希少な野生生物の保護
国有林野事業では、希少な野生生物の保護に向けて、研究機関、地方公共団体等と連携を図りながら、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に基づく「保護増殖事業計画」等に基づき生育・生息状況の把握や維持・改善等を実施しています。
国有林野内における希少な野生生物の保護や自然環境の保全を進めるため、研究機関、地方公共団体、地域住民及び環境保護に関心が高いNPO等と連携し、モニタリングを実施するとともに、高山植物の盗採掘の防止等のため巡視を行い、希少な野生生物の生育・生息環境の保全に取り組んでいます。
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クマタカ 絶滅危惧IB類(EN) |
レブンアツモリソウ 絶滅危惧IB類 |
ツシマヤマネコ 絶滅危惧IA類(CR) |
ライチョウ 絶滅危惧IB類(EN) |
各森林管理局の希少野生生物の保護に向けた取組はこちら
森林管理局 | 管轄地域 |
北海道森林管理局 | 北海道 |
(東北森林管理局) | 青森県|岩手県|宮城県|秋田県|山形県 |
(関東森林管理局) | 福島県|茨城県|栃木県|群馬県|埼玉県|千葉県|東京都|神奈川県|新潟県|山梨県|静岡県 |
中部森林管理局 | 長野県|富山県|岐阜県|愛知県 |
(近畿中国森林管理局) | 石川県|福井県|滋賀県|三重県|奈良県|和歌山県|京都府|大阪府|兵庫県|鳥取県|岡山県|島根県|広島県|山口県 |
四国森林管理局 | 香川県|徳島県|愛媛県|高知県 |
九州森林管理局 | 福岡県|大分県|佐賀県|長崎県|宮崎県|熊本県|鹿児島県|沖縄県 |
世界自然遺産地域(推薦地含む)に生息・生育する希少野生生物
知床(2005年登録) | シマフクロウ:絶滅危惧IA類(CR) オオワシ:絶滅危惧II類(VU)他 |
白神山地(1993年登録) | イヌワシ:絶滅危惧IB類(EN) クマゲラ:絶滅危惧II類(VU)他 |
小笠原諸島(2011年登録) | アカガシラカラスバト:絶滅危惧IA類(CR) オガサワラノスリ:絶滅危惧IB類(EN)他267種 |
屋久島(1993年登録) | ヤクシマウスユキソウ:絶滅危惧IA類(CR) アカヒゲ:絶滅危惧II類(VU)他 |
奄美大島、徳之島、沖縄島 北部及び西表島(2021年登録) |
イリオモテヤマネコ:絶滅危惧IA類(CR) アマミノクロウサギ:絶滅危惧IB類(EN)他532種 |
イリオモテヤマネコの保護に関する取組
「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」世界自然遺産のひとつである西表島は、島の77%が国有林で、イリオモテヤマネコやカンムリワシなど多くの希少な野生生物が生息しています。
なかでも1965年に発見されたイリオモテヤマネコは、ベンガルヤマネコの亜種で、約9万年前の氷期の時代に、台湾や中国南部に分布するタイワンヤマネコ(ベンガルヤマネコの亜種)の一部が、台湾を経由して西表島へ移動し、進化したもの考えられています。
イリオモテヤマネコの一番の特徴は、他のネコ科動物と比較すると食性の幅がとても広いことです。ネズミなどの哺乳類から鳥類、爬虫類、両生類、昆虫類、甲殻類等を季節的に変化させながら、餌として利用することで、イリオモテヤマネコのような中型食肉目が長期間生息できる規模の島とは考えられない小規模な島嶼環境に見事に適応しています。
現在、イリオモテヤマネコは、100頭ほどが生息していると考えられています。九州森林管理局では、関係機関やNPO等と連携し、1993年から森林官や巡視員等の巡視による生息分布調査を継続して実施するとともに、生息地の環境保全についての普及啓発を行い、イリオモテヤマネコの保護活動に努めています。
イリオモテヤマネコ
絶滅危惧IA類(CR)
お問合せ先
国有林野部経営企画課国有林野生態系保全室
担当者:生物多様性保全班
ダイヤルイン:03-6744-2322