株式会社山陰合同銀行 受賞者レポート
森林×脱炭素チャレンジ2022
株式会社山陰合同銀行 |
ふるさとの森を守る |
山陰両県は、人口減少や少子高齢化が全国で最も進んだ、いわゆる課題先進地域であり、各種事業の担い手不足など、地域経済の持続性に関わる問題などが他地域よりも早く顕在化しています。さらに、近年では、環境問題や気候変動などへの対応も、地域の課題として取り上げられるようになっています。
このような情勢を踏まえ、同行は、地域金融機関として、社会・環境課題の解決に資する取組を通じて、地域経済、地域社会の持続可能性を高めるべく取り組んできました。
森林を巡る状況も例外ではなく、山陰両県は、面積の7割以上を森林が占める自然豊かな地域ですが、担い手不足等により、必要な森林整備がなされていない森林が増えつつありました。このような中、同行では、「ふるさとの自然を守る」、「一人ひとりが、できることをできる範囲で継続する」という理念のもと、同行の役員や職員による実践的な森林保全活動や、地域のボランティア団体等との交流を通じて、森林保全の重要性や森林の現状を発信するなど、地域の人々とともに、森林を育み、次世代につなげていく活動に長年取り組んできました。
”ごうぎん希望の森”での活動 |
2006年から取組を開始した「ごうぎん希望の森」の活動では、島根・鳥取両県の6箇所の森林において、毎年2回、同行の役員や職員及びその家族等が実際に森林に入り、世界遺産地域の景観に相応しい森づくりや、水源林における侵入竹の伐採と広葉樹林への転換など、各地の森林が直面している課題を踏まえた森林整備を行い、これまでに延べ約9,700人の参加人数を得て、約17,600本の植樹を行うなどの取組を展開してきました。
また、島根県内での取組については、「島根CO2吸収認証制度」により、森林整備によるCO2吸収量の認証を受けています。
ごうぎん希望の森での活動の様子
さらに、「ごうぎん希望の森」の活動状況については、活動レポート「もりもり通信」を年2回発行し、ホームページへの掲載、行政機関への配布、銀行窓口での来店客への縦覧を行うなどの情報発信を通じ、森林保全活動のPRや啓発に努めています。
活動レポート「もりもり通信」
森林保全の輪を広げる |
さらに、地域と連携した森林保全活動の輪を広げる取組として、山陰両県のボランティア団体やNPO法人等を会員とするネットワーク組織として、 「森林を守ろう!山陰ネットワーク会議」を2006年に立ち上げ、同行が事務局を担い、会員同士の交流や情報交換の機会を提供しています。現在(令和3年度末)の会員数は、山陰両県で50団体に上り、会員が開催する研修会・交流事業等への助成制度を設けているほか、2018年からは、「フレンドシップ店制度」として、同行の支店に会員の森づくり活動の広報誌を設置したり、会員が実施するイベント等に同行の職員が参加するなどして、会員団体の活動の活性化に向けたサポートを行い、森林保全を通じた地域振興に貢献しています。
「森林を守ろう!山陰ネットワーク会議」会員の交流の様子
審査委員の講評 |
地域に根ざした金融機関の強みを活かし、森林保全の活動を積極的に広報することで、各団体にその輪を広げていることは素晴らしい。今後は、地域の林業事業体もその輪に入り、地域の森林整備、利活用がより発展していくことを期待します。
青木 亮輔(株式会社東京チェンソーズ 代表取締役)
お問合せ先
林野庁林政部企画課
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