このページの本文へ移動

林野庁

メニュー

協同組合ウエル造林 受賞者レポート

森林×ACTチャレンジ2025
森林づくり部門

優秀賞

王冠 協同組合ウエル造林 王冠
確実な再造林の実施こそ福島の森林再生への道
   広域連携による森林整備

   協同組合ウエル造林は、東日本大震災の影響を大きく受けた福島県の森林の復興、そして持続可能な林業経営のためには再造林が不可欠との認識のもと、2021年4月に設立されました。 同組合は、福島・茨城・栃木の3県内の製材業者・林業事業体・素材生産業者が連携し、一貫作業システムの導入等による施業の効率化・低コスト化等を進め、森林の若返りやCO2吸収量の確保、伐採後の確実な再造林に広域的に取り組んでいます。

「福島県の再造林推進を考えるシンポジウム」
「福島県の再造林推進を考えるシンポジウム」

   森林所有者との信頼構築と課題解決に向けて

   同組合は、再造林を推進するためには、森林所有者等の経済的負担等を軽減し、再造林意欲を向上させることが最も重要と考え、造林に対する各種補助制度や、成長の早いコンテナ大苗の活用、下刈り作業の回数削減等の作業の省力化等について、森林所有者に対して丁寧に説明を行うことで理解を得て、経済的負担等を軽減しつつ、着実な再造林を推進しています。
   また、2023年度からは、福島県内の林業団体と連携して、地域の林業関係者等を対象とした「福島県の再造林推進を考えるシンポジウム」を毎年開催しており、再造林の重要性に対する理解と認識の醸成を図ってきました。これまでに、福島県内の森林所有者や林業関係者を中心に、延べ500名以上が参加しています。さらに、森林所有者と協定を締結して、伐採から造林までを一体的に行う一貫作業システムを導入し、植栽本数の違いや、下刈りの有無による成長の違いを比較するモデル試験を設定しています。今後、森林所有者、林業事業体等にも苗木の成長状況等を見学できる機会を設けることとしており、低コスト造林への理解醸成に取り組んでいます。
   また、本年より森林総合研究所((国研)森林研究・整備機構)と連携し、苗木生産業者の協力も得て、500ccコンテナによる大苗育成技術に関する実証試験を実施しており、大苗導入による下刈り期間の短縮や省力化が期待されます。この育苗技術はまだ十分に確立されていないことから、安定的かつ効率的な苗木生産体制の構築に向けた取組が進められています。

大苗育成技術に関する実証実験
大苗育成技術に関する実証実験

   伐採から再造林まで~生物多様性を守る施業の実践~

   生物多様性の保全に配慮した施業も推進しており、広葉樹や希少種の保残、渓流沿いの伐採抑制など、森林の生態系を維持するための取組を行っています。選木・伐採の段階から、立木調査部門や伐採事業者と協力し、どの木を残すべきかなどの方針を共有するなど、作業工程全体に生態系へへの配慮を組み込んでいます。また、森林所有者にも、必要に応じて保残の目的や再造林方法を説明し、理解を得ながら施業を進められており、森林所有者や事業者と協働し、多様な生態系を維持できる森林づくりに貢献しています。

   「環境と経済の両立を目指す」森林施業の新たな挑戦

    森林の若返りを図ることが地球温暖化対策の喫緊の課題となっている中、伐期を迎えた人工林を適切に伐採し、木材を有効活用したうえで、伐採跡地に計画的な植栽を行い、継続的に保育するといった「森林循環型施業」を推進するため、同組合は、伐採から植栽・保育までを一体的に進めることによる施業の効率化とコスト削減を図り、森林の健全な育成と木材の有効活用を通じた地球温暖化対策に取り組んでいます。

   審査員の講評

   営業、伐採、造林部門が連携して3県にまたがる広域の森づくりに貢献していること、また所有者の理解を得ながら広葉樹や渓流沿いを切り残すなど、生物多様性に配慮した木材生産を行っていることが高く評価されました。

細田   和男(国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所   研究ディレクター)

お問合せ先

森林整備部森林利用課

ダイヤルイン:03-6744-2409