管内の見どころ
保護林
希少な野生動植物が生息・生育する森林の保全、生物多様性の維持等が一層重要となっていることから、引き続き適切な管理を通じて、優れた自然環境を有する保護林の適切な保全・管理に努めています。管内では、尾勝谷ヤツガタケトウヒ・ヒメバラモミ植物群落保護林などの19箇所の保護林を設定しており、引き続き保護林の適切な管理を通じた生物多様性の保全に努めるとともに、開かれた国有林の視点に立って保護林の保存等の重要性等について情報提供に努めています。
個々の保護林の状況に応じたきめ細やかな保全・管理を推進するため、保護林モニタリング調査を実施し、調査結果を蓄積しています。
入林者の影響等による植生の荒廃の防止等が必要な箇所については、地域の関係者等と連携して、利用のルールの啓発等を図っています。
中央アルプス駒ヶ岳生物群集保護林
池の平モレーン等の氷河地形をはじめとする特異な地形を、周辺の植生と併せて保護しています。(駒ヶ根市・宮田村)
七島八島湿原希少個体群保護林
中信高原で最も大きな湿原であり、深さ8mを越える泥炭層を堆積し、国の天然記念物の湿原植物の宝庫でもある貴重な高層湿原植物群落を保護しています。ヒメジョオン等の帰化植物の除去対策について、地元関係団体等と連携して湿原植物群落の再生に取り組んでいます。(下諏訪町)
小瀬戸谷・東風巻谷希少個体群保護林
三峰川水系小瀬戸谷及び東風巻谷にかけて石灰岩の層が延びており、この地域に生育するヤツガタケトウヒ・ヒメバラモミを保護しています。(伊那市)
八ヶ岳縞枯山希少個体群保護林
縞枯山一帯の帯状立枯現象を示すシラベ群落を保護しています。(茅野市)
管内の保護林
名称 | 箇所数 | 面積(㏊) | 箇所 |
森林生態系保護地域 | 1 | 1,511 | 南アルプス南部光岳 |
生物群集保護林 | 5 | 16,028 | 中央アルプス(駒ヶ岳)、南アルプス(塩見等)、南アルプス(聖岳等)、南アルプス(仙丈岳等)、八ヶ岳 |
希少個体群保護林 | 13 | 896 | 燕岩、丸山谷、七島八島湿原、小黒川ウラジロモミ遺伝資源、小瀬戸谷・東風巻谷、神の石シダ、西岳・フウキ沢ヤツガタケトウヒ、大河原イヌブナ遺伝資源、白岩岳カラマツ等、八ヶ岳縞枯山、風巻峠、豊口山シダ、巫女淵 |
緑の回廊八ヶ岳
緑の回廊設定区域は、千曲川上流森林計画区の蓼科山から伊那谷森林計画区の八ヶ岳連峰編笠山までの稜線を結ぶ区域で、八ヶ岳縞枯山希少個体群保護林、白駒コメツガ希少個体群保護林、八ヶ岳生物群集保護林、西岳・フウキ沢ヤツガタケトウヒ希少個体群保護林の各保護林を連結しています。
設定区域は、野生動植物の移動経路の確保、生息・生育区域の拡大と相互交流を促し、森林生態系の保護・保全を目的としています。
名称 | 箇所数 | 延長(km) | 面積(㏊) |
緑の回廊八ヶ岳 | 1 | 21.0 | 伊 那 谷 計 画 区: 3,679 千曲川上流計画区: 2,156 計: 5,835 |
レクリエーションの森
国有林の中から特に美しい森林、山岳、渓谷、湖沼、等やキャンプ、スキーなどの野外活動、自然観察などに適した森林を「レクリエーションの森」として選定し、広く国民のみなさんに森林とふれあう場所を提供しています。
北八ヶ岳自然休養林
北八ヶ岳自然休養林は、東信・南信両森林管理署にまたがり北八ヶ岳の景勝地を占める森林です。北八ヶ岳ロープウェイ終点には有名な溶岩台地である坪庭があり、景観上も学術的にも貴重なものです。また、麦草峠は国道299号が通っており、駐車場や宿泊施設等が整備され、登山客やハイキング客の利用拠点となっています。自然資源が豊富であり、春から秋は自然探勝的利用、冬は北八ヶ岳ロープウェイ周辺の林間コースを利用してのスキーなど四季をとおして利用されるレクリエーションの場です。
駒ヶ岳風致探勝林
駒ヶ岳風致探勝林は、中央アルプスの駒ヶ岳の東側斜面に拡がる天然林及び高山帯からなる地域です。千畳敷カール等の氷河地形や、コマクサ等の高山植物が数多く生育しています。しらび平から千畳敷までロープウェイが通じており、貴重な自然環境を身近なものとして触れることができます。全域が中央アルプス県立公園、一部が長野県指定の天然記念物です。
管内レクリエーションの森
名称 | 箇所数 | 面積(㏊) | 箇所 |
自然休養林 | 1 | 1,037 | 北八ヶ岳 |
自然観察教育林 | 1 | 1,287 | 八ヶ岳 |
野外スポーツ地域 | 1 | 115 | 富士見 |
風致探勝林 | 4 | 561 | 七島八島、富士見、駒ヶ根、富士見台 |
国有林を利用される皆さまへのお願い
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お問合せ先
南信森林管理署
ダイヤルイン:0265-72-7777