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林野庁

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日本たばこ産業株式会社 受賞者レポート

森林×脱炭素チャレンジ2023
森林づくり部門

優秀賞

王冠 日本たばこ産業株式会社 王冠
「こんな森になってほしい」 地元の方々の想いと力が支えるJTの森
 自然の恵みに感謝の想いから

 日本たばこ産業株式会社(JTグループ)では、たばこ、医薬、加工食品事業を中心とした事業活動を展開しています。事業活動の中で葉たばこや紙、野菜など植物を中心とした自然由来の原材料を使用していることから、事業を支えてくれる自然の恵みに感謝し、今後も自然環境を大切にしていきたいと考え、自然環境保全の一環として、全国に9か所あるJTの森において森林保全活動を進めています。

「JTの森 小菅」での活動(森のお弁当づくり)

「JTの森 小菅」での活動(森のお弁当づくり)

「JTの森 三好」での活動(植栽作業)

「JTの森 三好」での活動(植栽作業)

 みんなで育てるJTの森

 同社では各都道府県の「企業の森制度」を活用し、自治体等と森林保全協定を締結した上で、森林の整備費用の一部を支援しています。森林整備のプラン作りには、森林所有者はもちろんのこと、県や市町村、日頃の手入れをお願いしている森林組合をはじめとする、森林を大切に思う地元のたくさんの人が関わります。
 各地のJTの森には、「こんな森になってほしい」という森づくりのテーマがあります。例えば、2005年にJTの森がスタートした和歌山県の「JTの森 中辺路」では、当時50haの広大な山肌に木がほとんどなく土や石が剥き出しであったことから、「緑を取り戻し森を育む」をテーマに、10年間で約18万本のサクラやモミジ、ヒノキ等を植栽し、針広混交林を目指して、苗木の成長に必要な間伐等の手入れを継続的に取り組んでいます。また、山形県の「JTの森 鶴岡」は、海岸沿いに位置しており、海岸から吹き付ける強風や飛砂から「人々の暮らしと農地を守る海岸砂防林」をテーマに、クロマツの植栽や下刈りといった保育活動や苗木を強風から守る防風柵の作成・設置等に取り組んでいます。
 また、地元の方々とともに従業員がボランティアで森林整備の作業を行うイベント「森づくりの日」を、各地で年1回以上開催しています。イベントでは、植栽や下刈りといった森林整備活動のほか、地元の森林組合の職員等を講師に迎え、森林保全に取り組む意義や地域に合った森へと育てていくために役立つ講話等、環境教育を実施しています。2021年度及び2022年度は、計22回のイベントを各地で開催し、計1,128名(従業員、地域住民含む)が参加するなど、地元の多くの方々の協力を得て、元気な森に育っています。

「JTの森 中辺路」での活動(集合写真)

「JTの森 中辺路」での活動(集合写真)

     森からの恵みを地域に

     同社では、各地の企業や団体等の地域関係者と連携し、JTの森が生み出す資源の利活用を推進しています。「JTの森 中辺路」では、間伐材で作成したSDGsバッジを社内で活用したり、事業関連会社の社員に配布しています。また、北海道の「JTの森 積丹」では、現地名産のお酒(積丹GIN)の箱に間伐材を使用することで製品に付加価値をつけています。徳島県の「JTの森 三好」では、間伐材で作成した木製品を県内の施設に寄贈しています。
     このように、JTの森の活動を通して得た恵みを地域に還元することで、地域とJTの森を結びつけ、持続的な森林づくりを可能としています。

    間伐材を活用したSDGsバッジ

    間伐材を活用したSDGsバッジ

    木製アルコールスプレーケースを寄贈

    木製アルコールスプレーケースを寄贈

       審査員の講評

       日本全国各地において協定を結び、各地の特性に応じた森づくりを中長期的に継続し、実践されてきました。また、「森づくりの日」と銘打って地元住民などとの交流事業も実施され、従業員への環境教育だけではなく、地域活性化につながる取組も素晴らしいです。

      青木 亮輔(株式会社東京チェンソーズ 代表取締役)

      お問合せ先

      林野庁林政部企画課

      ダイヤルイン:03-3502-8036