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公益財団法人ニッセイ緑の財団 受賞者レポート

森林×脱炭素チャレンジ2022  
優秀賞

王冠 公益財団法人ニッセイ緑の財団 王冠
林業事業体等やボランティアとともに公益的機能の発揮を重視した森づくり
 3.9万人が参加した植樹・育樹活動

 公益財団法人 ニッセイ緑の財団は、「緑の保護、育成に努め、もって幅広く環境の保全に資すること」を目的として、1993年7月に設立されました。
 設立の背景として、日本生命保険相互会社では、当時、大量に紙を消費している状況にあったことから、森林資源の保全と再生の問題に関心を持っており、紙の使用量に見合う森林資源を植樹により造成していくことを目指し、1992年より「ニッセイ100万本の植樹運動」として、森林所有者・林業事業体等と森林整備に係る協定や契約を締結した「ニッセイの森」での植樹活動をスタートしました。それに合わせ、同財団を設立し、毎年10万本ずつ植樹を継続した結果、2002年には100万本の植樹を達成しました。
 2003年からは、「ニッセイ未来を育む森づくり」として、植樹に加え、これまでに植えた苗木が大きく育つよう、下刈り、枝打ち、間伐等の育樹活動にも取り組み、これまでに全国約204箇所(471.2ha)、138万本の植樹を行い、延べ3.9万人のボランティアが森づくり活動に参加しています(2022年3月時点)。

ボランティアによる間伐作業(ニッセイ熊本の森)

ボランティアによる間伐作業(ニッセイ熊本の森)

 健全な森づくりに向けて

 全国204箇所の「ニッセイの森」のうち、190箇所が国有林の「法人の森林」制度の契約を締結した森林です。同制度の活用により、全国各地の国有林において、針葉樹だけでなく、広葉樹を取り入れた多様な森林づくりにも取り組んでいます。
 また、国有林を管理する森林管理局が2003年より法人の森林の契約を締結した企業等に対して実施している「環境貢献度評価」を毎年受けています。これまでに全国で整備してきた森林について、年間1,703t-CO2の炭素固定量、2リットルペットボトル換算で年間1億2076万本分の降雨を貯水・浄化しているなどの評価が示され(いずれも2020年単年分)、その内容についてホームページ等を通じて広く発信することで森林整備の成果や意義の普及に取り組んでいます。

 森林の公益的機能を普及

 同財団では、森林づくり活動の実践だけでなく、 「ニッセイの森」での森林教室や自然観察会に加え、全年齢層を対象としたイベントを実施しています。また、「ニッセイの森」の間伐材を使用した夏休み自由研究・木工クラフトワークショップの開催や、各学校オリジナルの「木のしおり」や「樹木名プレート」の寄贈活動を実施しています。さらに、2020年度以降は、新型コロナウイルスの影響を受け、オンラインを活用した環境講座などを開始しています。
 これらの取組を通じて、森林の有する公益的機能やその魅力を分かりやすく伝え、多くの人々の森林への関心の向上、理解の醸成に貢献しています。

ふれあい森林教室(森から考えるESD学びの森)

ふれあい森林教室(森から考えるESD学びの森)

学校の木のしおり寄贈活動

学校の木のしおり寄贈活動

     審査委員の講評

     企業の森づくり創生時から森林活動を実施していることに深く敬意を表します。
     植林のみならず、育林・間伐等含めた森林の循環サイクルに力を入れていることを高く評価しました。森林の価値・魅力をさらに多くの人に伝えていくことを期待します。

    小寺 徹(一般社団法人CSV開発機構 専務理事)

    お問合せ先

    林野庁林政部企画課

    ダイヤルイン:03-3502-8036