「天然更新の活用現地検討会」について(平成27年7月24日)
7月24日(金曜日)に、士別市朝日町の国有林において、上川北部流域森林・林業活性化協議会、森林総合研究所北海道支所、森林技術・支援センター3者共催で「天然更新の活用現地検討会(上川北部森林管理署似峡(2069林班)森林事務所部内)」を開催しました。
北海道においては今後、主伐を迎える林分の増加が見込まれ、それに伴い更新面積も増えることが予想されます。
このことから低コストでの更新、造林・保育コストの低減を図ることが肝要であり、天然更新が可能な箇所については積極的に取り組むことが望まれています。
このような観点から、森林技術・支援センターが森林総合研究所北海道支所と共同で取り組んできた天然更新に関する技術開発試験地について、民有林関係者に現地視察を通じて、北海道の森づくりを進めるうえでの参考にしてもらうとともに検討会参加者と意見交換を行い民有林への技術支援、情報提供を図ることを目的に開催しました。
当日は、上川総合振興局上川南部・北部森林室、市町村、森林組合、森林管理署など約90名が参加しました。
上川北部流域森林・林業活性化協議会 会長代理 名寄副市長(左側)の挨拶
現地入り口で、森林技術・支援センター所長から試験地の地林況や取組概要説明の後、森林総合研究所の倉本チーム長より施工方法等について説明があり、その後2班に分かれ試験地プロットへ移動し、実際の更新状況などを視察してもらいました。
概要説明を聞く参加者
総研の倉本氏(右側)より施工方法等の説明
プロット前では、天然更新において小面積地がき(じがき:ササなどをはぎ取り地表を露出させる作業。「かき起こし」のこと。)により更新面での照度のコントロールによる多樹種更新の試験結果が得られていることや近年の高性能林業機械が入った現場で伐採後に小面積の地がきを行うなど伐採と地拵え(じごしらえ:苗木を植える場所を作る作業。)の連続作業による保育コストの低減の可能性などについて話をしました。
参加者が試験地へ
試験地プロット
プロット前で試験結果等解説
また、上川総合振興局上川北部森林室森林整備課鳴海主査より広葉樹二次林「かき起し」試験林について情報提供をしていただきました。
上川総合振興局北部森林室よりかき起こしの情報提供
最後に森林総合研究所の牧野北海道支所長より講評と全体の感想を述べていただき、低コストでの更新、造林・保育コストの低減が重要であるとのことや今後も関係機関と連携して取り組みを行って行きたい旨の話がありました。
講評をされた総研牧野支所長
天然更新補助作業において、母樹の状況を考慮する必要がありますが、小面積の地表処理を行うことにより、天然力を活用した多樹種の更新を行うことが可能で植栽経費の削減を図れるのではと考えるところであり、このことにより低コストでの更新が可能になると思われます。
参加者からは今後の試験地の取り扱い方法や民有林への参考にしたいなどの意見がありました。
森林技術・支援センターでは、今後においても民国連携を図り、民有林への技術支援の取り組みに努めていきたいと考えております。
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