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コクヨ株式会社 受賞者レポート

森林×脱炭素チャレンジ2022  
優秀賞

王冠 コクヨ株式会社 王冠
家具メーカーの強みを活かす
地域と協働した間伐材利用と森づくり
 家具から森へ

 適正な森林管理をサポートすることにより、「低炭素社会」、「自然共生社会」、「循環型社会」に向けた課題を解決し、「持続可能な社会」の実現に貢献することが可能と考え、1998年より、森林整備によって生産される間伐材を活用した家具の開発に取り組んできました。
 さらに、2006年に、間伐材を利用した商品製造に関して業務提携をしていた高知県の大正町森林組合(現・四万十町森林組合)とともに、森林整備を通じて地域活性化の仕組みづくりを目指す「結(ゆい)の森プロジェクト」をスタート。高知県、四万十町、四万十町森林組合との4者で締結した協定に基づき森林整備を進め、その対象面積は現在5,425ヘクタールまで拡大しています。
 また、前述の協定に基づく毎年の森林整備に対して、高知県からCO2吸収量の認証を受けています。

森林整備(利用間伐)の様子

森林整備(利用間伐)の様子

 地域資源の高付加価値化

 間伐材を家具等に有効活用することで、木材の高付加価値化につながり、山への利益の還元を通じて、森林整備の原資を生み出します。
 結の森では、FSC®認証を取得し、認証された森林から供給された間伐材を使ったオフィス家具等を製造し、全国各地で販売しています。
 また、地域で生産された木材の有効活用を促進することによって、地域の経済を活性化させる「環境と経済の好循環」を目指し、各地の地域材を活用した役場の窓口カウンターの製造を開始し、2014年には四万十町庁舎に納入しました。2021年には長野県上田市の新本庁舎に、上田市産ヒノキを使った窓口カウンターを納入するなど、結の森からはじまった取組を全国へ拡大しています。
 さらに、2021年には、木材など国産素材の活用に加え、素材ごとに分解できる製品を製作し、リサイクルや適切な廃棄につなげることをコンセプトとした家具ブランド『yuimori』を立ち上げ、結の森における「伐って、使う」取組を更に加速させています。

厳しい品質管理のもとで間伐材からつくりだされる集成材

厳しい品質管理のもとで
間伐材からつくりだされる集成材

四万十町庁舎(結の森の間伐材家具を使用)

四万十町庁舎(結の森の間伐材家具を使用)

 間伐効果を”見える化”する

 結の森では、毎年コクヨ社員も参加し、四万十町森林組合・四万十高校・高知県・四万十町の方々と協力し、間伐による植生の変化、四万十川の水質、生態系の変化などに関するモニタリングを実施。これにより間伐効果を”見える化”することで、適期に適切な森林管理を行うことができるほか、調査結果をインターネット上に公開し、森林整備の効果の発信に取り組んでいます。
 この取組は、四万十高校生にとって、地元の自然の素晴らしさを再発見する場、社会人との交流を通じた人材育成の場としても高く評価されています。

地元高校生が参加する植生調査

地元高校生が参加する植生調査

     審査委員の講評

     家具メーカーとしての強みを活かし、2006年から地域と連携しながら続けて来られたこれらの取組は、今後多くの企業が森林に関わる際の道標となるのではないでしょうか。すでに全国へも活動を拡大させており、更なる発展が期待できます。

    青木 亮輔(株式会社東京チェンソーズ 代表取締役)

    お問合せ先

    林野庁林政部企画課

    ダイヤルイン:03-3502-8036