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認定特定非営利活動法人環境リレーションズ研究所 受賞者レポート

森林×脱炭素チャレンジ2022  
優秀賞

王冠 認定特定非営利活動法人
環境リレーションズ研究所
王冠
大切な人に贈る”プレゼントツリー” 森林再生と地域振興を目指して
 森をつくるべき場所に記念樹を

 豊かな森林が広がっている我が国にも、資金の不足や森林所有者の高齢化などの理由により、再造林等の森林整備がなされていない伐採跡地や気象害・病虫害の被害を受けた森林があります。
 同団体では、「贈り物に樹を植えよう!」を合言葉に、このような場所に「贈り物」として記念樹を植えることにより、森林再生と地域振興につなげる「プレゼントツリー」の取組を2005年から開始し、現在までに国内の37箇所で森林づくりに取り組んできました。

植樹の様子(Present Tree in 笛吹芦川)

植樹の様子(Present Tree in 笛吹芦川)

 地域とともに森を育てる

 プレゼントツリーでは、都市部の住民や企業等に対し植樹のための寄付金を募っています。希望者が、大切な人や自分自身への贈り物として寄付をすると、贈り先の人が苗木の「里親」となり、その後10年間、植樹を行った地域と交流しながら森を育てていくこととしています。
 植樹やその後の下刈り等の保育作業に当たっては、同団体が山林の所有者、地元自治体等と10年間(場所によっては20年間)の森林整備協定を締結するとともに、各地域の森林組合等と委託契約を締結して森林整備を行っています。
 また、植樹の際にポイントとなるのが、植える樹種です。プレゼントツリーの取組では、広葉樹を中心に、各地域の植生に合った樹種を選択することで、小規模ながらも多様性があり、公益的機能が発揮される森林づくりを目指しています。

プレゼントツリーの仕組み

 森林再生と地域振興を目指して

 プレゼントツリーでは、植樹地に「里親」を招いて、地域の住民と交流しながら植樹や保育活動を実施するとともに、地域の美味しい食事や美しい景色、各種体験プログラムを提供する「プレゼントツリーの森交流イベント」を各地域で毎年開催しています。
 2021年には、ウォーターサーバー「クリクラ」を運営する(株)ナックの寄附により、山梨県笛吹市に「クリクラの森」を設定し、クリクラのユーザーを招いた植樹イベントを開催。同市の森林組合の協力の下、植林活動やマイ箸づくりのワークショップが行われ、参加者からも大変好評を得ました。
 これまでに募った里親の延べ人数は30万人を超えており、森林整備活動を通じた交流人口や関係人口の増加につながる取組として、植樹地の自治体からも期待が寄せられています。

ロクシタン植樹セレモニー(Present Tree in くまもと山都)

ロクシタン植樹セレモニー
(Present Tree in くまもと山都)
©2010kumamoto pref. kumamon

マイ箸づくり体験(Present Tree in 笛吹芦川)

マイ箸づくり体験(Present Tree in 笛吹芦川)

 審査委員の講評

 「10年間その樹を育てていく」コンセプトは、都市と地域の交流促進だけでなく、地域経済活性にも多くのメリットをもたらしています。10年という年月をさらに有効活用し、山村振興の有効策として更なる発展を期待します。

小寺 徹(一般社団法人CSV開発機構 専務理事)

お問合せ先

林野庁林政部企画課

ダイヤルイン:03-3502-8036