「第66回北方森林学会大会シンポジウム」に参加(平成29年11月9日)
11月9日(木曜日)、札幌市東札幌にある「札幌コンベンションセンター」において第66回北方森林学会大会シンポジウムが開催されました。
この大会は主催が北方森林学会、共催が日本森林学会と日本森林技術協会となっており、道内の森林・林業の研究機関・大学関係者等が日頃の研究成果を口頭発表、ポスター発表するものです。
午前のシンポジウムは、「生きものの生息地として森林管理に期待すること」について2名の方から講演がありました。
シンポジウムの様子
午後は、口頭発表(8課題)とポスター発表(32課題)がありました。
口頭発表では森林総合研究所北海道支所の中西主任研究員より「遠軽町丸瀬布国有林における低コスト造林技術の検証」と題して、森林総研北海道支所と森林技術・支援センターが共同で試験を行っている低密度植栽試験についての発表がありました。
今後、主伐期を迎えるトドマツ人工林等が大きく増加し、それに伴う更新面積も増加する見込みであることから、効率的な低コスト・省力化の取組が必要です。
低密度植栽試験地ではトドマツ人工林を帯状伐採した後に、3種類の密度(1haあたり1,000、1,500、2,000本)でトドマツを植栽していますが、これは低コスト造林の1つの手法として植栽の段階から目標とする林分の仕立本数により近い本数とすることで、植栽木の密度管理や下刈等の保育についての具体的な手法の開発と効果及び導入条件の検証から低密度植栽技術を確立するために試験を行っています。
中西主任研究員からは周囲の残存林のトドマツとミズナラ成木の年輪を解析し、それらの定着・成長パターンについて明らかにし、植生調査による広葉樹の侵入状況から初期保育である下刈低減や低密度植栽による針広混交林化の可能性について発表がありました。
中西主任研究員
ポスター発表では当森林技術・支援センターより「北海道国有林におけるコンテナ苗の効果の検証」を発表しました。
北海道国有林では、平成25年度から道内全森林管理署でコンテナ苗が利用され、併せて初期成長のデータを収集しており、その中から同一箇所に植栽したコンテナ苗と裸苗を比較し、特にデータの多いトドマツ・アカエゾマツを中心に、コンテナ苗の初期成長や活着等の特性や造林・保育のコスト低減に向けたコンテナ苗利用による効果について検証したものです。
(発表ポスターは、別添(PDF : 1,194KB)をご覧下さい。)
森林技術・支援センター山嵜森林技術専門官による説明
ポスター発表の1時間のコアタイム(各自のポスター前で説明、質問に答える時間)では、多くの方々から質問を頂き、「コンテナ苗は、寒風害に強い可能性があるのですね。」、「植付可能な期間が長いのは大きなメリット」などと理解を深めて頂くことができ、有意義な発信ができたと感じています。
なお、当センターのポスター発表の内容について、詳細を知りたいという方は、当センターまでお問い合わせください。
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