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大山周辺に所在する国有林の中で、この地域を代表する原生的な天然林を主体に約3,200ヘクタールを大山森林生態系保護地域として設定しています。
森林生態系保護地域は、森林生態系からなる自然環境の維持、動植物の保護、遺伝資源の保存、森林施業・管理技術の発展、学術研究等に役立てることを目的として設定したものです。
この地域の植生は、山腹地帯の原生的なブナの天然林から、亜高山帯に属する山頂のダイセンキャラボクの純林までの垂直的な植物群落の推移が見られます。
また、動物相はクマ、シカ等の大型ほ乳動物は生息していませんが、鳥類の宝庫ともいわれ、昆虫類では固有種、大陸系、北方系、南方系の種が分布しており、種の多様性に富んだ豊かな生物相を示しています。
ブナ原生林(大山国有林夏山登山道4合目付近では純林が見らます |
特別天然記念物ダイセンキャラボクの純林昭和27年に特別天然記念物に指定されました。また、鳥取県の木と大山町の木にも指定されています。 |
フジミドリシジミブナ林を生息場所とする日本固有のシジミチョウ類です。大山では比較的多くの個体が観察できます。 |
特別天然記念物ダイセンキャラボク
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この地域に入り込む登山者の皆さんなどに対して、この地域を設定したことの趣旨や森林の生態や働きなどを説明、指導する保全管理協力員制度を設けています。
保全管理協力員は、現在、大山周辺の地理・地形・地質・動物・植物に詳しい専門家10名の方々に委嘱しており、鳥取森林管理署とそれぞれの保全管理協力員とが情報連絡を密にしながら活動しています。
なお、この保全管理協力員は、写真のような腕章を付けて活動していますので、大山森林生態系保護地域で出逢ったらご遠慮なく声をおかけ下さい。
腕章 |
保全協力員の活動状況 |
大山観光道路、県道大山口停車場線沿いには、樹齢400年、根回り3m~5m、樹高20m以上のクロマツの並木があり、「大山並木松」と呼ばれています。これは、慶長の初め(1604年頃)大山寺中興の祖と言われた「豪円僧正」が大山参りの人々の道標として植えたものと言い伝えられています。
昭和52年には大山町の文化財に指定され、昭和62年には「日本の松百選」に、平成4年には「日本街路樹百選」にも選ばれています。
ところが、昭和50年代から急激に樹勢が衰え、毎年数本づつが枯れ始め、現在では県道大山口停車場線沿いは1本のみ現存するという状況になっています。
このことから、平成14年には現存する並木松からクローンを採穂して苗木に成長させ、約150本を大山観光道路沿いに一般公募者の協力をいただいて植樹しました。
平成15年は、この植樹した2代目マツの手入れ(下刈)を行うために再びボランティアの皆さんに呼びかけ、汗水を流してもらいました。
ボランティアによる並木松2代目の植樹 |
植樹1年目の手入れ(下刈) |