年12月に開催された科学委員会の検討内容に基づき包括的管理計画やモニタリング計画の改定案等が報告され、今後、スケジュールに沿って進められていくこととなります。


    日付

    令和7(2025)年1月15日

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    イリオモテヤマネコをロードキルから守る(4回目)
    ~県道沿いの草刈りに参加~

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    イリオモテヤマネコロードキル対策として新年1回目となる環境省西表自然保護官事務所主催の県道沿いの刈払いが令和7年1月15日(水曜日)に実施され、西表自然保護官事務所5名、ボランティア6名及び当センター3名の計14名が参加しました。

    作業当日の天気は雨で北東から寒風が吹いており、全員が合羽を着用しての作業となりました。

    場所は、西表島東部に位置する野原崎展望台駐車場から西部に向かう県道で当センターからは電動の刈払機を持参し、道路脇から飛び出してくるヤマネコを事前に察知できるよう、道路脇の雑草を入念に刈払い、約2時間の作業を無事終了しました。

    環境省によると、雨風が吹く中での作業でしたが今回は参加者が多く、予定していた箇所より長い距離を刈払うことができたとのことでした。イリオモテヤマネコ無事故継続のためにも、当センターは引き続き協力することとしています。


    作業前状況


    作業後状況



    無事作業を終えました!

    日付

    令和7(2025)年1月9日

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    大富歩道ツルヒヨドリ合同点検を実施

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    令和7年1月9日(木曜日)、環境省西表自然保護官事務所2名、一般財団法人西表財団2名、沖縄森林管理署大原森林事務所1名、当センター4名で、特定外来生物であるツルヒヨドリの生育状況の点検作業を実施しました。

    ツルヒヨドリは南北アメリカの熱帯地域原産で、世界の侵略的外来種ワースト100にあげられ、在来植物などに絡みつき枯死させるなど生態系に深刻な影響を及ぼす蔓性の植物です。

    大富歩道終点付近では、令和2(2020)年2月に大規模な繁茂が確認され環境省やボランティアの方々と合同で抜き取り作業を実施しており、令和5(2023)年8月以降の生育は確認されていませんが、1年程の空白期間があっても再生が確認されることもあることから、定期的な点検作業が重要となっています。

    これまで繫殖が確認された箇所は世界自然遺産に登録された箇所で森林生態系保護地域内でもあることから、今後とも関係機関等と連携し定期的に点検作業を実施することとしています。


    発生状況を参加全員で確認


    点検作業をする参加者


    日付

    令和7(2025)年1月9日

    タイトル

    外来種対策ギンネム駆除の防草シートを設置!
    経過観察【R5設置:555日目、R6設置:240日目】

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    外来植物であるギンネム駆除箇所の経過観察を1月9日(木曜日)に実施しました。
    これまで設置した218本(R5設置130箇所、R6設置88本)を確認した結果、R5設置個所で1箇所、R6設置個所で1箇所確認されました。

    令和6年7月30日付けトピックスでお知らせしましたが、昨年7月30日を最後に経過観察を休止し、約半年後に状況を確認したところ萌芽の発生は2箇所となり、防草シートによる根株枯死については順調に進行しているように思えます。

    萌芽が発生した箇所は防草シートを重ね合わせた隙間からで、直射日光が入り込まないよう防草シートを密着させるなど個々に対応することが重要であり、萌芽が未発生の箇所では埋土種子等から発芽したギンネムの稚樹が見られることから、今後とも稚樹の引き抜き駆除の継続が必要と考えています。

    ギンネムは西表島全域に侵入している侵略的外来種で世界自然遺産に登録された森林生態系保護地域においても例外ではありません、当センターでは今後とも繁殖範囲を少しでも減らせるよう職員一同ギンネム駆除に取り組んでいきたいと考えています。


    防草シートの継ぎ目から萌芽


    防草シート周辺の稚樹


    日付

    令和6(2024)年12月20日

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    イリオモテヤマネコをロードキルから守る(3回目)
    ~県道沿いの草刈りに参加~

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    イリオモテヤマネコロードキル対策として環境省西表自然保護官事務所主催の県道沿いの刈払いが令和6年12月20日(金曜日)に実施され、西表自然保護官事務所5名、ボランティア2名及び当センター2名の計9名が参加しました。

    12月に入り西表島にも冷気が感じられるようになり、前日の最高気温は14℃でしたが、当日は25℃を観測するなど、12月とは思えない日差しの中での作業となりました。

    場所は、西表島東部与那良橋付近から東部に向かうあまり日陰の無い場所で当センターからは電動の刈払機を持参し、道路脇から飛び出してくるヤマネコを事前に察知できるよう、道路脇の雑草を入念に刈払い、約2時間の作業を無事終了しました。

    草刈り作業終了後、環境省職員から前回のイリオモテヤマネコの交通事故から2年間の無事故を継続しており、これは西表野生生物保護センターが設立(1995年7月12日)されて以降初めての快挙との報告がありました。これまでの観光客への声掛けやロードキル対策等の活動が確実に実を結んでおり、刈払いの重要性を改めて感じることができ、当センターは引き続き協力することとしています。


    作業前状況


    作業後状況



    皆で休憩

    日付

    令和6(2024)年12月19日・20日

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    令和6年度ヒナイ川・西田川の利用状況調査(令和6年12月分)報告

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    12月19日(木曜日)にヒナイ川、20日(金曜日)に西田川の利用状況調査を実施しました。

    19日の天気は曇り時々雨、気温は約14℃で西表島としてはかなり寒い一日でした。
    この寒さのためか、普段よく見かけるミナミトビハゼやキノボリトカゲといった生き物の姿は全く見られませんでした。

    20日は晴れ、この日の気温は約25℃。
    少し体を動かすと汗ばむ程の陽気で前日の寒さが嘘のようでした。

    調査の結果は、ヒナイ川はカヌーツアー3組の13名(ガイド含む)で、西田川はツアー数・観光客数ともに0でした。
    昨年度と比較してヒナイ川のツアー数・観光客数はともに微増、西田川のツアー数・観光客数は同数となりました。


    ヒナイ川上流側の係留地点


    サンガラの滝


    日付

    令和6(2024)年12月18日

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    ~小笠原諸島森林生態系保全センター及び屋久島森林生態系保全センター職員との意見交換会~

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    関東森林管理局の呼びかけにより、今後の業務にあたり各世界自然遺産地域での状況を知っておきたいという意向から、島嶼で同じような条件下にある、屋久島、西表及び小笠原の3センターで各センター業務の紹介や意見交換会をWEBで行いたいとの要望があったことから、12月18日14時00分からオンラインで意見交換会を実施しました。

    関東局から6名(センター、総合事務所国有林課、局計画課)、屋久島センター3名、当センター4名、九州局計画課2名、計15名の参加で、各センターから業務概要を説明し、その後質疑応答を行いました。

    約2時間でしたが、関東局の外来種駆除の取り組みなど共通の課題等もあり、当センターとしても今後の業務の参考となったところです。

    今回はWEBでの意見交換会でしたが、可能ならば現地を視察し、各センターの取り組みを直接目で見たうえでの意見交換が出来ればと思ったところです。

    改めて世界自然遺産地域での各センターの取り組みの重要性を再認識し、当センターとしても地域に根差したものとなるよう切磋琢磨していきたいと思います。


    日付

    令和6(2024)年12月13日

    タイトル

    大原中学校三大行事「西表島横断」を支援

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    当センターでは西表島にある大原中学校の伝統である三大行事(西表島横断、古見岳登山、仲間川筏下り)を支援しています。三大行事はそれぞれ3年ごとに1回実施され、生徒は在学中の3年間で三大行事全てに参加することとなっており、今年は「西表島横断」となっています。

    「西表島横断」は、(1)郷土理解を図り、たくましく生きる知・徳・体を身につける。(2)地域の人材と連携し、学校と地域で行事を創り上げる。(3)生徒、教師、地域の方がお互いに協力し合い、協調性をやしなう。(4)西表島の自然の素晴らしさを直接肌で感じさせることにより、自然への畏敬の念や保護する心を育てる。この4点を目的として実施されています。

    11月26日(火曜日)に教職員及び地元ガイド、保護者等の関係者有志による本番前の事前踏査が実施され、当センター職員2名と大原森林事務所地域技術官、及び沖縄森林管理署職員1名の計4名が参加しました。事前踏査では足場の悪い箇所へのロープの設置や倒木等の除去を実施し、生徒たちが安全に横断できるよう整備を行いました。
    午前8時に軍艦岩を出発し、雨で足元がぬかるむ中での作業となりましたが、チェーンソー等を担いで横断道を突き進む地元ガイドの方々の体力、歩行速度に驚かされ、体力的に不安はありましたが、何とか無事にゴールである大富口に午後6時に到着することができました。

    12月13日(金曜日)当日は、沖縄森林管理署本署職員4名と大原森林事務所地域技術官、及び当センター職員4名の計9名で参加し、生徒、教職員、保護者、地元ガイド、支援機関総勢87名での西表島横断となりました。我々林野庁職員は1班に1名、3~6班に各2名の配置となりました。
    朝から雨が降ったり止んだりで、少し肌寒く感じ、朝07時00分に浦内川河口の駐車場に集合、全体写真の撮影と出発集会を行い、遊覧船に乗ってスタート地点の軍艦岩へと向かいました。軍艦岩には07時50分頃に到着し、ゴールの大富口まで約12.2kmの険しい道のりの西表島横断がスタートしました。

    カンピレー口までは比較的歩きやすい道が続きますが、いざ横断道に入ると徐々に道が険しくなり、ターニングポイントであるイタジキ川には11時頃に到着しました。

    昼食をとり、引き続き横断する人と引き返す人に分かれますが、イタジキ川の先はより険しい道で、引き返すことが困難となるため、慎重に各自の体力と相談し進退の判断を行い、ほとんどの生徒がイタジキ川を渡り、大富口へ向かって歩を進めました。

    道中は皆で声を出し、互いに励ましあいながら和気藹々とした雰囲気で進み、アップダウンが激しく、ロープに頼らなければ進めない箇所もあるなど険しい道のりで、かつ、雨で足元がぬかるみ滑りやすいという悪条件ではありましたが、全員午後5時までには無事ゴールにたどり着くことができました。イタジキ川を渡る前は不安げな表情だった生徒たちですが、進むにつれて表情が明るくなり、ゴールする頃には皆笑顔になっていました。

    大富口から下ったあとは中学校近隣にある「大富公民館」にて、保護者や校長先生から労いの言葉とともにお手製の八重山そばとおにぎりが振舞われました。その後、午後7時ごろから解散集会が行われました。各班の代表が横断の感想や保護者や関係者への感謝を述べたのち、PTA会長と校長先生から言葉をいただき、今年の「西表島横断」は終了となりました。

    西表森林生態系保全センターでは、西表島の自然環境教育にかかる地元小中学校の行事をこれからも支援していきますので、是非お声がけ下さい。


    大粒の雨の中、遊覧船で出発


    カンピレーの滝


    いざ西表島横断道へ


    イタジキ川沿いでの昼食


    激流のイタジキ川を渡る


    中間広場で一休み


    ゴール間近、最後の休憩


    解散集会にて横断の感想を述べる生徒


    日付

    令和6(2024)年12月10日

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    「多様な活動の森における森林づくり活動」
    ~日本製紙及び沖縄森林管理署との合同調査を実施~

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    12月10日(火曜日)、沖縄森林管理署と日本製紙株式会社が締結している「多様な活動の森における森林づくり活動に関する協定」箇所において、沖縄森林管理署3名、日本製紙株式会社10名、西表島エコツーリズム協会4名、当センター2名が参加し現地調査を実施しました。

    今回の現地調査では、租納森林事務所部内の白浜歩道沿線に侵入している外来植物であるアメリカハマグルマの繁殖状況及び駆除経過及びツルヒヨドリの侵入確認、並びにイリオモテヤマネコの痕跡状況などの調査が行われました。

    アメリカハマグルマについては、日本製紙株式会社の外来種駆除活動として西表島エコツーリズム協会等により駆除が実施されており、参加者全員で歩道沿線の繁殖状況を確認しました。ツルヒヨドリについては、事前にパンフレットを活用し似た葉をもつ在来植物との見分け方を確認し調査を行いました。また、ツユヒヨドリは蔓性の植物で11月から12月にかけて白い花を咲かせることからドローンによる空撮も行われました。調査の結果、両外来植物ともに新たな繁殖は確認されず、活動における成果を感じることができました。

    イリオモテヤマネコの痕跡状況では、歩道中央のコンクリートブロックにイリオモテヤマネコの糞と思われるものが確認されるなど、希少動物の生態を身近に感じられたようでした。

    今回「多様な活動の森における森林づくり活動に関する協定」として現地調査に参加しましたが、今後とも本協定での活動が更に関係団体協力の下、充実した活動になることをセンター職員一同祈念しております。


    外来種の見分け方を説明する
    沖縄森林管理署 大城森林官


    歩道脇の植物を説明



    イリオモテヤマネコの糞?


    調査終了後に全員で記念撮影



    日付

    令和6(2024)年12月9日

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    海岸林自然再生試験地調査を実施

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    12月9日(月曜日)に、南風見国有林172は・に林小班内に設定した在来植物による防風・防潮の持続的な機能の発揮が期待できる海岸林の再生を目的とした試験地調査を実施しました。

    試験地では、在来木や植栽木の生育状況、在来種の発芽生育状況、防草シートを設置した場合の外来種駆除と在来種の手法別生育状況の経過を調査しており、センター職員4名で500本余りの樹高等を計測しました。この試験地においては植栽した在来種も良好な生育がみられることから、今後の対応を検討中としています。

    西表島でも12月に入り朝晩は20度を下回る日が多くなり、調査日当日も北風が吹き少し肌寒く感じられましたが調査には快適な一日となりました。サトウキビの収穫も始まり農地では牧草を刈り取ったあとに家畜の飼料と思われるロール状のものが見られるなど冬支度が始まっているようです。


    植栽木の樹高を計測


    製糖工場と牧草ロール



    日付

    令和6(2024)年12月5日

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    10年に1度の調査へ!
    ~星立ヤエヤマヤシの調査を実施~

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    西表島西部の星立天然保護区域内に自生するヤエヤマヤシの調査を、11月19日~11月21日、12月3日~12月5日の2回にかけて実施しました。令和6年4月25日のトピックスでもお知らせしましたが、星立のヤエヤマヤシは天然記念物や絶滅危惧IA類に指定され絶滅のおそれが非常に高い種であるため、調査実施にあたっては細心の注意を払いながら行いました。

    平成26年の調査方法は、自生するヤエヤマヤシ全木について胸高直径と樹高を測定し、位置情報を取得しましたが、今回は自生している箇所を明確にするため、最初に現地の区域表示を行い、その後、自生しているヤエヤマヤシの総本数及び生長プロット内の調査を行いました。

    今回新たに設定した生長プロットは、稚樹や幼木については本数を調査し、成木については生長経過を調査するため単木毎に番号票を付して胸高直径と樹高を計測しました。生長プロット内に生育するヤエヤマヤシを大きさ毎に区分し調査することで、稚樹や幼木の更新具合や成木の生長状況等が確認できると考えています。

    総本数の確認については、これまでどおり10年周期で実施することとしていますが、定期的にヤエヤマヤシの生長状況を観察することで、星立天然保護区域全体についても現状を確認することができると考えています。今後とも希少な植物群落を良好な状態で保全管理できるよう、センター職員一同取り組んでいきたいと考えています。


    成木の育成状況


    稚樹の発生状況


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    令和6(2024)年11月27日

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    船浦ニッパヤシモニタリング調査を実施

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    西表島西部の船浦地区にあるニッパヤシは国内自生地の北限で、昭和47(1972)年に国指定の天然記念物に指定されています。当センターでは平成17(2005)年からニッパヤシのモニタリング調査(毎年2回)を実施しており、今年度2回目のモニタリング調査を11月27日(水曜日)~11月28日(木曜日)にかけて実施しました。

    今回の調査では、ニッパヤシの葉数、葉の状態、光環境の観測、定点地点の写真撮影、ドローンによる空撮を行いました。また、前回調査で破損した番号タグが多く見られため、全43株のうち7株について番号タグの付け替えも併せて実施しました。付け替えをした7株は殆どが川中部に位置していたため、胸近くまで水に浸かりながらの作業となりましたが、次回の調査ではスムーズに調査ができるものと考えています。

    調査結果としては、前回 調査では枯れ葉数が前年同月期と比較して増加していましたが、今回の調査では枯れ葉は減少し、新たに芽生えた新幼葉が増加しているように感じられました。昨年12月に光環境を改善するためニッパヤシ周辺のオヒルギ等の被圧木を除伐しましたが、その効果が少しずつ表れているように思われます。


    川沿い部に生育するニッパヤシ


    株の中央にあるのが新幼葉


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    令和6(2024)年11月25日

    タイトル

    船浦湾マングローブ林ビーチクリーン活動に参加

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    11月25日(月曜日)西表島カヌー組合の主催で船浦湾のマングローブ林内のクリーン活動が開催され、総勢50名の中、沖縄署から5名及び当センター職員2名が参加しました。

    マングローブ林内のゴミは海岸のビーチクリーンとは異なり、カヌーを利用しなければ回収できないことから、カヌー組合の精鋭たちが十数台のカヌーでマングローブ林からゴミを回収し引っ張ってくる姿は圧巻でした。私たちは隣接する浜でのゴミの回収や、湾内のマングローブ林からカヌーで回収してきたゴミの仕分けなど行いました。

    当日は11月末ではありましたが、かなり暖かい気温の中、参加者は約2時間汗まみれになりながら、トン袋22袋分を回収しました。

    今回、回収したゴミの内訳と量(1袋/45㍑)は次のとおりです。

    ペットボトル24袋、発泡スチロール132袋、漁具・ロープ24袋、ブイ48袋、その他プラスチック36袋、ガラス製品2袋、電球0.5袋、缶類1袋

    また、ペットボトルのラベル国別調査結果(1,512本中473本確認)では中国産が最も多く、次いで台湾、ベトナム、マレーシアなどとなり、何故かエジプトのペットボトルが1本確認され参加者も驚いていました。

    今回クリーン活動を実施した船浦湾は、海中道路と呼ばれる県道が走っており、景観も素晴らしい場所です。ビーチの清掃は地元の方々が一生懸命取り組みを行っていますが、漂流ゴミは次々とやってきます。私たちも関係機関と連携しながら継続して海岸の清掃活動に協力を行っていきたいと思います。


    ゴミの選別作業


    参加者全員で記念撮影


    日付

    令和6(2024)年11月13・14・15日

    タイトル

    台風被害地調査及び立ち枯れ調査を実施

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    仲間川のマングローブ林台風被害地調査箇所及び仲良川のマングローブ林台風被害地調査箇所は、平成18(2006)年の台風13号及び平成19(2007)年の台風12号よる猛烈な強風により、マングローブ林内のオヒルギ等の風倒木が大量に発生する被害(面積1.85ha)を及ぼし、十数年が経過しています。当センターでは、毎年定期的に被害地のマングローブ林の再生、周囲の状況の経過観察を実施しています。

    また、立ち枯れ調査については平成21(2009)年度に仲良川と浦内川でマングローブ林の立ち枯れが確認され、当センターが原因究明のため平成22(2010)年度から平成25(2013)年度まで仲良川、浦内川において調査を実施し、土砂の流入が原因とする一定の見解を示し、平成26(2014)年度に最終取りまとめと地元説明会を実施した経過があります。それ以降は立ち枯れ箇所の再生、周囲の状況の経過観察を毎年行っています。

    今回は11月13日から15日の3日間にわたり両調査を行いました。台風被害地については定点撮影、巡視及びドローンによる空撮を行いました。仲間川、仲良川ともに空撮においては前年度と比べあまり変化が見られませんでしたが、定点撮影ではいくつかの稚樹が見られ、徐々に植生が回復している状況を確認することができました。

    写真のとおり部分的な裸地となっているため、台風や豪雨が襲来した際には被害が広まる可能性があることから、今後も経過観察を継続することとします。

    立ち枯れ調査箇所においては、定点撮影や画像データ収集及び周囲の状況等の確認を行いました。

    調査結果として立ち枯れ木については、台風等による強風が影響し頂端部が折損したと思われる立ち枯れ木が数箇所確認され、周辺では台風等の影響と思われる豪雨により、河川の土砂が堆積している状態が確認され、稚樹の発生も確認されました。

    今後も、河川上流部からの土砂の流入による河口部への堆積等が考えられることから経過観察を継続することとしています。


    仲間川の台風被害地


    仲良川林縁部の稚樹発生状況


    浦内川立ち枯れ木の状況


    立ち枯れ木跡から発生した稚樹


    日付

    令和6(2024)年11月12日

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    海外の研修員と直接ふれあう
    ~(JICA)沖縄センターの講義を実施~

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    当センターは、独立行政法人国際協力機構(JICA)沖縄センターが行う研修で「生物多様性国際目標に向けた沿岸・海洋生態系保全管理」コースの講義依頼を受け11月12日(火曜日)に研修を行いました。

    令和5年度は講義及び現地視察(西表島)を行いましたが、今年度は日程の都合が合わず講義のみとなり現地視察に同行することが出来ませんでした。

    研修には、バングラデシュ、エクアドル、インドネシア、ヨルダン、パラオ、東ティモールの6カ国から8名(男性3名、女性5名)の研修員が参加しました。

    講義は、国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターにおいて、「日本の森林や森林管理」、「西表島の森林と森林利用」、「西表島のマングローブ」、「西表森林生態系保全センターの業務」の4つのコンテンツについて説明した後、質問を受けました。

    質疑では、「国有林、公有林、私有林の違いは何か」、「西表島に入島する際は料金が発生するのか」など、ご自身の国の現状なども交えながらの質問を受け、通訳を通しての回答だったこともあり、きちんと研修生に伝わっているのかなど余計な心配もしながら、2時間という短時間ではありましたが西表島における森林生態系の保全管理に関し、当センターの活動内容など理解を深めていただいたと思っています。


    講義の様子


    研修員と一緒に


    日付

    令和6(2024)年11月11日

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    令和6年度ヒナイ川利用状況調査(令和6年11月分)報告

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    11月11日(月曜日)にヒナイ川の利用状況調査を実施しました。

    本調査については毎月行っておりますが、先月は台湾周辺に台風が襲来し、10月期の調査を行うことができなかったため、約2ヵ月振りの調査となりました。当日の天気は曇り、最高気温が25℃前後の日が多くなり、西表にも涼しい風が吹くようになりました。
    現地には多くの観光客がツアーに参加しており、ヒナイ川の動植物を観察する人達や、アクティビティを楽しまれる姿などが多く見られました。

    調査の結果は、カヌーツアー9組の33名で、今回の参加者は全員が県外からの来島者でした。
    ツアー参加者では、ドイツやフランス等から来日された、外国人の方が多く見られました
    昨年の11月は修学旅行生がヒナイ川に訪れていたこともあり、ツアー数・観光客数ともに減となりました。


    カヌー係留地点の様子


    日付

    令和6(2024)年11月6日

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    令和6年度八重山地域における希少な野生動植物の密猟・密輸対策連絡会議に出席

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    11月6日(水曜日)に「八重山地域における希少な野生動植物の密猟・密輸対策連絡会議」が、国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターを主会場にオンラインを併用し開催され、構成機関26団体中24団体が出席しました。

    会議では、環境省より沖縄・奄美地域における密猟・盗掘の現状と対策、密猟密輸対策アプリTRSSNA!!の開発状況、八重山地域における密猟防止の取組などが報告され、与那国町からは国内希少野生動植物種に指定されたヨナグニマルバネクワガタ密猟防止合同パトロールの実施状況等が報告されました。その後、各機関より昨年度及び今年度実施した密猟対策としての取組について報告があり、当センターからは、環境省・竹富町・沖縄森林管理署と合同で実施している合同パトロールの実施状況について報告を行いました。

    今回開催された密猟・密輸対策連絡会議は、令和4年度に設置され今回で3回目の開催となりましたが、行政機関と運輸業・運送業等が協力し情報を共有することで、八重山地域から希少な野生動植物(法規制に基づく対象種)を密猟・密輸させないよう取り組むことが重要となります。


    連絡会議の状況

    日付

    令和6(2024)年11月5日

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    令和6年度西田川の利用状況調査(令和6年11月分)報告

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    11月5日(月曜日)、今年度4回目の西田川の利用状況調査を実施しました。
    西田川の入込調査は偶数月に実施していますが、台風21号の影響により石垣島と西表島を結ぶ航路が欠航となり11月に調査を行いました。

    当日の天候は曇り、気温は24度前後でしたが、サンガラの滝周辺は風が吹いていて少し肌寒いように感じられました。

    調査の結果は、カヌーツアー、観光客数ともに0で昨年度同月からは減となりました。


    サンガラの滝


    日付

    令和6(2024)年10月31日~11月1日

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    ~(JICA)北海道センター(帯広)の講義を実施~

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    当センターは、独立行政法人国際協力機構(JICA)北海道センター(帯広)が行う研修で「地域住民の参加による持続的な森林管理」コースの講義依頼を受け10月31日(09時00分~12時00分)、11月1日(10時00分~12時00分)に研修を行いました。

    研修には、コンゴ民主共和国、ネパール、フィリピン、ウガンダ、ペルーの5カ国から9名(男性7名、女性2名)の研修員が参加しました。

    初日の講義内容は、「日本の森林や森林管理」「西表島の森林と森林利用」「西表島のマングローブ」「西表森林生態系保全センターの業務」の4つのコンテンツに分かれており、約3時間、質疑を受けながらの講義となりました。

    2日目は西表島に移動し、森の巨人たち百選に選定されている仲間川のサキシマスオウノキや雄大なマングローブ林の説明、並びに大富遊歩道沿いで当センターが行っている業務内容等を現地で説明する予定でしたが、台風21号の接近のあおりを受け、高速船が運休という不運も重なり、予定を変更し石垣島北部に自生している「米原のヤエヤマヤシ群落」の視察を行いました。西表島での現地実習を研修生も楽しみにしていただけに落胆の声がありましたが、石垣島と西表島のみに自生している一属一種の天然記念物であるヤエヤマヤシを見学することができ、研修生たちは自生しているヤエヤマヤシに感嘆し、また、隣接している資料館を見学し、展示の仕方など感心している様子でした。

    天候不良で西表島のマングローブを見ることはできませんでしたが、西表島の森林保全に対する取り組みなどの意見交換を行うことができ、それぞれの国で抱える森林保護に係る問題の解決に向けて取り組まれることを期待します。


    講義の様子


    日付

    令和6(2024)年10月16日・21日

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    秋季希少種パトロールに参加

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    西表島では10月頃から昆虫採取を目的とした入林者が多く来島し、西表特有の昆虫類を求めて夕方から朝方まで採取・観察をする人が増加します。中には採取が禁止されている希少種を持ち帰る人も見られることから、毎年、環境省、竹富町、沖縄森林管理署及び当センターでは密猟を防止するため、西表島島内の主要箇所で合同パトロールを実施しています。

    今年は10月16日(水曜日)に西表島西部に位置するユツン駐車場と大見謝駐車場において環境省職員2名及び当センター職員2名、10月21日(月曜日)に西表島東部に位置する古見農道と古見岳相良側において環境省職員2名と当センター職員2名及び大原駐在所警察官1名でパトロールを実施しました。

    パトロールは入林者に対し聞き取り調査をメインに行い、採取目的や採取方法、下山予定の時刻、使用する道具や入林届の有無等の確認を行い、密猟密輸防止のチラシを配布し希少種保全の目的や入林時の注意点などを説明しました。入林者の方々は快く聞き取りに応じて頂き、密猟パトロールの目的など理解いただけたようでした。また、既に入山されている方については入林届がダッシュボードの見える位置に置かれているかなどの確認を行いました。

    今回のパトロールでは、16日に8名、21日に7名の方に聞き取りを行いましたが、特に問題は見られませんでした。来島された方の中には北海道から毎年来られている方もおり、大学生から定年後の趣味など幅広い年代の方々が見られ、聞き取りを行ったほぼ全員の方が「マルバネクワガタ」を目的に入山されていました。

    奄美大島や与那国島において「マルバネクワガタ」は「種の保存法」による採取規制がかかっているものの、西表島に生息する「ヤエヤママルバネクワガタ」については採取規制対象外になっていることから、この時期には多くの採取者が入山されるとのことです。過剰な採取を行うと昆虫等が激減して西表島の生態系に影響が出る恐れがあります。昆虫等を採取することは採取者の判断となりますが過度な採取をしないよう促すとともに、国有林の適切な管理と入林者の安全のため入林届の提出を引き続きお願いすることとします。


    聞き取りの様子
    (ユツン駐車場)


    通行者にも呼びかけ
    (古見岳入り口相良側)


    日付

    令和6(2024)年9月28日

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    ウタラ川巨木オヒルギ樹木医診断に同行

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    平成12年に「森の巨人たち百選」に選定されたウタラ川のオヒルギについては、6月19日のトピックスにてお知らせしたとおり、「西表島巨樹・巨木保全協議会」(以下保全協議会)のもと、当センターが毎年樹勢調査を行い、保全協議会へ調査結果を報告しています。その中で、オキナワアナジャコによるシャコ塚やオヒルギ空洞部に詰まっていた充填物などが、樹勢に影響していると思われる旨報告し、令和6年9月28日(土曜日)に日本樹木医会沖縄県支部長の生沢先生、琉球大学農学部教授の谷口先生、元森林協会常務理事の具志堅先生、以上3名の樹木医による診断が行われ、当センターから職員2名及び租納森林官が同行しました。

    今回の現地調査は保全協議会内で早急に対応すべき課題の1つとして樹木医による診断が計画されたもので、先生方が巨木オヒルギを初めて見られた際に、「少し危ない状況かもしれない」と話され、緊張が走る中診断が始まり、樹勢の弱まった原因や周囲の環境、樹勢回復を促す方法など、専門的な知識や道具を用いてオヒルギの現状について詳しく説明いただきました。特に不定根(注1)については確実に保護しなければならないとの意見があり、この不定根こそがオヒルギがまだ生きている証明でもあり、樹勢回復のきっかけでもあると診断されました。

    診断中に現地ガイドの方が通られ、年々巨木オヒルギの元気がなくなっているのが見て分かり悲しいと話されていました。今回の診断結果については保全協議会に報告され、巨木オヒルギの樹勢回復に向けた取り組みが検討される予定です。

    注1)まだ地面に根を張れていない成長段階の木根のこと


    説明中の様子
    琉球大学農学部教授 谷口先生(左側)
    元森林協会常務理事 具志堅先生(中央)


    空洞部から根を伸ばす不定根



    日付

    令和6(2024)年9月12日

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    モーリシャス国からの視察を受け入れ(JICA)

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    当センターは、独立行政法人国際協力機構(JICA)からの委託により、「モーリシャス国統合的沿岸域生態系管理システム構築プロジェクト」の一環として、モーリシャスの行政官など7名に対し、センターにおけるマングローブを含む森林生態系の保全に向けた取組について講義を行いました。

    本プロジェクトは、2020年7月にモーリシャス国の南東沖で発生した貨物船による座礁事故や、その他気候変動や沿岸開発等により劣化したサンゴ・海藻・マングローブ等の沿岸生態系の保全・回復、持続可能な利用の促進を目的としており、「日本の森林や森林管理」、「西表島の森林と森林利用」、「西表島のマングローブ」、「西表森林生態系保全センターの業務」の4つのコンテンツについて説明した後、質問を受けました。

    受講生からは、「マングローブの台風被害や立ち枯れ被害について、被害箇所に植栽などの回復措置は行っているのか」、「民有林はどこが管理しているのか」、「マングローブ林の取扱いについての法的根拠はあるのか」などの質問があるとともに、西表島の森林生態系の豊かさや、マングローブのすばらしさに驚嘆していました。

    今回のJICAは西表島現地の案内等はなく講義のみでしたが、このプロジェクトを通じて学ばれたことを、モーリシャス国で現存する問題の解決に向けて取り組まれることを期待します。


    講義の様子


    日付

    令和6(2024)年9月6日

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    令和6年度ヒナイ川の利用状況調査(令和6年9月分)報告

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    9月6日(金曜日)にヒナイ川の利用状況調査を実施しました。

    当日の天気は晴れ。気温は約31℃でした。まだまだ暑さが厳しい西表島です。
    暑さのためか、調査地点近辺でよく見られるトントンミー(ミナミトビハゼ)の姿が普段よりも少ないように感じられました。

    この日は満潮の時間と重なり、川の水位が高く気温も高かったため、カヌー係留地点ではガイドの指示のもと水に浸かって体を冷やす観光客の姿が見られました。

    調査の結果は、ヒナイ川はカヌーツアー11組の53名(ガイド含む)でした。
    夏休みが終了したこともあり、子供連れの観光客は見られませんでした。
    なお昨年度と比較してツアー数・観光客数ともに減となりました。

     



    カヌー係留地点の様子(左:上流側、右:下流側)

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    令和6(2024)年9月6日

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    令和6年度 第34回石西礁湖自然再生協議会に出席

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    9月6日(金曜日)に第34回石西礁湖自然再生協議会が、八重山合同庁舎大会議室を主会場にオンラインを併用し開催され、当センター職員1名が出席しました。

    当日の協議会では、新規参加委員の承認手続き及び新役員の選出が行われたあと、昨年度改訂された「石西礁湖自然再生全体構想行動計画2024-2028」や各部会及びワーキンググループからの活動報告等が行われ、関係機関が連携して取り組むことなどが確認されました。

    話題提供として今期で退任された土屋前会長から「パラオと沖縄の交流の歴史」について、環境省から「石西礁湖サンゴ群衆モニタリング調査結果速報」の報告があり、地元ダイビング関係者からは、白化が見られるサンゴの現状などが報告されました。

    第34回 石西礁湖自然再生協議会


    日付

    令和6(2024)年9月3日

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    「自分を守る」のは、自分自身
    ~九州森林管理局 島田総務企画部長によるコンプライアンスキャラバン~

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    9月3日(火曜日)九州森林管理局の島田総務企画部長が来所され、発注事務に係る不正行為の防止について、コンプライアンス(法令遵守)指導が行われました。

    このコンプライアンスキャラバンは、九州森林管理局の幹部自らが毎年各署等を巡回し指導が実施されております。

    島田部長は、入札・契約の適正化の基本となるべき5つの事項や過去の事例、また、「秘密情報の漏洩、金品の受領、収賄、官製談合等」は必ず見つかるなど、不正に関する情報はささいなことから調査・捜査が始まるとのことなどを自身の体験を交えながら、判りやすく説明をしていただきました。

    今回のコンプライアンスキャラバンを受けて、公務員倫理、発注者綱紀保持などコンプライアンスを守るのは、「国民のため」、「組織のため」だけでなく、「自分を守る」ためのものであり、「自分を守る」のは、最後は自分であるということを職員一同、改めて認識させられました。


    “コンプライアンスを守るのは自分を守るため”


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    令和6(2024)年8月28日

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    令和6年度ヒナイ川の利用状況調査(令和6年8月分)報告

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    8月28日(水曜日)ヒナイ川の利用状況調査を実施しました。

    天候は晴れ、気温は33度でした。

    この日はキャリア実習2日目ということで、職員4名とキャリア実習生1名で調査を行いました。

    調査地点に到着後、実習生に調査の概要を説明し、職員がガイドに聞き取り調査を行う場面を横で見てもらうことにしました。その後、職員が数組の聞き取りを終えたところで実際に聞き取り調査を行ってもらいました。最初は慣れない様子でしたが、2組目以降は慣れた様子で聞き取りを行っていました。

    数組の聞き取りを行ってもらったところで職員と交代し、実習生にはツアーの目的地であるピナイサーラの滝壺と滝上の景色を見てもらうことにしました。
    滝壺と滝上、両方に行くのはかなりハードで、滝上から戻ってきたころには疲れ切っていましたが、いい思い出になったと感想を聞くことができました。

    さて、調査の結果は、カヌーツアー23組の141名(ガイド含む)でほとんどが県外からの観光客でした。
    なお、8月期の利用者数は、前年度の同月と比較してツアー数は同数、利用者数は微減となりました。


    係留中のカヤック(上流の係留地点)


    聞き取りを行うキャリア実習生


    ピナイサーラの滝上にて


    ピナイサーラの滝上にて



    日付

    令和6(2024)年8月23日

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    令和6年度西田川の利用状況調査(令和6年8月分)報告

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    8月23日(金曜日)今年度3回目の西田川の利用状況調査を実施しました。

    天候は晴れ。気温は約32度でした。
    久々の調査ということもあり、サンガラの滝までの道中は普段よりもきつく感じられました。

    滝周辺は先週の雨で水かさが増しており、水遊びには最高のコンディションで、ツアー3組がほぼ同時刻に訪れていたため、普段よりも賑やかでした。

    調査の結果は、ツアー3組の14名(ガイド含む)で、3組のうち2組が県外、1組は海外からの観光客で3組とも子供連れでした。また、3組のうち1組はカヌーではなくSUPボードで訪れていました。

    なお、前年度の同月と比較してツアー数・利用者数ともに減となりました。

     



    サンガラの滝で水遊びを楽しむ観光客

    日付

    令和6(2024)年8月21日

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    事業進捗状況及び令和6年度の主な事業について協議
    ~奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域連絡会議
    令和6年度第1回西表島部会開催~

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    8月21日(水曜日)に、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域連絡会議 令和6年度 第1回西表島部会」が竹富町上原の中野わいわいホールを主会場にオンラインを併用し開催され、当センター、沖縄森林管理署、環境省、沖縄県、竹富町などの行政機関、地元住民代表、西表島エコツーリズム協会や観光関係団体ら47名が参加し開催されました。

    当日の会議では、まず、環境省より5年ごとに見直される「包括的管理計画」の改定の方針について報告があり、西表島行動計画の事業の進捗状況では、事業数が多いことから実施主体となっている各機関より特徴的な取組などについて説明があり、沖縄署神山署長より、ノヤギ対策について署・センターにおいて自動撮影カメラの設置を行っていくことや、竹富町が特定観光資源を指定し、ここに入林する場合は、竹富町に立入承認申請をすることから、署においても竹富町の取り組み方法を整理をしていくとの報告がありました。

    当センターにおいても、ノヤギ対策への貢献や、令和7年3月より運用開始となる特定自然観光資源制度による立ち入り制限の取組に伴い、センターが実施している入込調査の今後の進め方を検討することとしています。


    様々な要望が出された西表島部会




    日付

    令和6(2024)年8月21日

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    イリオモテヤマネコをロードキルから守る(2回目)
    ~県道沿いの草刈りに参加~

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    イリオモテヤマネコロードキル対策として環境省西表自然保護官事務所主催の県道沿い刈払いを令和6年8月21日(水曜日)に実施し、西表自然保護官事務所3名、ボランティア4名、沖縄森林管理署1名及び当センター2名の計10名が参加しました。

    6月27日に行われた草刈りでは午前9時開始でしたが、近年の厳しい暑さを警戒し、前回より1時間早めた午前8時より作業開始となりました。

    今回の作業は、西表島の西ゲーダ駐車場から大原方面を目がけての草刈りとなり、当センターから電動刈払機を持参し参加しました。当日は快晴で作業開始直後は涼しかったものの、日が昇るにつれ暑さが増し、滝のような汗をかきながらこまめに休憩を取り、無事約2時間の作業を終えることができました。

    草刈り作業終了後の打ち合わせでは、環境省職員から前回のイリオモテヤマネコの交通事故から600日無事故が経過したことと、来月も実施する旨の報告があり、当センターも熱中症対策などを考慮しながら次回以降も積極的に参加していきたいと考えています。


    作業前


    作業後



    こまめに休憩

    日付

    令和6(2024)年8月6日

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    ノヤギ対策カメラを大富歩道に設置

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    ヤギは本来沖縄県には分布していない動物で、家畜として15世紀頃に持ち込まれたとされています。これらのヤギが逸脱や放逐等により野生化したものがノヤギと呼ばれ、希少種を含む多様な植物の食害や踏圧などにより植生を衰退させる外来種として、沖縄県の外来種リストの中でも優先順位の高い「重点対策種」として記載されています。

    現在、沖縄県、環境省、竹富町、林野庁の4機関においてノヤギ対策連絡会議が設置されており、目撃・被害状況の把握や駆除が行われています。各機関において自動撮影カメラを設置し、生息が確認された箇所において、情報を共有し対策を検討することとしています。令和5年度は目撃情報等をもとに地元猟友会と連携し25頭の捕獲が対策会議で報告されており、ノヤギ撲滅に向け着実に進歩している状況です。

    当センターにおいても、ノヤギの生息状況把握に向け自動撮影カメラを大富歩道に2台設置しました。設置箇所の検討にあたっては、沖縄森林管理署と調整し、有識者の先生に助言をいただきました。令和5年度に多数の捕獲が行われ、ノヤギの警戒心が強まり直近での目撃情報が少なくなってきていますが、ノヤギの生息域を確認することで効率的な駆除が実施されることから、ノヤギ駆除に向け各機関と連携しながら、西表島の希少な植物への衰退が抑えられるよう取り組んでいきたいと思います。


    設置する職員


    設置完了


    日付

    令和6(2024)年8月6日

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    希少種持ち出し防止パンフレット配布に参加(夏季)

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    八重山諸島は多くの自然に恵まれており、中でも西表島は、貴重な動植物や固有種、絶滅の危機に直面している希少種が多数生息していますが、希少な動植物には様々な規制が設けられていることを知らないため、触れてしまう事や、持ち帰ってしまう事、中には傷つけてしまった等の事例が少なからず存在しています。そのような事例を防止し、希少種の保護と理解を深めることを目的に、令和6年8月6日(火曜日)西表島大原港と上原港の2箇所で希少種の存在と規制を周知するパンフレットを船で来られた観光客に配布しました。

    当日は大原港にてセンター職員2名が参加し、環境省3名、大原森林事務所1名の計6名で配布を行いました。

    パンフレットの中身としては、規制が設けられている希少種の名前や特徴を示した資料と、子育て中のイリオモテヤマネコが道路に出没する区間やレンタカーの走行速度を注意喚起する資料を大原港に来島した4艇の乗客の方々に配布し、夏休中ということもあってか、大原港のみで200部以上配布することができました。

    秋季には昆虫採集を対象としたチラシを配布する計画となっており、西表島の希少な動植物を守るためにも、環境省、竹富町と協力し、生態系の保全に取り組んでいきたいと思います。


    念入りに打ち合わせ


    配布状況


    日付

    令和6(2024)年7月30日

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    外来種対策ギンネム駆除の防草シートを設置!
    R5年度実施、経過観察【392日目】

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    外来植物であるギンネム駆除箇所の経過観察を7月30日(火曜日)に実施しました。

    これまで設置した218本(R5設置130箇所、R6設置88本)を確認した結果、R5設置個所で新たな萌芽が1箇所確認され、萌芽発生率は15%となりました。

    令和5年7月5日付けトピックスでお知らせした、ギンネムの伐根を防草シートで覆って枯死させる方法については設置から約1年が経過し、約8割で萌芽発生を抑え込むことができました。今回使用した防草シートは農業や家庭菜園などで使われている市販のものですが、身近なものでも利用方法を工夫すれば、繫殖力が旺盛なギンネムでも萌芽発生を抑え込むことを検証できました。今後は、これまで実施してきた経過観察は一旦終了し、稚樹の引き抜きや小高木の駆除へ移行したいと考えています。

    防草シートを設置した周辺には、実生で発芽した小さな稚樹から、鉛筆の太さくらいに生長したギンネムがまだまだ見られます。これからは、大富歩道沿線にまだ処理できていない成木を伐採除去するとともに、マットを設置した周辺に発生しているギンネムを駆除し、大富歩道沿線からギンネムを絶滅できるよう、当センター職員一同取り組んでいきたいと考えています。


    50日余りで約1.5m生長したギンネム


    防草シートの継ぎ目から発生


    日付

    令和6(2024)年7月29日

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    船浦ニッパヤシ希少個体群保護林調査
    ~琉球大学渡辺准教授と打合せを実施~

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    7月29日(月曜日)、琉球大学熱帯生物圏研究センター西表研究施設において、渡辺信准教授と当センター職員4名で当センターが実施した船浦ニッパヤシ希少個体群保護林モニタリング調査(6月期)結果を踏まえた打合せを実施しました。

    当センターから令和5年6月期の調査結果をもとに、葉の状態(健全、一部枯れ、枯れ)や新幼葉数等の発生状況などを提示し、ニッパヤシの状態などについて確認を行いました。渡辺准教授からはドローンで撮影したニッパヤシの状態調査として、葉の色具合や除伐後の周辺木と樹間の状態などについて説明があり、葉の寿命や海水面の上昇調査の必要性などについて、ご教示いただくことができました。

    当日は、琉球大学の学生達の実習日と重なり、現地へ出発する前での打合せとなりましたが、渡辺准教授、生徒の皆様、貴重な時間を提供していただき、誠にありがとうございました。


    研修施設前で待機している生徒達


    日付

    令和6(2024)年7月22日

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    教員向け自然環境教育(森の塾)を実施

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    7月22日(月曜日)、教員向け自然環境教育(森の塾)を実施しました。

    教員向け自然環境教育(森の塾)は、西表島の自然について知っていただくことを目的に令和3年度から実施の計画をしていましたが、学校側との日程調整が難しく、今年度ようやく実施することができました。

    今回は今年度赴任された船浦中学校の先生2名に加え、夏休みで沖縄本島から訪れていた先生のご親族(小学6年生)1名、計3名に参加いただきました。先生方はともに沖縄本島のご出身で、西表島での勤務は初めてとのことでした。

    仲間川船着場で先生方と合流し、森の巨人たち百選に選定されている仲間川サキシマスオウノキを目指し船で仲間川上流へと向かいました。船の上では仲間川で見られるオヒルギ、ヤエヤマヒルギ、マヤプシキをはじめとした各種マングローブについて説明を行いましたが、さすがに先生方は覚えるのが早く、サキシマスオウノキに到着するころには各種マングローブの判別ができるようになっていました。

    サキシマスオウノキに到着後は当センターが行っているモニタリング調査や周囲の植物の説明等を行いました。先生方は興味津々といった様子で、落ちている実を手に取って眺めたり、サキシマスオウノキを背に写真を撮ったりしていました。

    サキシマスオウノキを観察した後はさらに上流へ進み、ヒメモダマやツルアダン等、普段は中々見られない植物を観察しました。川を遡るにつれ樹木の種類も増え、両岸から川へせり出すように伸びた枝には蔓が複雑に絡んでおり、マングローブ林とは違った雰囲気を醸し出し、その景色を見た先生方からは「アマゾンのジャングルのようだ」との声が聞かれました。

    その後、下流側へ移動し、大富船着場から大富展望台へ向かいましたが、この日は気温が35℃にもなる猛暑日で、展望台までずっと登り坂を進むこともあり、展望台に到着するころには皆疲れ切った表情となっていました。

    熱中症防止のため展望台で長めの休憩をとり、その後、当センターが大富歩道で実施しているギンネム駆除について、目的や駆除方法などについて説明を行った後、実際の駆除現場を見ていただきました。説明後は船に戻って川を下り、帰りの船の上では「楽しかった」との声を聞くことができました。

    今回、初めての森の塾開催で至らない部分はありましたが、目的については達成できたように思います。


    サキシマスオウノキについて説明


    大富展望台までの道中


    日付

    令和6(2024)年6月27日・28日

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    令和6年度ヒナイ川・西田川の利用状況調査(令和6年6月分)報告

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    6月27日(木曜日)にヒナイ川、28日(金曜日)に西田川の利用状況調査を実施しました。

    27日の天気は晴れ。
    気温は約33℃と酷暑の中の調査で体力をかなり消耗しました。
    西表島は梅雨明けし、サガリバナの季節を迎えました。道中には散った花が大量に散らばっており、甘い香りが漂っていました。
    この日は調査開始時間と満潮がちょうど重なったため、調査地点付近の通路は水に浸かって大きな水たまりとなっており、カヌー係留地点もかなり水位が上がっていました。
    係留されているカヌーの数が比較的少なく、水位も高かったためか、滝壺へ向かう前に水遊びをする観光客の姿が見られました。

    28日も晴れ、この日の気温は約31℃でした。
    昨年度の同月の調査ではツアー客の姿がたまたま見られませんでしたが、今回は比較的多くのツアー客が訪れており、水遊びを楽しむ姿や滝の前で写真撮影をする姿が見られました。

    調査の結果は、ヒナイ川はカヌーツアー11組の57名(ガイド含む)で、西田川はカヌーツアー3組の15名(ガイド含む)でした。
    昨年度と比較してヒナイ川はツアー数・観光客数ともに減、西田川はツアー数・観光客数ともに増となりました。


    水位の上がったカヌー係留地点の様子(今回撮影)


    (令和5年4月撮影)


    サガリバナの木の下で


    サンガラの滝


    日付

    令和6(2024)年6月27日

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    イリオモテヤマネコをロードキルから守る
    ~県道沿いの草刈り作業に参加~

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    イリオモテヤマネコのロードキル対策として、環境省西表自然保護官事務所主催の県道沿い草刈り作業が、令和6年6月27日(木曜日)に実施され、西表自然保護官事務所7名、ボランティア5名、沖縄森林管理署1名及び当センター2名の計15名が参加しました。

    今回の作業は、西表島船浦のナダラ橋からクーラ橋に向けての作業となり、各人が刈払い機や熊手、スコップなどを使い、道路と歩道の間に繁茂した草の刈払いや草刈り機で刈った草の片付け、また、道路沿線から延びる枝の剪定や枯れ葉などの除去を行いました。

    最近の目撃情報としては、県道付近や田畑などでイリオモテヤマネコの親子が多く目撃されて、その内2割が昼間に目撃されているとのことでした。

    現在、イリオモテヤマネコの車両に伴う事故は1年以上発生していませんが、これからも昼夜問わず車両を運転するときは法定速度を守りイリオモテヤマネコに優しい運転を心がけたいと思います。


    作業前


    作業中の様子


    作業後


    お疲れ様でした!



    日付

    令和6(2024)年6月26日

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    外来種対策モクマオウの巻き枯らし駆除
    【経過報告 約1年経過】

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    モクマオウ(外来種)の巻き枯らし駆除については、令和5年度6月29日付けのトピックスでお知らせしていましたが、駆除作業実施から約1年が経過しましたので、その経過を報告します。

    浦内川河口のマングローブ林内に侵入していたモクマオウについては、平成27年度から巻き枯らし駆除を開始し、侵入本数27本から令和元年度には5本、令和5年度には残り3本まで減少させることができていました。

    令和5年6月に残り3本の巻き枯らし駆除を実施しましたが、令和5年11月に駆除経過を確認した際に、皮を剥いだ箇所に樹皮を再生させていた1本が確認されたため改めて駆除を行い経過を観察してきましたが、今回、浦内橋付近で実施してきたモクマオウの駆除木の全ての枯死を確認することができました。

    モクマオウは耐乾、耐潮性が強く、土壌栄養分が貧弱な土地でも生育できるため油断はできませんが、これからも再生状況等の経過観察を続けながらマングローブ林内での外来種駆除に取り組んでいきたいと思います。

     


    枯死を確認


    立ち枯れしたモクマオウ


    日付

    令和6(2024)年6月25日

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    令和6年度第1回竹富町西表島エコツーリズム推進協議会に出席

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    令和6年6月25日(火曜日)令和6年度第1回竹富町西表島エコツーリズム推進協議会が竹富町離島振興総合センターを主会場にオンラインも併用し開催され、当センター、沖縄森林管理署、環境省、沖縄県、竹富町などの行政機関、地元住民代表、エコツーリズム関係者や観光関係団体、琉球大学等の有識者・専門家ら28名が参加しました。

    当日の会議では、令和5年度事業報告、令和6年度事業計画や推進協議会の運営体制の見直し方針について、事務局から説明があり項目ごとに議論が行われました。

    令和6年度事業計画の、【西表島登録引率ガイドの要請に関する事業】について、特定観光資源への立入りは年2回行う講習及び試験において合格が要件となることから、テキストや試験問題のブラッシュアップをしていくことや、【自然体験活動促進計画策定に関する事業】では、野営を伴うバックカントリーツアーに関する取り組みについて、「地元の意見をしっかり聞いてほしい」「事業の進め方については慎重に」など各委員より様々な意見が出され、これまでの協議会でも意見が出され検討されている事案等と併せて、引き続きエリアWGや地元住民の意見を聞きながら今後も議論していくこととなります。


    活発な議論が行われた竹富町西表島エコツーリズム推進協議会

    日付

    令和6(2024)年6月21日

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    西表島与那田川でマングローブ林モニタリング調査を実施

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    西表島与那田川にて、マングローブ林モニタリング調査を令和6年6月21日(金曜日)、センター職員3名で行いました。

    本調査は平成27年度から始まった調査で、3年ごとに調査を行っており、今年で4回目の調査となります。

    当日は梅雨が明けたことも影響し、晴天の空が広がり、立っているだけで汗をかくほどじりじりとした日差しが降り注ぐ中での調査でしたが、マングローブ林の木陰に覆われ、無事に調査を終えることができました。

    今回の調査では、稚樹調査、光環境調査、地盤高調査を実施しました。光環境と地盤高調査については前回とあまり差異が見られなかったものの、稚樹調査では稚樹本数が大きく減少するという結果となりました。理由としては日差しが下部まで届かず、稚樹が育ちづらい環境が形成されていることが考えられます。

    このように、調査箇所によってはマングローブ林の形成には環境により様々な違いが生まれます。各モニタリング箇所と比べながら、今後も継続した調査を進めていきます。


    林内の状況


    地盤高調査


    日付

    令和6(2024)年6月19日

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    森の巨人たちを調査
    ~「ウタラ川のオヒルギ」モニタリング調査を実施~

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    平成12年(2000年)に「森の巨人たち百選」に選定された、西表島の国有林内に生育する推定樹齢350年とも言われる「ウタラ川のオヒルギ」のモニタリング調査を6月19日(水曜日)に実施しました。

    当日は日差しが照りつける暑い中、当センター職員3名でカヤックを使用して調査地に向かいました。浦内川を上流に進んでいくと南風の強風(進行方向と逆風)が吹きなかなか前に進まない状況でしたが、ウタラ川の支流に入ると風も止み、慣れないカヤックに右往左往しながらようやく調査地に到着しました。

    到着後、早速今回の調査項目である樹勢や樹高、胸高直径、光環境、林床植生や着生植物の変化などの計測を実施しました。

    樹高・胸高直径については前回調査とほぼ変化は見られず、根回りは前回同様オキナワアナジャコのシャコ塚があるため計測が出来ない状況でした。光り環境(開空度)について、当日の天気は晴れていましたが、周辺にあるオヒルギ等の枝葉も影響し若干数値が低くなり、また、オヒルギ周辺の林床植生数についてはオヒルギの稚樹や若生木が見られ、サカキカズラは前年度に比べ減少したため、全体では昨年度より増加する結果となりました。

    5月29日のトピックスでお伝えしました仲間川のサキシマスオウノキと同様に、今後、調査結果を取りまとめ調査報告書を作成し、「西表島巨樹・巨木保全協議会」に報告することにしています。


    推定350年を超えるオヒルギ


    胸高直径調査


    根周りのシャコ塚を測定


    恐る恐る橋の下を通過


    日付

    令和6(2024)年6月17日

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    船浦ニッパヤシモニタリング調査を実施

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    令和6年度6月期の船浦ニッパヤシモニタリング調査を6月17日(月曜日)~6月18日(火曜日)にかけて実施しました。

    船浦ニッパヤシ希少個体群保護林は、西表島船浦地区にありニッパヤシ自生地の北限として、昭和47(1972)年に国指定の天然記念物に指定され、当センターでは平成17(2005)年からモニタリング調査を開始し、毎年2回(6月期、11月期)の調査を実施しています。

    初日に、ニッパヤシの葉数や葉の状態、地盤高の変化、光環境の観測などを行い、翌日、ニッパヤシの葉数や葉の状態、定点地点の写真撮影やドローンによる空撮などを行いました。今回の調査では2名が初調査となりマングローブ林内の滑りやすい悪条件のなか、川沿い部の調査では水深が深い箇所もあり慌てる場面もありましたが、無事に調査を完了することができました。

    昨年12月にニッパヤシを被圧していたオヒルギ等を除伐し光環境が改善したことで、ニッパヤシが良好に生育しているように見られ、これまで継続してきたモニタリング調査の重要性を改めて感じ取ることができました。


    川沿い部に生育するニッパヤシ


    ニッパヤシの花芽


    日付

    令和6(2024)年6月13日

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    「多様な活動の森における森林づくり活動」
    ~日本製紙(株)と沖縄森林管理署とのWEB会議を実施~

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    6月13日(木曜日)、沖縄森林管理署と日本製紙株式会社が締結している「多様な活動の森における森林づくり活動に関する協定」の活動内容等について、沖縄森林管理署3名、日本製紙株式会社3名、当センター4名が参加しweb会議を実施しました。

    冒頭、日本製紙株式会社から5月に白浜歩道で実施した外来植物調査で、昨年度の現地調査では確認されなかったアメリカハマグルマが1株確認されたことが報告され、その後、今後の活動内容について意見交換が行われました。

    意見交換では新たな活動内容(案)として、沖縄森林管理署からイリオモテヤマネコの痕跡調査や外来植物の侵入状況調査を実施することが提案され、日本製紙株式会社から現地での調査方法や実施エリア、沖縄署が発注している希少野生生物保護管理事業との連携などについて質問があり、活動実施に向けたイメージを膨らませることができたようでした。

    例年、11月~12月頃に合同での現地調査を実施しており、今年度においても実施に向けた事前打ち合わせを9月頃に実施することを確認しweb会議を終了しました。


    Web会議の様子(1)


    Web会議の様子(2)


    日付

    令和6(2024)年6月12日

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    西表島大富歩道沿線の枝払い作業を実施

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    6月11日(火曜日)から6月12日(水曜日)にかけて西表島大富歩道沿線の枝払い作業を実施しました。

    今回の整備では、大富歩道沿線に侵入している外来種であるギンネムの抜き取り作業を請負で実施するにあたり、重機で抜き取ったギンネムを処理場まで運搬する為、車両に支障となる枝などを高枝切りなどを使用し枝払いをするとともに、歩道側に伸びてきたクロツグなどの処理も併せて行いました。初日はセンター職員4名で実施しましたが、翌日は沖縄森林管理署からの加勢もあり予定した区間の作業を無事に完了することができました。

    西表島は梅雨の最中の曇り空で多少風も吹いていましたが、両日とも気温30度を超える蒸し暑い作業条件となり、水分と塩分を補給しながらの作業となりました。来週ごろには梅雨明けの声も聞かれそうですが、これからもセンター職員一丸となって外来種駆除対策など森林保全管理業務に取り組んでいきたいと思います。


    沿線の枝葉を剪定中


    作業終了後


    日付

    令和6(2024)年6月11日

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    外来種対策ギンネム駆除の防草シートを設置!
    R5年度実施、経過観察【343日目】

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    外来植物であるギンネム駆除箇所の経過観察を6月11日(火曜日)実施しました。
    今年度、新たに88本(箇所)防草シートを設置した結果も併せて報告します。

    R5実施箇所【343日目】
    防草シート設置本数:130本(箇所)
    萌芽発生箇所(総数):19箇所

    令和5年度に設置した箇所で新たな萌芽が2箇所確認され萌芽発生総数は19カ所となり、稚樹発生観察プロットでは稚樹の発生は確認されませんでした。また、今年度設置した箇所からの萌芽は確認されませんでした。

    令和5年度の防草シート設置から約1年近くが経過しますが、これまでの萌芽発生率は15%となっています。

    ギンネムは繁殖力が旺盛で少しでも光が差し込む隙間があれば、そこから萌芽が出てきてしまいます。防草シートを活用して根株を完全に枯死させるには数年必要と思われますが、今後とも防草シート設置と稚樹の引き抜きを行いギンネムの侵入エリアを減少できるよう、当センター職員一同取り組んでいきたいと考えています。


    萌芽発生を確認する職員


    隙間から発生した萌芽


    日付

    令和6(2024)年6月9日

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    「石垣島船越屋(フナクヤ)ハーリー」に参加

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    ユッカヌヒー(旧暦5月4日)にあたる6月9日(日曜日)に「令和6年度海神祭」が開催され、西表森林生態系保全センター職員4名、環境省石垣自然保護官事務所6名、計10名の合同チーム【チーム名:カンムリワシ】で団体ハーリーの部に参加しました。

    海神祭とは、漁業者が豊かな海の恵みに感謝を捧げると共に、安全操業と豊漁を海神に祈願する海の一大祭典で、石垣市では石垣漁港、白保漁港、船越漁港の3箇所で開催され、当チームは船越の海神祭に参加しました。

    林野庁と環境省、職場は違いますが、それぞれの思いを胸に一致団結し、皆で「えーい!」と声を掛けあい、一心不乱にエークーを漕ぎ、無事にゴールすることができました。

    その後、満足感に満たされながらの観戦していたところ、船越漁港に石垣市長が訪問され、急遽当チームと市長による市長チームを結成し、2度目のハーリーに参加することとなりました。市長の熱意と掛け声に引っ張られ、なんとかゴールに辿り着き、市長と共に健闘を称えあうことができました。

    最後に5人参加のハーリーにも出場し、当センターの過去を振り返っても1日に3回漕いだという記録はなく、くたくたになりながらも、環境省と市長、地域住民の方々と親睦を深めることができ、非常に貴重な経験を得ることができました。


    気力を振り絞ってゴール!


    中央に市長を加えた精鋭たち


    日付

    令和6(2024)年6月4日~6日

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    西表島3河川でマングローブ林モニタリング調査を実施

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    西表島には、日本最大の面積を有するマングローブ林が生育し、河岸の安定維持や生物多様性の維持等の機能のほか、近年は環境学習の場、レクリエーションやエコツーリズム等の観光資源としても重要視される等、マングローブ林は多くの役割を果たしています。

    当センターは、このようなマングローブ林の保全・保護活動に資することを目的に、マングローブ林の生育状況や生育環境が、どのように変化するのかを継続的に調査を行い、これからの隆替を知る手がかりとしてのデータを確保することとしています。

    今回は、3日間にわたり、前良川、後良川、浦内川の3箇所でモニタリング調査を行いました。
    それぞれに調査プロットを設置しており、プロット内の本数と胸高直径、樹高を測定する生育状況調査、稚樹の発生した本数を調査する稚樹発生調査、潮の満ち引き等の影響による地盤の変化を測定する地盤高調査、光の侵入度を調べる開空度調査の計4つの調査を実施、各河川の実態や環境の変化を前回調査と比較しながら、無事に調査を終えることができました。

    また、本年度は上記3箇所のほかに与那田川と浦内川の1プロット、計2箇所を調査予定です。

    現況を詳しく観察し、確実な調査を進めていきます。





    樹高測定状況


    今回発生した稚樹


    地盤高調査



    日付

    令和6(2024)年5月29~30日

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    森の巨人たち百選に選ばれている仲間川のサキシマスオウノキ調査を実施

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    令和6年5月29日、30日の2日間にかけて、仲間川上流に佇むサキシマスオウノキの調査を当センター職員4名で実施しました。

    本調査は「森の巨人たち百選」に選ばれているサキシマスオウノキの生育確認を主とした調査で、現況の変化や、異変等がないかなどのモニタリング調査も兼ねており、調査開始から今年で19年目となる重要性の高い調査でもあります。

    調査当日は台風1号の発生もあり天候不良が予測されましたが、雨が降ることもなく、巨樹の大きな木陰の中、快適な環境で調査を行うことができました。

    調査内容については、樹高や板根測定を行う生育調査、光環境の変化を調べる開空度調査、枝張りの変化を調べる樹冠調査、林床植生を調べる林床および着床植物生育調査の4つを実施、また昨年度調査のデータと見比べながら、現況との変化について、入念に確認を行いました。

    また、昨年度と大きく違う変化として、巨樹に巻き付いていたアコウの木の除去作業が【西表島巨樹・巨木協議会】により、令和6年2月に実施されました。

    アコウは別名「絞め殺しの木」と言われており、樹木にアコウの根が巻き付き、そのまま枯らしてしまうといった恐ろしい特徴を持っている木で、除去作業が行われた後の巨樹の変化も予想されます。

    仲間川のサキシマスオウノキも推定樹齢400年と老齢であることから、樹木の樹勢や生育環境等を今後も注視し、確実な調査を進めていくこととしています。





    梯子で登って測定




    樹高測定


    林床植生調査


    除去後の状況


    絞め殺しの木とも言われるアコウの根(赤矢印)
    (R5年度撮影)


    日付

    令和6(2024)年5月26日

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    南風見田海岸のビーチクリーンアップ活動に参加

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    八重山地区の海洋環境保全推進活動を行う団体「八重山環境ネットワーク西表エコプロジェクト」の主催で南風見田海岸のビーチクリーン活動が5月26日(日曜日)14時から開催され、当センターから職員が2名参加しました。

    当日は雲が多く、直射日光もなかったため、海岸の清掃活動に適した条件下で、総勢9名でビーチクリーン活動を実施しました。

    参加者は約2時間、汗まみれになりながら漂流ゴミを一生懸命に拾い収集箇所まで運びました。

    その後、回収したゴミの分別を実施。集めたゴミは、発泡スチロール、漁具・ロープ、ブイ及びペットボトルなど多岐にわたり、作業の成果を実感することができました。

    回収したゴミの内、ペットボトルがどこから流れてきているのか調査を行った結果、外国から浮遊してきたものが多く、9カ国から合計で100本以上確認されました。

    今回は、少人数でのビーチクリーン活動となりましたが、収集したごみの量は非常に多く、活動を始める前と後を見比べると、非常に大きな成果が得られたと感じました。今後においても当センターでは海岸のゴミが少しでもなくなるように、ビーチクリーン活動に積極的に参加したいと考えています。


    集めたゴミを分別!


    総勢9名で頑張りました!


    日付

    令和6(2024)年5月16日

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    イリオモテヤマネコ10カ年保全計画連絡会議
    ~イリオモテヤマネコ10カ年保全計画連絡会議に出席~

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    5月16日(木曜日)、「イリオモテヤマネコ10カ年保全計画連絡会議」が西表野生生物保護センターを主会場にオンラインも併用し開催され、当センター職員2名が出席しました。

    今回は各保全目標における令和5年度に対する評価、及び令和6年度の活動計画について、各機関における取り組みを共有しました。

    イリオモテヤマネコ10カ年保全計画は令和4年度から令和13年度までの10年間において、「イリオモテヤマネコ保護増殖事業計画」に基づき、関係機関が連携し、生息状況の把握と監視に努めつつ、島内の生息地において生息に必要な環境条件の維持・改善及び生息を圧迫する要因の軽減・除去等を図るなど進めており、さらにヤマネコの保全を推進するため、10年間で優先的に取り組むべき課題と対策等を具体化し、各機関が一層連携を強化し取り組みを行うことが重要であるとの位置づけから策定されたものです。

    保全目標は5項目ありますが、「現時点においては定住固体の変化はなく安定している」、「令和5年度の事故件数は0件である」、「ノヤギについて早急な体制整備が必要」、など、保全目標に対しての評価が報告され、今後に向けた対策を各機関が共有し、目標に向けた取り組みを継続することとしています。


    イリオモテヤマネコ10カ年保全計画連絡会議の様子


    日付

    令和6(2024)年5月14日

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    外来種対策ギンネム駆除の防草シートを設置

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    4月24日(水曜日)から5月14日(火曜日)の間、延べ2日間にかけて、外来植物であるギンネムを駆除するため防草シートを用いた駆除作業を実施しました。

    ギンネムは「世界の侵略的外来種ワースト100」に掲載されるなど生物多様性に深刻な影響を与える植物で、当センターでは令和5年度から西表島東部の大富歩道沿線において、防草シートを用いたギンネム駆除を実施しています。

    今回は、令和6年2月に伐採したギンネムの伐根を駆除することとし、防草シートを設置する前に伐根周辺の整備を行いましたが、ギンネム伐採後、約3カ月が経過したばかりですが伐根からは数本もの萌芽が発生し、1m以上にも生長しているものもありました。

    昨年度は、防草シートを130箇所設置しましたが、今回は86箇所設置し、数は少なくなりましたが、昨年設置した箇所と併せて経過観察を継続して実施したいと考えています。


    切り株が見えないくらい繁茂した萌芽


    除去した萌芽


    防草シートを設置中


    防草シート設置完了


    日付

    令和6(2024)年5月14日

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    外来種対策ギンネム駆除の防草シートを設置!
    その後、経過観察【315日目】

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    外来植物であるギンネム駆除箇所の経過観察を5月14日(火曜日)実施しました。
    防草シート設置後、約10ヶ月が経過した結果を報告します。

    経過観察【315日目】
    防草シート設置本数:130本(箇所)
    萌芽発生箇所(総数): 17箇所

    約10ヵ月経過観察を継続していますが今回の経過観察で、新たな萌芽がこれまでで最高となる4箇所を確認し、萌芽発生総数は17カ所となりました。
    西表島は5月に入り真夏日になるなど晴天の日が続きましたが、前半は雨量の多い日があるなど、植物の生育には条件が良かったのかもしれません。防草シートの下には萌芽した新芽が隠れていると思われますが、防草シート内に日光が届かないように周囲を遮断し萌芽発生を防ぎたいと思います。

    12月1日に設置した防草シート周辺の稚樹の発生観察プロットでは、1箇所で3本、稚樹の発生を確認し、駆除を実施しました。


    隙間から発生した萌芽


    周囲の石も活躍(利用)


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    令和6(2024)年5月10日

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    令和6年度ヒナイ川の利用状況調査(令和6年5月分)報告

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    5月10日(金曜日)ヒナイ川の利用状況調査を実施しました。

    当日の天気は晴れ。
    気温が30℃を超えるのではないかと危惧しましたが、実際には26℃前後と意外に上がりませんでした。
    天気も良くカヌー日和であったことから、上流側のカヌー乗り場には多くのカヌーが係留されていました。

    調査の結果は、カヌーツアー14組の65名(ガイド18名含む)でした。
    今回の調査では外国人観光客の姿が目立ち、その数は11名と観光客の約4分の1を占めていました。
    昨年度1年間の外国人観光客の総数は21名で、5月時点ですでに昨年度の半数以上が訪れたことになります。今回がたまたま多かっただけなのか、これから更に増えていくのか、今後の動向を注視したいと思います。

    なお、5月期は昨年度同月と比較してツアー数は減、利用者数は増となりました。


    上流側のカヌー乗り場の様子


    カヌーを楽しむ観光客


    日付

    令和6(2024)年4月30日

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    八重山の陸と海の植物50パンフレット作成に協力

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    4月30日(火曜日)に、展示会 海・山・里と水の循環<学校の稲作体験学習>(令和6年11月開催予定)で、「八重山の陸と海の植物50」のパンフレット作成を計画されている神戸女子大学李春子先生他1名が事前相談に来所されました。

    当センターでは、これまで李先生が出版された八重山の自然に関する本を作成される際に、西表島の植物誌の写真を提供するなど以前より親交があり、今回、パンフレット作成の協力をいただきたいとの依頼がありました。

    パンフレットは、先人から受け継がれてきた陸と海の動植物に関する伝統知識と資源を学び、貴重な自然環境を次世代に繋ぐ試みであることをコンセプトに、「子供たちだけでなく親子で楽しめるもの」を作成したいとのことでした。パンフレットには、(1)八重山固有・重要植物、(2)祭祀・文化的な関わり、(3)薬用・有用植物、(4)暮らし・モノ作り、(5)防災林・景観のマングローブ林を盛り込むこととしており、当センターからは植物誌の情報や写真を提供することとしています。

    当センターにおいても、令和6年3月に「西表島での自然環境教育カリキュラム」を改訂したところであり、李先生が取り組まれている活動も参考にしながら、西表島の小中学校への活動支援に向け、センター職員一同取り組んでいきたいと思います。


    打ち合わせの様子


    展示予定の稲作体験絵日記


    日付

    令和6(2024)年4月25日

    タイトル

    10年に1度の調査に向けて
    ~星立ヤエヤマヤシ調査箇所の事前確認を実施~

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    4月25日(木曜日)に、星立天然保護区域内に自生するヤエヤマヤシ調査箇所の事前確認を実施しました。

    西表島北西部の星立天然保護区域に自生するヤエヤマヤシは国指定の天然記念物に指定され、西表島と石垣島に生育する1属1種の固有種で環境省の絶滅危惧IA類に指定されています。

    西表島内には、西表島東部のウブンドルと西表島北西部の星立天然保護区域内の2箇所で、ヤエヤマヤシの自生が確認されており、当センターでは10年間隔で現況調査を実施しています。

    今年度は星立天然保護区域のヤエヤマヤシ調査から10年経過していることから、本調査前の事前確認として、自生区域の把握、調査方法、生長プロット設定の要否、今後の調査間隔等について現地で検討を行いました。現地では樹高が10m以上伸びている個体も見られ下層には幼木が確認されるなど、林内が良好な状態で循環できているように感じられました。

    星立天然保護区域のヤエヤマヤシの現況調査は、関係機関等への手続き等を行い秋以降に実施することしていますが、今後とも西表島に生育する希少植物等の保全保護に向け、センター職員一同取り組んでいきたいと思います。


    林内の様子


    ヤエヤマヤシの幼木


    日付

    令和6(2024)年4月18日

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    ギンネム(外来種)駆除対策の毎木調査を実施

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    4月18日(木曜日)に外来植物であるギンネムを抜き取り駆除するための毎木調査を行いました。

    ギンネムは繫殖力が旺盛な南アフリカ原産の小高木で、「世界の侵略的外来種ワースト100」に掲載されるなど生物多様性に深刻な影響を与える植物で、伐採しても直ぐに萌芽する厄介ものです。

    今回の調査は、ギンネム(外来種)抜き取り作業の事業発注に必要な「総本数の調査」と、「搬出数量を算出するための毎木調査」を実施しました。総本数の調査では、駆除するギンネム1本毎にテープを巻き、搬出数量算出の毎木調査では、径級は電子ノギスで、樹高は測竿を用いて計測し大富歩道終点から四阿までの約1,200mの区間を調査しました。

    西表島では、前日まで30℃超の真夏日となるなど夏本番の陽気となっていましたが、調査当日は、朝から土砂降りとなるなど大気の状態が不安定な一日となりました。朝から雨が降ったことが影響してか気温も下がり、どんよりとした曇り空でしたが調査には快適な一日となりました。

    今後、西表島では真夏日となる日が多くなると思われますが、大富歩道沿線からギンネムが見られなくなるよう、センター職員一同ギンネム駆除に取り組んでいきたいと思います。


    樹高を計測中


    四阿付近に生育しているギンネム


    日付

    令和6(2024)年4月18日

    タイトル

    外来種対策ギンネム駆除の防草シートを設置!
    その後、経過観察【289日目】

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    外来植物であるギンネム駆除箇所の経過観察を4月18日(木曜日)実施しました。
    防草シート設置後、約9ヶ月が経過した結果を報告します。

    経過観察【289日目】
    防草シート設置本数:130本(箇所)
    萌芽発生箇所(総数): 13箇所

    今回の経過観察では、新たな萌芽が2箇所確認され、萌芽発生総数は13カ所となりました。
    萌芽が確認された箇所は、防草シートの隙間からの発生でした。

    防草シートを130箇所設置していますが、日陰に設置した箇所では下層植生の発生も疎らとなっていますが、ギンネムの稚樹も確認されずギンネムの駆除(拡大防止)が順調に進んでいると思われます。

    また、12月1日に設置した防草シート周辺の稚樹の発生観察プロットでは、2箇所で4本稚樹の発生が確認され駆除を実施しました。


    隙間から発生した萌芽


    日陰箇所の植生


    日付

    令和6(2024)年4月15日・16日

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    令和6年度ヒナイ川・西田川の利用状況調査(令和6年4月分)報告

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    当センターでは、平成17年8月からヒナイ川及び西田川を利用するカヤックツアー等の利用実態について調査(通称:入込調査)を実施しています。

    調査回数については調査開始当初から変遷を経て、現在、ヒナイ川は毎月ピナイサーラの滝へ通じるカヤック係留地において、西田川は2ヶ月に1回サンガラの滝において、利用するガイド等への聞き取り調査を行っています。

    この入り込み調査も今年度で19年目に突入します。4月15日(月曜日)にヒナイ川、16日(火曜日)に西田川の利用状況調査を実施しました。

    15日の天気は曇、気温は30℃近くまで上昇しました。暑い中での調査は久々で、道中の移動で体力をかなり消耗しました。
    今回は今年度最初の調査ということもあり、ピナイサーラの滝まで足を伸ばしました。ピナイサーラの滝は沖縄県で最大の滝で落差は54m、水量も多く迫力満点です。滝壺までの道中は少し険しいですが、一度見ておいて損はありません。

    16日の天気は晴れ。
    この日も気温は30℃近くまで上昇しましたが、調査地点であるサンガラの滝周辺は風もあり涼しく感じられました。
    前回・前々回の調査では観光客が0でしたが、今回は夏日であったためか比較的多くの観光客が訪れており、水遊びを楽しむ姿や滝の前で写真撮影をする姿が見られました。

    調査の結果は、ヒナイ川はカヌーツアー9組の38名(ガイド含む)で、西田川はカヌーツアー3組の16名(ガイド含む)でした。
    昨年度と比較してヒナイ川はツアー数・観光客数ともに減、西田川はツアー数・観光客数ともに増となりました。


    係留中のカヤック(ヒナイ川上流の係留地点)


    ピナイサーラの滝


    サンガラの滝(滝下)


    サンガラの滝(滝上)





    お問合せ先

    西表森林生態系保全センター

    ダイヤルイン:0980-88-0747

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