株式会社八葉水産/登米市（宮城県）/カルネコ株式会社 受賞者レポート

森林×脱炭素チャレンジ2023
J－クレジット部門

株式会社八葉水産／登米市（宮城県） カルネコ株式会社

　株式会社八葉水産は、1972年に宮城県気仙沼市で創業して以来、地域の基幹産業である水産加工業を牽引してきましたが、2011年の東日本大震災によって生産設備に甚大な被害を受け、一定期間製造を休止せざるを得ない状況でした。その復旧にあたり、瓦礫の撤去や清掃、設備の整備、販売支援等多くの方に支えられた経験から、地域の振興につながるような恩返しがしたいと考えていました。そこで、同社が原材料を調達している三陸沿岸に流れる河川の源流地域である登米市の森林整備に貢献するため、J- クレジット販売仲介事業者であるカルネコ株式会社の仲介により、同市の森林に由来するJ-クレジットを購入することとしました。

商品がつなぐ脱炭素の輪

　カルネコ株式会社では、J- クレジットの購入に関心のある企業等に対しオフセット商品の販売を提案しています。クレジットを販促活動に利用することで、幅広い消費者へ森林保全活動に気軽に参加する機会を提供できるためです。株式会社八葉水産では、「豊かな森は海も豊かにする」という考えの下、カルネコ株式会社からの助言を受け、三陸産めかぶ商品1パックにつき1円を森林由来J-クレジットの購入資金に充てるオフセット商品の販売を開始。同社では、「人、地域、地球にやさしい社会貢献」という経営理念の下、このスキームにより購入したクレジットを活用し、めかぶ商品の製造過程で排出されているCO2をオフセットすることで、事業活動の脱炭素化に取り組んでいます。

　登米市は県内有数の林業地域であり、豊かな森林資源を有効に活用しながら、次の世代へ引き継ぐために、2016年に市有林でFSC認証を取得し、持続可能な森林経営と登米市産木材の需要拡大を図っています。森林由来J-クレジットの収益は、植林や間伐などの市有林の整備費用に充てられており、J- クレジットの購入を通じて健全な森林の育成に貢献しています。
　また、同市では、森林整備を通じた地球温暖化防止など森林・林業の大切さを普及啓発するため、「市民参加の新たな森林づくり」として年2回春と秋に植樹祭を開催するなど、市民が直接自然環境にふれあい、森林に親しみを持つ機会を創出しています。この植樹祭には、J- クレジットの購入をきっかけとして、株式会社八葉水産の社員も参加（2022年春は87名が参加）し、社会貢献活動を通じた社員のモチベーションの向上や環境意識の啓発につながっています。