更新日:令和6年10月23日
野生鳥獣による森林被害
森林における鳥獣被害の概況
(印刷用)森林における鳥獣被害対策について(令和6年10月)(PDF : 4,294KB)
主要な野生鳥獣による森林被害面積(令和5年度)
〇令和5年度における、シカやクマ等の野生鳥獣による森林被害面積は全国で約5千ヘクタールとなっています。
〇このうち、シカによる枝葉の食害や剥皮被害が全体の約6割を占めていて、深刻な状況となっています。
注1 都道府県等からの報告による、民有林及び国有林の被害面積の合計。 2 都道府県別内訳は添付資料のとおり。 3 割合については、四捨五入のため、合計は必ずしも一致しない。 |
都道府県別内訳
<資料>
<主要な野生鳥獣による森林被害面積の修正について>
当ページで更新前に掲載していた資料のうち、令和3年度の森林被害面積について、数値に誤りがあったことから次のとおり修正して掲載しています。
資料名 | 区分 | 年度 | 正 | 誤 |
主要な野生鳥獣による森林被害面積の推移 | 東京 | 令和3年度 | 97 | 0 |
主要な野生鳥獣による森林被害面積の推移 | 岡山 | 令和3年度 | 31 | 28 |
主要な野生鳥獣による森林被害面積の推移 | 合計 | 令和3年度 | 4986 | 4886 |
シカによる森林被害面積の推移 | 東京 | 令和3年度 | 97.24 | - |
シカによる森林被害面積の推移 | 合計 | 令和3年度 | 3586.09 | 3488.85 |
イノシシによる森林被害面積の推移 | 岡山 | 令和3年度 | 3.26 | 0.31 |
イノシシによる森林被害面積の推移 | 合計 | 令和3年度 | 60.76 | 57.81 |
森林におけるシカ被害の概況
〇シカによる森林被害は、再造林や適切な森林整備の実施に支障を及ぼし、森林所有者の林業経営意欲を低下させるとともに、土壌流出等により森林の有する公益的機能の発揮に影響を与えるおそれがあります。
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エゾシカの群れによる食害 提供:北海道立総合研究機構林業試験場 |
エゾシカによる剥皮被害 提供:北海道森林管理局 |
シカの食害を受け成林が見込めない 提供:静岡県 |
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スギ人工林におけるシカの剥皮被害 提供:滋賀県 |
シカの食害による下層植生の消失 提供:三重県 |
風衝地におけるシカの食害による裸地化 |
鳥獣による森林被害と防除方法の例
鳥獣別森林被害内容
- シカ
シカによる被害は、森林被害全体の約7割を占め、深刻な状況となっています。シカによる森林被害は、これまでは造林地における植栽木の食害が主でしたが、近年では成林したヒノキ等の樹皮の食害も目立つようになってきています。このような被害の発生は、林業生産コストの増大や森林所有者の経営意欲の低下を招きかねません。また、シカの生息密度が著しく高い地域の森林においては、食害によってシカの口の届く高さの枝葉や下層植生がほとんど消失している場合もあり、このような場所においては、土壌の流出等による森林の有する公益的機能の発揮に影響を与える恐れもあります。
- クマ
主な被害は、壮齢木の樹皮を歯や爪で剥ぐ「クマ剥ぎ」です。人工林の場合、伐採間近の大径木の被害割合が多いため、経済的な損失が大きい傾向があります。
- カモシカ
主な被害は、幼齢木の枝葉の摂食ですが、一部地域ではほかに壮齢木への角こすりも発生しています。食害された幼齢木は、枯死したり、成長を著しく阻害されます。
- イノシシ
イノシシは農業における被害が多いですが、森林においては、竹林におけるタケノコの食害やシイタケ等の食害が主となっています。
- ノウサギ
主な被害は、幼齢木の枝葉及び植栽木の樹皮の摂食です。特に幼齢木への食害については主軸の切断を伴うため、成長を著しく阻害されます。
- ノネズミ
主な被害は、植栽木の樹皮及び地下の根等の摂食です。食害により、幼齢木・壮齢木問わず枯死に至ることがあり、特に北海道におけるエゾヤチネズミは数年おきに大発生し、大きな被害を引き起こしています。
- サル
主な被害は、シイタケの被害(食害、ほだ木の剥皮及び散乱)となっていますが、一部地域ではほかにカラマツ、アカマツ、ヒノキの剥皮害(食害)も発生しています。
鳥獣による森林被害の防除方法
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防護柵(ネット) 滋賀県 |
防護柵(ネット) 埼玉県 |
食害防止チューブ |
防護テープ 長野県 |
枝条巻き付け 熊本県 |
森林における鳥獣被害対策関連事業
農村振興局農村政策部鳥獣対策・農村環境課(「鳥獣被害対策コーナー」へ)
事業報告書等
シカ被害対策技術実証事業取組内容(終了課題の概要)
ノウサギ被害対策検討事業(令和3年度~令和5年度)
林業関係者等によるシカ捕獲活動支援検討業務(令和5年度)
シカによる森林被害緊急対策事業(シカ被害対策普及加速事業)(令和元年度~令和2年度)
シカによる森林被害緊急対策事業(シカの行動把握調査等及び捕獲者等支援業務)(平成29年度)
森林鳥獣被害対策技術高度化実証事業(平成26年度、平成27年度)
森林環境保全総合対策事業のうち森林被害対策事業のうち「野生鳥獣による森林生態系への被害対策技術開発事業」(平成22年度~平成25年度)
野生鳥獣被害対策の観点からの生息環境としての森林管理技術開発事業(平成21~23年度)
リンク集
林野庁内
- 国有林野部(「病虫害・鳥獣害対策」へ)
- 北海道森林管理局(「北海道森林管理局のエゾシカ対策」へ)
- 東北森林管理局(「ニホンジカ被害対策について」へ)
- 関東森林管理局(トップページへ)
- 中部森林管理局(「貴重な自然の保護」へ)
- 近畿中国森林管理局(「シカ被害対策」へ)
- 四国森林管理局(「鳥獣被害対策」へ)
- 九州森林管理局(「九州森林管理局のシカ被害対策の取組状況」へ)
農林水産省内
行政機関【外部リンク】
試験研究機関【外部リンク】
お問合せ先
森林整備部研究指導課
担当者:保護企画班
代表:03-3502-8111(内線6214)
ダイヤルイン:03-3502-1063