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関東森林管理局

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    シカ被害対策に関する現地検討会を開催しました

      令和7年11月5日、静岡県や市町、森林組合、林業関係団体、猟友会、環境省等の総勢54名(WEB参加を含めると100名以上)の参加の下、「シカ被害対策に関する現地検討会」を開催しました。
      午前の部では富士山国有林において当署取組の見学会を行い、午後の部では会場を静岡県富士市総合庁舎に移して各種講演や意見交換等を行いました。

      はじめに、当署署長より、挨拶とともに、国有林内のニホンジカ被害の状況や各団体と連携してシカ被害対策を行うことの重要性について説明を行いました。

    当署長による挨拶

    当署長による挨拶

      午前の部では、富士山国有林において、当署の「捕獲個体残渣減容化処理容器」の取組について説明を行いました。

      捕獲個体残渣減容化処理容器(以下、「減容化処理容器」。)とは、地中に林道工事等で使用する導水管(直径1メートル、深さ4メートル)を鉛直方向に設置し、金属製の蓋を付けたもので、この中に捕獲したニホンジカをEM菌の入った発酵補助剤とともに投入して処理する簡易施設となっています。

      当署では、従来、埋設穴を掘り、そこに捕獲したニホンジカを投入していましたが、ツキノワグマをはじめ動物による残渣の持ち去りを防ぎきれないこと、埋設穴では処理個体数に限界があることから、この減容化処理容器を導入し、増設を進めています。

    捕獲個体残渣減容化処理容器の説明

    捕獲個体残渣減容化処理容器の説明

      作設方法や残渣の減容化の状況等について説明した後、実際に処理が進んでいる状況や構造等について見ていただきました。

    中を見学する様子

    中を見学する様子

    蓋の重さを確かめる様子

    蓋の重さを確かめる様子

      シカの生息数の増加と生息域の拡大により、全国的に森林被害が深刻な状況にあり、捕獲が進められているところですが、捕獲した個体の処理が大きな課題となっています。このため、意見交換においては、この簡易処理施設におけるニホンジカの投入方法や処理に要する時間等の多くの質問があるなど、関心の高さが窺えました。

      午後の部では、はじめに当署職員から獣害防護柵の取組について、特に土砂により柵が破損しないよう斜面上部側に簡易土留めを設置したり、ネットが破損した箇所で重ね張りを行うといった設置後の破損被害等への対策について説明を行いました。

      次に、当署で発注しているニホンジカ捕獲委託事業について、専門家や県等関係機関、猟友会等からなる実行委員会を設置し、PDCAで捕獲を進めていること、捕獲効率を下げるスレジカを発生させない捕獲の工夫等について説明を行いました。

    当署の獣害防護柵に関する説明

    当署の獣害防護柵に関する説明

      その後、国立研究開発法人森林研究・整備機構のフェローであり、当署のニホンジカ捕獲委託事業実行委員会に専門家委員として当初から関わっていただいている小泉透氏より、「富士山国有林におけるニホンジカ管理のこれまでの経緯」について講演していただきました。

      ニホンジカのマネジメントにはバックキャスティング(望ましい目標・将来像を起点として各段階における状態目標を設定し、現状から順に次の状態目標に向けて取組を進めていく方法)でアプローチし、ロジックモデル(インプット→アクティビティ→アウトプット→アウトカム)により実行していくことが重要であり、2011年以来、富士山国有林においてこの考え方により取り組まれてきたこと、これにより2011年当時、ニホンジカの生息密度が非常に高く下層植生の衰退が顕著であった富士山国有林の森林において、人穴地区(約1,500ha)では2018年には下層植生の回復が見られ、2020年には2012年の密度指数の5分の1までに低下したとのお話がありました。

    小泉氏による講演の様子

    小泉氏による講演の様子

    質疑応答の様子

    質疑応答の様子

      最後に、伊豆森林管理署、天竜森林管理署、山梨森林管理事務所から、職員実行による捕獲の実施時期や方法の工夫等のシカ被害対策に関する情報提供がありました。

      午後の部においても、獣害防護柵の補修や見回りの頻度、職員実行による捕獲の具体的な方法等について、活発な質疑応答が行われました。

      参加者へのアンケート調査では、小泉氏の講演と減容化処理容器について大変参考になったとの回答が多く見られました。また、今後取り組んでみたい内容として、減容化処理容器の設置と使用が多く挙げられました。このほか、感想として「とても勉強になった」、「減容化処理容器の設置について、費用や処理頭数、安全性等について参考となった」などの意見をいただくなど、今後の連携にもつながる良い機会となりました。

      当署では、地域が一体となったシカ被害対策を進めるため、関係機関と連携をしながら、このような新しい取組の情報提供等に努めてまいります。

    お問合せ先

    静岡森林管理署

    担当者:業務グループ 森林ふれあい担当
    ダイヤルイン:054-254-3401