延岡市/延岡西日本マラソン大会 受賞者レポート
森林×ACTチャレンジ2025
J-クレジット部門

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延岡市(宮崎県)/延岡西日本マラソン大会 | ![]() |
| マラソン大会を通じた森林由来J-クレジットの普及啓発 |
宮崎県延岡市は、市域の約85%を森林が占める自然豊かな地域です。森林は古くから地域の暮らしや産業、文化の基盤であり、森林の多面的機能は、繊維や化学といった地場産業の発展を支えてきた重要な要素となっています。同市では、2023年8月に「延岡市ゼロカーボンシティ宣言」を行い、「製造業の脱炭素化」と「林業振興」を両輪とする取組を進め、森林由来J-クレジットの創出・販売・活用に向けた仕組みづくりを進めています。
その取組の中で、九州三大マラソンの一つとして開催される「延岡西日本マラソン」において、地元の森林由来J-クレジットを活用し、大会開催に伴うCO2排出のカーボン・オフセットを実施しました。大会そのものの環境負荷を低減するだけでなく、地元企業や森林所有者に対するJ-クレジットへの関心と認知度を高めると共に、同市の林業振興や森林整備に対する資金的な後押しとなり、「スポーツの力で地域を元気に、森を未来へつなぐ」という新たな価値観を参加者や地元住民と共有することにつながっています。
| 森林由来J-クレジットの活用と地域連携 |
延岡西日本マラソンでは、市内で創出された森林由来J-クレジットを活用し、大会運営に伴うCO2排出のカーボン・オフセットを実施されています。
特に「クレジットの地産地消」の実現に注力し、地元企業からの寄付を通じてクレジット購入費用を確保し、支援企業とクレジット創出者である地域が一体となって、地域経済と環境保全の両立を図りました。また、クレジット提供に賛同した企業が、カーボン・オフセットに係るブースを設置し、企業自らが脱炭素の実践者となる機会を創出することにより、地域全体の脱炭素意識の醸成と、企業価値の向上を図っています。
マラソンの参加者に対しては、公共交通機関の積極的な利用を促すとともに、会場内に「森林ブース」を設置し、来場者が森林の多面的機能やカーボン・クレジットの仕組みを学べる機会を提供しています。これらの取組を継続的に実施し、
● 大会車両のCO2フリーEV車への切り替え
● カーボンニュートラル配送サービスの活用
等の更なる取組を通じて、「スポーツによる脱炭素社会の実現」を地域から発信し、持続可能な大会運営と森林整備への安定的な支援の両立を目指しています。

延岡西日本マラソン大会

クレジットの活用に関するスキーム図
| 森林整備への貢献と今後の展望 |
森林所有者からは、「買い手が見つからない」「クレジットのPR方法がわからない」、購入を検討する地元企業からは、「クレジットの価値が分かりにくい」「情報が不足している」といった声があり、需要サイドと供給サイドの双方において、情報と理解のギャップが存在しています。そこで同市は、「延岡市森林環境貢献ストーリーMAP」の作成に取り組んでおり、森林所有者はクレジットの付加価値を効果的に発信でき、企業側はクレジット購入によって森林づくりに直接貢献している実感をもてる仕組みづくりが検討されています。
延岡市では、森林由来J-クレジットの創出と活用を契機として、地域の林業振興や森林保全への理解醸成に尽力されており、市内経済への好循環の創出に発展することが期待されます。

クレジットを創出した
延岡市の森林
| 審査員の講評 |
森林クレジットを単なるオフセット手段にとどめず、地産地消の仕組みを通じて、地域の林業再生や理解促進に結びつけるということを、地域の重要なステークホルダーである自治体が主導していることが素晴らしいと感じました。
榎堀 都(一般社団法人CDP Worldwide-Japanアソシエイト・ディレクター)
お問合せ先
森林整備部森林利用課
ダイヤルイン:03-6744-2409





