このページの本文へ移動

林野庁

メニュー

和の会/株式会社明和不動産/株式会社明和不動産管理/小国町(熊本県)/株式会社ATGREEN 受賞者レポート

森林×脱炭素チャレンジ2023

グランプリ

王冠 和の会/株式会社明和不動産
株式会社明和不動産管理

小国町(熊本県)/株式会社ATGREEN
王冠
パートナーシップの強化で実現 地域の森林づくりと脱炭素社会
 木を使う住宅業界として

 和の会は、九州地方において不動産事業を展開する株式会社明和不動産・株式会社明和不動産管理と、その取引先企業で構成された団体です。同会は、会員同士の交流を図りながら、住宅業界にとってかかわりの深い木材を生み出す森林の整備に貢献することを目的としています。この達成に向けて、2015年より和の会・株式会社明和不動産・株式会社明和不動産管理(以下、「和の会ほか2社」という。)が連携し、持続可能な脱炭素社会のまちづくりにいち早く取り組んでいた熊本県小国町において、森林整備を支援するための寄付活動や、和の会会員企業の社員やその家族の参加による植樹活動を開始しました。
 また、脱炭素社会実現に向けた国内の機運が高まってきたことを踏まえ、2019年からは同町が創出した森林由来J-クレジットの購入により、更なる森林整備の促進に取り組んでいます。

 協定に基づく森林づくり

 J-クレジット購入を通じた森林整備への支援を持続させるため、和の会ほか2社と、小国町、小国町森林組合、そしてクレジットの販売仲介事業者である株式会社ATGREENとの間で、2020年に森林由来J-クレジットの購入を通じた小国町の持続的な森林整備の促進に関する協定を締結しています。協定に基づき、和の会ほか2社は小国町のクレジットを購入し、その販売収益は小国町森林組合が実施する森林整備の費用に充てられています。また、株式会社ATGREENと小国町森林組合の協力のもと、間伐材を用いたノベルティ品を製作し、資金を提供してくれた和の会会員へ配布することで、森林整備や脱炭素社会の実現へ貢献していることを実感してもらい、森林由来J- クレジット購入への継続的な協力を促しています。さらに、協定関係者間で連携し、林業現場の見学や植林体験、小国町森林組合が製作した木材製品の購入等、都市と山林との交流を図ることで地域の活性化にも繋がっています。

クレジットを創出した小国杉の森林

クレジットを創出した小国杉の森林

ノベルティ1

ノベルティ2

ノベルティ品(上:トレイ、下:ティッシュケース)

スキーム図

             協定のスキーム図

 手を取り合い地域課題の解決に向けて

 2020年7月に九州地方を襲った豪雨により、小国町内の山林においても70箇所以上で山崩れなどの被害が確認され、森林整備に必要不可欠な森林作業道も約50路線で被害がありました。町の象徴となる小国杉の森林整備にも大きな影響を及ぼす状況の中、和の会ほか2社ではクレジットの購入を継続し、小国町においてその販売収益を道の補修に活用することで、2022年までに36路線の補修が完了しています。これにより、今後の森林整備を促進し、新たなクレジットの創出の可能性が生まれています。
 約130者の和の会会員の参加により森林づくりを支援することで、地域課題の解消に結び付き、持続的なまちづくりへとつながっています。多数の企業が協力し、地域へ貢献する象徴的な取組として広く波及していくことが期待されます。

復旧した森林作業道

復旧した森林作業道

 審査員の講評

 小国杉を中心とした森づくりや地域づくりを官民が一体となって取り組み、関係者に広く利益を産み出しつつ、脱炭素社会への貢献とともに地域課題の解消に繋げており、SDGs未来都市実現の模範となる取組です。

青木 亮輔(株式会社東京チェンソーズ 代表取締役)

お問合せ先

林野庁林政部企画課

ダイヤルイン:03-3502-8036