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林野庁

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株式会社NTTドコモ 受賞者レポート

森林×脱炭素チャレンジ2023
森林づくり部門

優秀賞

王冠 株式会社NTTドコモ 王冠
ICT技術を活かした森林づくりと林業への貢献
 サステナブルな社会を目指して

 株式会社NTTドコモでは、事業運営とESG課題への取組を一体的に推進し、サステナブルな社会の創造に貢献するため、環境目標「Green Action Plan」を掲げ、主なアクションの一つとして、1999年より、ドコモの森を全国47都道府県49箇所に開設し、20年以上にわたる森林整備活動に取り組んでいます。また、通信技術の強みを活かし、自治体や他の企業とも連携したICTソリューションを活用した環境保全活動の推進にも取り組んでおり、その活動の幅はドコモの森を超え、社会全体の持続的な発展に寄与しています。

 ふれあいの場「ドコモの森」

 国有林の「法人の森林」制度や公益社団法人国土緑化推進機構の「緑の募金」制度、各都道府県が実施している「企業の森づくり」サポート制度などを活用して、全国各地で「ドコモの森」づくりに取り組んでおり、総面積は約210haに及びます。
 ドコモの森では、社員やその家族による植林や下刈り、間伐などの森林整備に取り組んでいるほか、ドコモの森からの間伐材を活用した木製キーホルダー作りを地域の方々に体験してもらうことで森林保全の大切さを伝えています。
 また、地元のNPOとも連携し、カブトムシが住みやすい環境を整えるためのクヌギやコナラの植栽、生きもの調査アプリを通じ、遊びの要素を取り入れながら楽しくドコモの森に生息する動植物の調査を行うなどの環境教育も展開しており、子ども達が森とのふれあいを通して、生物多様性の在り方と保全を学ぶ場としてもドコモの森は活用されています。

ドコモの森の活動(間伐)

ドコモの森の活動(間伐体験)

アプリを使った生き物探しの風景

アプリを使った生き物探しの風景

 自社技術を活かし林業の発展へ

 同社では、自治体や地域の森林組合、地元企業等との連携を図り、5GやIoTなどのICT技術を活用した林業の効率化を推進するビジネスモデルの構築を進めています。例えば、ドローンを用いた森林資源量調査や森林境界の明確化、林業機械の遠隔操作・自動運転等による省人化の実証に取り組んでいます。また、林業現場は労働災害の発生率が他産業と比較して高いことから、スマートフォンが使用可能な通信網を整備し、林業従事者が安全に作業できるよう就労環境の整備を図ることを目的に通信可能エリアの拡大に向けた実証も進めています。
 さらに、オンライン動画学習サービス「gacco」により、林業におけるICTの活用事例や林業・木材産業の作業安全対策に関する学習コンテンツを提供しており、これらの産業の人材育成に活用されています。
 このように、ICT技術を活用することで、省人化・軽労化・安全性の向上を図り、林業の更なる発展に貢献しています。

通信可能エリアの拡大に向けた実証
通信可能エリアの拡大に向けた実証
(基地局からの電波を受けるルーター搭載のバルーンを浮かせ、林内に通信可能エリアを広げる仕組み)

 審査員の講評

 自社ビジネス優位性を発揮しているICT技術活用は、単なる森林保護等に留まることなく、ビジネスの場としての森林活用が期待できます。森林と直接関係しない企業の、自社事業と社会課題解決を結ぶCSV事業として、さらなる拡大を期待しています。

小寺 徹(一般社団法人CSV開発機構 専務理事)

お問合せ先

林野庁林政部企画課

ダイヤルイン:03-3502-8036