知床森林生態系保全センターブログ(2023年8月)
令和5年8月30日「知床岬の巡視」
今回は知床半島の先端・知床岬の巡視を行いました。
知床には「知床世界自然遺産地域管理計画」という世界自然遺産を保全するための計画があり、その計画に基づいて生育する植物の種類や優占状況がエゾシカの採食によってどのような影響を受けているかをモニタリングするため、知床岬などに防鹿柵を設置しています。
防鹿柵はエゾシカの侵入を防いでいますが、雪や倒木、ヒグマなどによる穴掘りで破損してしまうことがあります。エゾシカが侵入すると正確な調査が行えなくなるため、当センターでは年2回巡視を行っており、1回目は防鹿柵の点検と補修が必要な個所の確認、2回目は防鹿柵の補修を行っています。
今回は2回目の巡視で、1回目の6月に確認した損傷箇所の補修を行いました。
朝早くからウトロ漁港を出発し、使用許可を受けなければ入港できない文吉湾を目指します。この日は波が少し高めで、船の上では波飛沫を浴びることになりました。
文吉湾からは林内を歩いて防鹿柵を目指します。
防鹿柵に到着し、前回の巡視で確認していた損傷箇所を修理していきます。
まず、木杭を傾いた柱の脇に打ち込み、次にかすがいで固定します。
最後に番線で補強して完成です。
防鹿柵は設置後の維持管理が重要なため、当センターでは他の防鹿柵も定期的に点検しています。
帰りの船からは青空も見え、天気の良いうちにウトロに帰着しました。
お問合せ先
知床森林生態系保全センター
〒099-4355 北海道斜里郡斜里町ウトロ東番外地
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